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<Inter BEE>Valerionの最上位4Kプロジェクターで120型画面のカーレーシングデモ/シーイヤーは“空間を塗り分ける”開発中スピーカーをお披露目
編集部:太田良司11月19日(水)から21日(金)にかけて千葉・幕張メッセにて開催されている「Inter BEE 2025」から、最新の4Kプロジェクターで120型映像のカーレーシングデモを行ったValerionや、開発中のスピーカーを展示していたシーイヤーなどをレポートする。
Valerion、明るく遅延の少ないハイエンド4Kプロジェクター「VisionMaster Max」をレーシングゲームでデモ
米AWOL Visionのプレミアム・サブブランドValerionのブースでは、最上位4Kプロジェクター「VisionMaster Max」を国内で初展示。PS5を接続してレーシングゲームの体験コーナーを展開していた。
Inter BEE 2025の明るい会場内でも、120型のスクリーンにハッキリと投写。遅延は4msに抑えているとのことで、実際に見ても映像とのズレなどは気にならなかった。
会場には、Valerionの創業者 兼 CEOのAndy Zhao氏も訪れており、ブランドや製品について自ら説明してくれた。Valerionは去年立ち上げたばかりのブランドだが、米Kickstarterでクラウドファンディングを実施したところ、45日間で日本円にして16億円相当の支援額を達成。2024年度はおろか、歴代のクラファンプロジェクトの中でもトップクラスの結果を収めたという。
新製品のVisionMaster Maxでは、RGBトリプルレーザー光源採用で画質を損なうレインボーノイズを徹底的に排除し、独自の設計で黒の表現力も高めていることがトピックなのだという。明るさは最大3,500 ISOルーメンに達し、最大300型までの映像投写が可能でありつつ、他社よりも綺麗に映ると自信を見せていた。
国内販売は、12月初旬にクラウドファンディングMakuakeにて予定しているとのこと。価格はまだ正式に決まっていないが、Makuakeの早期割引プランでは50万円前後で購入できるようにしたいとのことだ。
このほかZhao氏によると、現在ポータブルプロジェクターを開発しており、来年展開予定とのこと。製品の詳細については語られなかったが、来年の登場に期待したい。
“空間を塗り分ける” ように音を届けるスピーカー「sound Gradient」。シーイヤーとパナソニックが共同開発中
シーイヤーのブースでは、パナソニックと共同で開発中の音響制御技術を活用したスピーカー「sound Gradient」が初お披露目。前後にそれぞれスピーカーの開放部があり、内部に搭載された4基のドライバーユニットから、異なる空間に任意の音を出力できるというスピーカーとなる。
ブースで実施していたデモでは、音楽再生中のsound Gradientの前を横切ると、ある瞬間に突然別の音源に“塗り替わる”かのような体験ができた。発売時期については、現時点で未定とのこと。
また、すでに販売中の同社立体音響スピーカー「Cear pave」について、内部構造が見える試作スケルトンモデルが参考展示されていた。ちなみにCear paveとsound Gradientは、内部に共通のエンジンを搭載しているそうだ。
ほか、頭上に複数のCear paveを円を描くように設置して、同じ音源を一斉に鳴らすデモを用意。1台1台の音量は同じなのに、円の中心に来るとあたかも音量が上がったように聴こえる体験が味わえた。
会場のセッティングを行っていた、シーイヤー代表取締役の村山好孝氏にも直接話を聞くことができた。同社では「空間に音をアプローチをする技術」に取り組んでいるが、これは1台の再生端末に対し複数の機器を制限無く同時連携できるBluetooth技術「Auracast(オーラキャスト)」によるものが大きいという。
Auracastの登場以前は、複数台のスピーカーを使うデモを行おうとした場合に、全て有線で個別に繋ぐ必要があったという。過去には128チャンネルの接続が必要だった経験があり、イベントが準備だけで終わってしまいかねないほどだったそう。それがAuracastによって大幅な配線の簡素化が実現し、ようやくここまで来れたと感慨深そうに語っていた。
アイ・オーは120Hz対応ウルトラワイドモニターや、Thunderbolt 5対応のSSDを展示
アイ・オー・データ機器は、7月下旬に発売したウルトラワイドモニター「LCD-CWQ341SDB-FX」と、Thunderbolt 5規格に対応したSSDなどを展示していた。LCD-CWQ341SDB-FXは、34型のワイドディスプレイでUWQHD(3,440×1,440)の解像度。一度により多くの情報を表示して作業効率を上げられるだけでなく、120Hzのリフレッシュレートでゲームにもおすすめとしていた。
SSDの「SSPU-TFC」は、国内メーカーとしていち早くThunderbolt 5に対応したというモデル。最大読み込み6,000 MB/s、最大書き込み5,000 MB/sで速度に優れるとアピールしていた。なお、Thunderbolt規格は基本的に前のバージョンと互換性があるのだが、現時点ではThunderbolt 5の製品をThunderbolt 3搭載端末に接続すると相性問題が多いそうで、本製品もThunderbolt 3接続はMacのみ対応とアナウンスしているとのこと。