公開日 2026/08/21 06:30

戦場を疑似体験する地獄の95分間! 実体験を基にした映画史上最もリアルな戦場

【第233回】ミヤザキタケルの気軽にホームシネマ

サブスクで映画を観ることが当たり前となりつつある昨今、その豊富な作品数故に、一体何を観たら良いのか分からない。そんな風に感じたことが、あなたにもありませんか。本コラムでは、映画アドバイザーとして活躍するミヤザキタケルが水先案内人となり、選りすぐりの一本をあなたにお届け。今回は2025年製作の『ウォーフェア 戦地最前線』をご紹介します! 

                   ◇

 

『ウォーフェア 戦地最前線』
(配信:Amazon Prime Video)

『ウォーフェア 戦地最前線』配信中
配給:ハピネットファントム・スタジオ
(C)2025 Real Time Situation LLC. All Rights Reserved.

『エクス・マキナ』『シビル・ウォー アメリカ最後の日』などで知られるアレックス・ガーランド監督が、イラク戦争に従軍した米軍特殊部隊を描く実話ベースの物語。

2006年、イラク。アルカイダ幹部の監視と狙撃の任務についていたアメリカ特殊部隊の小隊8名は、敵兵の先制攻撃を受け完全に包囲され孤立してしまう。救助を要請するも助けは来ず、逃げ場のない戦場の中で負傷者が続出していくのだが……。

「戦争」の恐ろしさを感じさせてくれる作品は数あれど、ここまで「戦場」の恐ろしさを感じさせてくれる作品はそうそうない。というのも、本作は長年の従軍経験と特殊部隊で教官を勤めていた経歴を持つレイ・メンドーサが共同監督を務めており、彼の実体験を基に、仲間であった隊員たちにも徹底したリサーチを行い、脚色や装飾を加えることなく執筆された脚本となっている。

また、出演する俳優たちも、元特殊部隊のメンバーが考案した特別プログラムを受けているほか、本物と同じ装備をつけて特訓しており、忠実に再現されたイラクの街のセットで本物の爆発物を用いて撮影が行われている。

(C)2025 Real Time Situation LLC. All Rights Reserved.

言わずもがな、ジェイソン・ステイサムのようなたった一人でその場の状況を覆してしまうような超人的な人物は登場しない。抜け出せない戦場の中、まるで自分もその場に居合わせてしまったかのような緊迫感や臨場感に包まれ、見えない敵、負傷する仲間、いつこの時間に終わりが来るのか分からないという絶望をヒシヒシと感じさせられることだろう。

「戦争反対」と誰もが当たり前のように口にするけれど(世代によって当然感覚は異なるものだが)、その根底にあるものは教育によって培われてきたものが大部分を占めているように思う。しかし、本作を通して戦場の恐怖を疑似体験することで、これまでとは異なる思いを宿した「戦争反対」という言葉を口にすることができるのではないだろうか。95分間本当にしんどいので、心に余裕がある時に鑑賞するのがオススメです。

(C)2025 Real Time Situation LLC. All Rights Reserved.

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※本稿記載の配信サービスは執筆時点のものになります。

ミヤザキタケル
1986年生まれ、長野県出身。2015年より「映画アドバイザー」として活動を始める。 宝島社sweetでの連載をはじめ、WEB、雑誌、ラジオなどで、心から推すことのできる映画を紹介。そのほか、イベント登壇、MC、映画祭審査員、BRUTUS「30 人のシネマコンシェルジュ」など、幅広く活動中。

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