フォステクス、スピーカーユニット「FE83A-VB」「FE103A-VB」。FEシリーズレギュラーライン初のアルニコマグネット採用
編集部:原田郁未フォステクスカンパニーは、同社のフルレンジスピーカーユニット「FEシリーズ」の新モデルとして、「FE83A-VB」「FE103A-VB」を2025年12月下旬より出荷を開始する。価格は、8cm口径のFE83A-VBが29,700円、10cm口径のFE103A-VBが36,300円(ともに税込)。
1964年に誕生した初代FE103以降、フェライト磁石を採用してきた同シリーズだが、本モデルではレギュラーラインに初めてアルニコマグネットを搭載した。アルニコは表情豊かで心地よい音質で定評があり、従来のFEシリーズが持つ明るく見通しの良いサウンドを維持しつつ、中高域の明瞭度も向上させたという。また、磁気回路にはポールピース部へ銅キャップを採用し、電流歪みを抑制した。
振動板は独自技術「2層抄紙ESコーン」による軽量かつ高剛性な構造を採用し、高い内部損失を確保。基層に長繊維パルプを主体としたかさ高構造を用いて剛性と内部損失を両立し、表層には短繊維パルプを配合することで、高音域までの伝播性能を向上させている。これにより、立ち上がりの良い高域と厚みある低域を両立し、中域の明るい音色を保ったまま全帯域の質を高めたという。
さらに、ハトメレス構造とポケットネックダンパー方式の採用により、振動モードの乱れを低減し、中音域の高調波歪抑制を図っている。端子部は音質劣化を防ぐ金メッキ仕上げのファストン205タイプを装備。推奨エンクロージャー方式はバスレフとなる。
再生周波数帯域は最低共振周波数f0から20kHzまでをカバー。出力音圧レベルはFE83A-VBが85dB、FE103A-VBが87.5dBで、インピーダンスはともに8Ω。
最低共振周波数は104Hz/85Hz(以降、スラッシュの前者がで後者がFE103A-VBの数値)、質量は約420g/約600g。また、バッフル開口寸法はΦ73mm/Φ93mmで、マグネット質量はともに102g。
また、発売を記念した試聴会が大阪と東京で開催される。大阪は共立電子産業での開催で、同製品に加え、ホーンスーパーツィーター「T90A」を組み合わせたデモを実施。
バックロードホーン型「FE203Σ-RE」とワンダーピュア製キャビネット「WP-ENFE20」によるシステムも披露され、開発背景やエンクロージャー設計についても紹介される。来場者向けの特別販売も予定している。
東京会場は秋葉原・コイズミ無線で行われ、オーディオ評論家の小澤隆久氏が登壇。同製品のほか、既存「GS103A-VB」との比較や「P1000K」を用いたシステムも体験可能。アキュフェーズのDP-770/E-5000を用い、フルレンジの魅力を多角的に楽しめる内容となっているとのこと。
いずれのイベントも参加費は無料。大阪・共立電子産業での試聴会は参加フォームから応募を受け付けている。
「FE83A-VB FE103A-VB 試聴会」概要
・大阪
会場:共立電子産業株式会社 本社ビル1F セミナールーム(大阪市浪速区日本橋西2-5-1)
開催日時:2025年12月13日(土)10:30〜12:00 14:00〜15:30
・東京
会場:コイズミ無線(東京都千代田区外神田4-5-5 アキバ三滝館2F)
開催日時:2025年12月20日(土)13:00〜15:00