トップページへ戻る

ニュース

HOME > ニュース > AV&ホームシアターニュース

公開日 2026/11/07 19:15
野村ケンジ氏/藤本 健氏の実演解説も

<ヘッドフォン祭>Questyleのトップが来日。次世代ポタアン「MEX」から基幹技術「CMA」まで語る

ファイルウェブ編集部


フジヤエービックが主催する、170以上のポータブルオーディオ関連ブランドが集う展示試聴イベント「秋のヘッドフォン祭 2026」が、東京駅そばのステーションコンファレンス東京にて開催された。


本会場では、ポータブルDAC/アンプの新モデル「MEX(エムイーエックス)」をお披露目したばかりのQuestyle(クエスタイル)が発表会を開催。創業者にしてCEOの王 豊碩(ワン・フォンシュオ)氏が来日し、新製品MEXの特徴と、ブランドの成り立ち、およびブランドの根幹を成す技術「CMA(カレント・モード・アンプ)」について改めて紹介した。



新製品「MEX」を掲げるQuestyle創業者の王 豊碩(ワン・フォンシュオ)氏


Questyleブランドの沿革と、中核技術CMAを創業者がおさらい


2004年、当時まだ中国・揚州大学の学生だった王氏は、通信回路の実験中に偶然とある回路を組み上げる。それは本来の目的にはそぐわないものの、オーディオ用としては驚くほど良い特性を発揮したという。これが現在Questyleの基幹技術となっている「CMA」の始まりなのだそうだ。


もともと幼い頃からHi-Fiオーディオと電子工作に慣れ親しんできた王氏は、この発見を奇貨として、同級生らと夏休み返上でパワーアンプの開発に没頭。秋には、広帯域/超低歪みのパワーアンプ第1号が実際に完成した。翌年には中国の学術誌に論文を掲載し、関連技術について特許を出願するに至った。



学生時代の王氏の写真


ただしこの段階では、回路に使用するトランジスターの特性を厳密にそろえる手間がかかるなど、製品の量産に活かすには大きなハードルがあった。王氏は大学を卒業し、いったん米IC設計企業に就職。仕事のかたわら、量産に向けた課題の解決に取り組んだ。


そして2012年、課題を乗り越えた王氏は、中国・深センにてQuestyleを立ち上げ、CMA技術を活用したオーディオ製品の販売を開始した。CMA技術はその後も改良が続けられ、現在では3mm四方のICチップサイズにまで小型化されている。


そもそも、CMA技術と一般的なアンプ技術のどこが大きく違うのかといえば、一般的なアンプ技術は音楽信号を「電圧」の状態で増幅するのに対し、CMAでは「電流」の状態で増幅するという点だ。


CMAでは、電圧信号をいったん電流に変換し、増幅の中心となる部分を電流で処理した後、最後に電圧に戻して出力する。この仕組みにおいては、大きく早く変化する音楽信号でもほとんど歪まず、聴き疲れを引き起こす成分が発生しにくい。


さらに大きな音楽信号を扱っても帯域が落ちにくく、消費電流が少なく済むという利点も生まれるという。ここに、上述した量産化を容易にする工夫を加えた点が、CMAの独自性と言えるだろう。


独自の技術と細かなこだわりが詰まった新製品「MEX」


このCMA技術を搭載したポータブルオーディオ製品の最新作が、ドングル型ポータブルDAC/アンプ「MEX」だ。ECサイト「ミミゴト」にて本日11月7日から先行予約販売を開始しており、一般発売時は33,000円(税込)での販売を予定しているところ、数量限定で最大20%オフで購入できる。



「MEX」



チップサイズにまで小型化したCMA回路(SiPカレントモードアンプモジュール)を4組搭載することをはじめ、DACチップにESSのES9219Qをデュアル搭載。PCM 384kHz/32bit、DSD256までの再生に対応する。「TTA」という3段階の信号処理設計を採用することで、高感度なイヤホンから駆動力の要るヘッドホンまで対応できる点が強みだとする一方、スマホで使うことを考慮し電力管理/省電力性にも力を入れたという。



「TTA」という3ステップの信号処理設計を取り入れる


ヘッドホン端子は4.4mmバランス/3.5mmシングルエンドを1系統ずつ備え、最大出力はバランスが4V、シングルエンドが2V(@300Ω)。3段階のゲインと64ステップのボリュームで、細かな音量調整が行えるとする。3.5mm端子はマイク付きイヤホンにも対応。本製品自体もマイクを内蔵している。



