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ビックカメラ、創業の地・池袋の3店舗をリニューアル。アニメの品揃え強化などで若者や女性を意識
編集部:竹内 純ウイークポイントだった若年女性客を取り込む
ビックカメラは本日11月14日(金)、池袋エリアの「池袋本店」「池袋カメラ・パソコン館」「池袋西口店」の3店舗を午前10時にリニューアルオープンした。併せて同日より、“ビック史上最大級!総合家電の祭典”を謳った「ビックトレジャー2025池袋」をスタートした。
オープンを前にメディア向けの内覧会が催され、年末商戦を前にしたこのタイミングでのリニューアルとなったことについて、ビックカメラ池袋本店 店長・横井孝典氏は「ヨドバシカメラの新店オープンがこの時期になるのではないかと想定した上で、準備を進めていた」と説明した。
リニューアルの大きなポイントのひとつとして挙げるのは、池袋を訪れる多くの若年層、特に女性のお客様の取り込みだ。集客面におけるウイークポイントの解消を目指し、新たにサブカルやアニメ、キャラクター関連の品揃えを強化。すでに、メーカーと共同でイベントを開催するなど、成果が出始めているという。
店の顔ともいえる1階は、ケータイ各社の契約カウンターを2階へ移動。「これまでのモバイルバッテリーやケースに加え、生活をより便利にできるガジェットの品揃えを強化しました」とスマホ関連のアクセサリー類を充実させると同時に、より明るくオープンなイメージでお客様を出迎える。
一方のビックカメラ池袋カメラ・パソコン館では、「若い女性の間でカメラに対する関心が高まっています」(店長・宮内建史氏)と、初心者の方でも手軽に手に取って試しやすいように工夫を凝らしたカメラコーナーを1階に構えた。
さらに、ひとつ上の2階のカメラコーナーでは、中古カメラ・レンズの取り扱いを新たにスタート。カメラ価格が高騰し、若者層をはじめとする新規のお客様が手を出にくい状況にあるなか、「グループにソフマップを持つ強みを活かし、お客様の購入の選択肢を増やしました。買いやすい、手が届きやすい環境を提供していきます」と新規層の掘り起こしへ意気込みを示す。
リニューアルのもうひとつのポイントは、商品の魅力を肌で感じることができる体験・体感の充実だ。専門販売員集団を誇るビックカメラの中でも精鋭中の精鋭と言える“ビックカメラマイスター”を筆頭に、販売員による創意工夫を凝らした売り場を演出。これまでの本部主導から、お客様により身近な現場主導へと切り替えた。
全国307名のビックカメラマイスターが、お客様の暮らしを劇的に変える逸品として選定した「ビックマイスター大賞2025」全188部門の商品展示もスタート。ほとんどの商品が体験可能な状態で展示され、マイスターが選定した理由やこの商品がどのように生活を変えてくれるのかを解説したPOPが掲げられている。
なお、188の商品の中の頂点となる総合大賞には、Ankerのスマートプロジェクター「Nebula Capsule 3」が選ばれた。
プロジェクター担当マイスター・瀬出井健斗氏は「350ml缶と同じコンパクトなサイズで、テレビとは異なる120インチの大画面が楽しめます。カバンに入れて持ち運べる大きさなので、家でも出かけた先でも楽しむことができます。ネット動画の多くのアプリに対応していますので、自分好みにカスタマイズして観たいコンテンツを楽しめる。大切な時間がより特別なものになります」と選定理由を解説した。
まだまだ第一歩。さらに進化していく
若年層・女性層へのアピール、現場主導の体験・体感の充実というキーワードのもと、カメラ・パソコン館では「ゲーミングPC」コーナーを、これまでの1フロアから2フロアへ拡大した。市販PCだけでなく、パーツから組み立てる自作PCやメーカーへのオーダーPCを同じフロアに集結し、幅広い選択肢を提示する。
自作PCの組み立てでは、広い作業用のカウンターを備えた専用コーナー「パソコン組立工房」を新設。「自分で組み立てるのはむずかしいというイメージがありますが、販売員が丁寧にご案内しますので、安心して組み立てられます」(宮内店長)とアピールする。
2フロア構成となったひとつ上の7階にはゲーミングデバイスがズラリ顔を揃える。専門周辺機器の品揃えを充実させるだけではなく、「一番のこだわりは、その場でPCとつないでほとんどの商品を実際に体感できること」と、ここでも“体感”“体験”がキーワードとなっている。
カメラ・パソコン館では、3Fのペンタブレットコーナーも体験・体感を充実させた目玉コーナーのひとつ。広いスペースを割いて多数のモデルを揃え、手軽に試せる環境が整えられている。
なお、池袋3店舗のリニューアルを記念して、2025年11月14日(金)より、JR山手線・池袋駅の駅名標が「池袋(ビックカメラ前)」に変更された。
JR山手線池袋駅では、2024年3月より発車メロディが「ビックカメラのテーマソング」となっている。新しい駅名標と同一のものが、カメラ・パソコン館の2階に展示されている。
まだまだ第一歩に過ぎないという今回の大リニューアル。宮内店長は「今回、現場主導でリニューアルを行いました。これからも来店されるお客様の声を聞き、どんどん進化させていきます。社員の誰一人として完成形だとは思っていません。日々売り場の展開は進化しています」と力を込める。
横井店長は「現時点での想定した最適化となりますが、競合他社出店による影響で、池袋における商品カテゴリーごとの売上げが変化していくことも予想されます。それに対する拡大・縮小、選択と集中により、段階的にさらなる最適化を行っていきます」と説明した。
家電激戦区と化した池袋。ヨドバシカメラの出店を迎え撃つべく、先行して9月に全面リニューアルされたヤマダ「LABI池袋本店」。そして、創業の地・池袋では一歩も譲ることはできないビックカメラの今回のリニューアル。
リアル店舗の重要性が再認識されるなか、満を持して登場するヨドバシカメラの新店舗ととともに、それぞれの強みを活かした今後のさらなる進化する姿に注目したい。
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