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公開日 2025/11/01 07:00
「SP-10がなければ私はこの仕事をしていなかったでしょう」

ヴィンテージ・オーディオの鬼才、「オズワルズ・ミル・オーディオ」が今週末のAnalog Marketに初登場

ファイルウェブオーディオ編集部・筑井真奈

ヴィンテージの風合い豊かなホーンスピーカー、オズワルズ・ミル・オーディオ(Oswalds Mill Audio)は、世界のオーディオファンが密かに注目するアメリカのブランドだ。同社のスピーカーと真空管アンプが、この週末、11月2日(日)と3日(祝)に築地本願寺で開催される「Analog Market」に出展、日本のオーディオファンに向けた特別な試聴会が開催される。



オズワルズ・ミル・オーディオを主催するジョナサン・ワイス氏


その創業者がイベントに先立ち来日。ブランドの背景と、その目指すところを教えてもらった。

創業者の名はジョナサン・ワイス。オズワルズさんではない。オズワルズの名は、彼が購入し、制作拠点として活用している古いミル(工房)の名から取られたそうだ。「購入したときはボロボロでしたが、中をリフォームしてスピーカーやアンプ制作に使えるように改装したのです」。同社の製品は、基本的にアメリカ東部・ペンシルヴァニア州にあるオズワルズ工房で、1点1点丁寧に組み上げられている。


深い情熱と専門スキルを持つ少数精鋭のスタッフで、アート作品のように美しい製品を作り、オーディオの豊かさを伝えていく。ニューヨークのグッゲンハイム美術館にも同社のスピーカーが置かれているそうで、そのセンスの良さにはアメリカの美術愛好家にも一目置かれているようだ。



グッゲンハイム美術館に置かれているスピーカー


「私は日本のオーディオから非常に影響を受けています。(テクニクスの)SP-10がなければ私はこの仕事をしていなかったでしょうし、ワビサビの心、日本人の美意識を深くリスペクトしています」


オズワルズ・ミル・オーディオが手がけているのは、アナログプレーヤー、真空管アンプ、スピーカーと基本的にアナログ関連製品ばかり。またSP-10をベースとした家具調のキャビネット制作も手掛けており、強いモーターを持つダイレクトドライブの技術には、いまも変わらぬ魅力があるとジョナサン氏は強調する。



SP-10をベースにオリジナルのキャビネットも制作




真空管アンプ「BLACK NIGHT」




アナログプレーヤー「K3」


「一方いまのアメリカでは…」彼は少し悲しそうに言葉を紡ぐ。


「オーディオ機器は、天井や壁の中に埋め込まれて見えなくされています。それが現代的で効率的だということもわかるのですが、私はオーディオとともに生きていたいのです。見た目にも美しく、目で見ても楽しめるものでありたいです」


確かにオズワルズ・ミルのオーディオは、インテリアとしても飾りたくなる、自然由来の素材を活用した独特な風合いが魅力的だ。木材はすべて工房のあるペンシルヴァニア州産のものを採用、パーツ等も信頼できる近隣の工場から調達する。



工房の様子を収めた写真集も制作している


デザインの美しいアメリカのスピーカーといえば、日本人にとってはやはりJBLの存在がある。JBLのパラゴンは日本の愛好家にとって特別な存在ですよ、と伝えると、ジョナサン氏は顔を綻ばせ、「パラゴンやメトロゴン、その特別な形状、そしてサウンドは他にありません!」と強く頷く。


Analog Marketでは、オズワルズ・ミル・オーディオの最新スピーカー「Scottsdale」が展示される。これは一般向けには発売せず、コンサートホールや美術館などへの展開を計画したものだという。


「私は多くの人に、この素晴らしい音を聴いてほしいと考えています。決して安いものではありませんから、皆さんに買っていただくことは難しいかもしれませんが、コンサートホールならば多くの方に聴いていただくことができますよね」


今回のイベントは、Analog Marketを主催するオーディオテクニカとの強い信頼関係から実現したもので、なかなかこのような試聴会は珍しいそうだ。



コンサートホールなどに向けて制作されたスピーカー「Scottsdale」


ちなみにスピーカーにはコーン型のホーンを採用、アクティブタイプのサブウーファーが別筐体で用意される。


過去のモデルやグッゲンハイムに収められたものも含め、オズワルズ・ミルのスピーカーはホーンを活用したものが多い。


ホーンの魅力についてジョナサン氏に尋ねると、「能率が高く、真空管アンプでも十分に駆動できること。そして、スイートスポットが広く、部屋全体に自然なサウンドが広がることです」と熱く語ってくれた。


最後に日本のオーディオファンにメッセージを。


「日本のアナログ技術は本当に素晴らしいものがあり、スタイラスやカートリッジ、アナログ時代から引き継がれた多くの技術があります。その技術に心から敬意を表します。今回のイベントのためにラックを新しく作ったのですが、このラックのジョイント部にも、日本の伝統工芸を応用しています。日本の皆様にお披露目できる機会を得て、本当に嬉しく思います。ぜひ築地本願寺に遊びにきてください!」


Analog Marketでは、11月2日(日)の12時から、ジョナサン氏のセミナーとともにオーディオシステムを楽しめる時間が設けられている。


Analog Marketは“感性を刺激する蚤の市”と題し、オーディオはもちろん、陶器やアート、フレグランス、そして食など、五感を通して感じ取る“アナログ”を存分に味わえるイベント。アナログの魅力に出会えるイベント、ぜひご来場を。


Analog Market 詳細


<会場>
築地本願寺
〒104-8435 東京都中央区築地3-15-1
<日時>
11月2日(日) 10:00 - 20:00(予定)
11月3日(月・祝) 10:00 - 17:00(予定)
※天候状況などにより、変更となる場合あり
<入場料>
無料

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