4.4mm/3.5mmヘッドホン出力を搭載。シースルーのデザインは「設計の自信の表れ」でもあるのだとか


また大きな特徴のひとつが、2種類のサウンドモードの搭載。余計な信号処理を行わず原音忠実に増幅する「PUREモード」と、モバイルアプリからさまざまな音質調整を施せる「TUNEモード」を用意し、本体のスライドスイッチから切り替えられる仕様だ。



側面のスイッチで、原音忠実モードと音色カスタマイズモードを瞬時に切り替えられる


モバイルアプリでは、シンプルに音質変更を行えるEQプリセットや、調整したい周波数帯域や増減させる範囲などを細かく設定できるパラメトリックEQ(PEQ)が設定可能。ほかにも、音の強弱や微細な表現を拾いやすくする「DRE(ダイナミックレンジ拡張)」、再生音のニュアンスをほんの少し変えられる、DACチップ内蔵フィルター切り替え機能が備わっている。



EQは細かなパラメーターの調整が可能


この2モードの違いと音質調整機能の使いこなしに関しては、ゲストとして招かれたオーディオ評論家 野村ケンジ氏、オーディオ/DTMライター 藤本 健氏の2名が解説。さらに発表会の進行役を務めた声優・田村響華さんが音質を体感した。



主にハードウェアや音質的特徴について解説した野村ケンジ氏


野村氏は、まずPUREモード、つまりMEX本来の音質特徴について、「とにかく歪が小さい」ことを挙げる。接続した端末から電力を供給するバスパワー駆動方式でありながら、端末側からのノイズの影響を大きく抑えている点も評価した。


もう一方のTUNEモードについては、調整できる項目が多すぎて戸惑うかもしれないが、「好みのイヤホン/ヘッドホンの気になるクセを矯正するように使えば、自分の理想の音に近づけられるし、Hi-Fi的な使い方にもなる」とガイドした。


続いて藤本氏が、具体的にTUNEモードの操作をレクチャー。MEXをiPhoneに接続してPEQの画面を見せつつ、「自在に音を変えるというより、気になる周波数をピンポイントで調整する」という使い方がオススメだと語った。



藤本 健氏は音質調整機能について深堀り


最後に田村さんが、PUREモードと、藤本氏がボーカル重視にカスタマイズしたTUNEモードを聴き比べ。PUREモードは「まろやか」、TUNEモードは「くっきり」と、音質の印象が格段に変わったことに驚きを見せていた。



藤本氏がチューンしたサウンドを試す田村さん


このほかMEXのこだわりポイントとして、厳しい審査に通過する必要があるアップルのMFi認証を取得しており、iPhoneに接続するだけでアプリが立ち上がり、操作性やインターフェースもiOS標準機能であるかのような一貫性を実現している点が挙げられた。


また、モバイルアプリの音質設定をユーザー間で共有できる「Q-Code」もユニークなポイント。王氏はQ-Code機能について、Questyleブランドが掲げる“easy Hi-Fi(だれでも手軽にHi-Fi音質を楽しめる)”のコンセプトをさらに押し進める取り組みの一環と位置づけ、「専門家も初心者も一緒にHi-Fiを楽しめる」提案をしていきたいと締めくくった。



Q-Code機能は、EQやゲイン、DACフィルターの設定、どのイヤホン/ヘッドホンに向けたカスタマイズなのか等々、多くの情報をユーザー同士で共有できる


関連リンク

新着クローズアップ

クローズアップ

アクセスランキング RANKING
1 データ転送量が約4倍となる新規格「Bluetooth HDT」正式承認。ロスレスオーディオの標準化へ
2 古いスマホを音楽専用プレーヤーに。“好きだから作っちゃった”「reTONE」の仕掛け人に聞くプロジェクトの狙い
3 オーディオテクニカ、“同社最高峰”のフラグシップ完全ワイヤレスイヤホン「ATH-TWX9MK3」
4 人気のUSB-CイヤホンにAVIOT参戦! VGPアワードW受賞の実力機「CE-V1」徹底レビュー!
5 女子プロゴルフ「TOTO ジャパンクラシック」、11/5から4日間の放送・配信予定
6 レグザ、4K液晶テレビ「Z670S」。高輝度倍速パネル・独自エンジン・重低音立体音響など搭載
7 パナソニック「ビエラ」はなぜSQD Mini LEDを選んだ? 新フラグシップ「X97C」の実力を体験
8 ビクター、第2世代イヤーカフ型ワイヤレスイヤホン「HA-NP1T2」。音質/装着感/音漏れ低減など強化
9 フルテック、最上位壁コンセントで組み上げたハイエンド2口電源タップ「GTO-S2 NCF(R)」
10 Dan D’Agostino、プリアンプ「Momentum C2Z」。出力回路を低インピーダンス化、税込1298万円
11/6 10:16 更新

WEB