PR 公開日 2024/12/23 06:45

サラウンドって人生変わるほど楽しい! デノン「AVR-X1800H」でPolk/DALI/B&Wのシアターシステム聴いてみた

Polk Audio「Signature Elite」/DALI「OBERON」/Bowers & Wilkins「600」を比較レビュー

■「自宅にAVアンプを導入しませんか?」評論家は声を上げたくなった


突然ですが皆さん、「自宅にAVアンプを導入しませんか?!」。AVアンプ「AVR-X1800H」のサラウンドシステムを聴いて、僕は声を上げたくなった。

AVアンプといえば、映画やテレビ、ゲームを楽しむAVセンターとしての存在であり、そしてなんといっても、サラウンド再生が楽しめることこそステレオアンプにはない魅力である。

リビングなど視聴場所を取り囲むように複数のスピーカーを設置して、Blu-rayディスクやNetflix、Amazon Prime Videoなどの配信サービスを使って映像ソースを再生すれば、映画館にいるような迫力と臨場感に包まれることができる。しかも、高さ方向からも音を表現できる、Dolby AtmosやDTS-Xなどのイマーシブオーディオフォーマットもある。僕自身、今年は力を入れてサラウンド環境を構築したので痛感しているのだが、良質な映像と音の導入は、本人や家族の人生を変えるほどのインパクトがある。

とはいえ、「AVアンプ導入は金額的に敷居が高い」と思っている方もいるだろう。そんな方にお勧めしたいのがデノンの「AVR-X1800H」なのだ。コストパフォーマンスの高さから大ヒットした「AVR-X1700H」の後継モデルで、安価ながら7.2chの処理能力を持ちつつ、イマーシブサラウンドといわれるDolby AtmosやDTS-Xに対応する同社AVアンプの中で、最も安価なモデルでもある。

デノン「AVR-X1800H」希望小売価格:110,000円(税込)

7chのパワーアンプはチャンネルあたり最大出力175W(6Ω)もあり、イマーシブフォーマットの基本となる、5.1.2ch(床5、サブウーファー1、天井2)の環境を構築できる。そして希望小売価格は税込11万円、実売はなんと税込7万円くらいだ(2024年12月時点)。ステレオアンプの平均値と比べてもかなり安い。というか、最近のAVアンプのコスパってすごいのである。

しかし、僕のようにマニアックな人種から見ると、安価なアンプとなると、性能面が気になってくるのも事実。例えば、スピーカーの駆動力やサラウンドの表現力はどのレベルにあるのか?

そこで今回は、AVR-X1800Hを軸に、人気が高い3つのスピーカーブランドのサラウンドシステムを聴き比べてみようと思う。ブランドは、アメリカのPolk Audio、デンマークのDALI、イギリスのBowers & Wilkins(B&W)である。なんとも欲張りな企画だ。

■デノン最安のDolby Atmos対応アンプ、それでいて妥協なき設計「AVR-X1800H」


試聴の前に、先ほど書き切れなかった、AVR-X1800Hの残りのスペックを簡潔に解説したい。HDMI入力は6系統搭載しており、そのうち3系統は8K/60p入力に対応。また、HDMI出力は1系統で、こちらも8K/60pに対応している。同社のネットワーク再生ソリューション「HEOS」を搭載するため、Amazon MusicやSpotifyなどのストリーミングサービス、NASやUSBメモリを利用したハイレゾファイル再生、インターネットラジオの聴取が可能だ。

「AVR-X1800H」背面端子部

さらに、アナログ(MMフォノ入力内蔵)、光デジタル入力、スマホの音を再生できるBluetooth受信機能、Bluetoothヘッドホンやイヤホンと組み合わせられるBluetooth送信機能を搭載するなど、オーディオ的なスペックも新旧ソースに全方位的に対応している。

回路構成については、上位モデルの設計思想を継承した、全チャンネル同一構成のディスクリート構成を誇る。パーツメーカーと共同開発したカスタムの高音質パーツを搭載、基板設計ではグランドパターンの最適化を行い、さらにシグナルパスや電源供給ラインの最短化と低インピーダンス化も行っている。

ボリューム部については、汎用ボリューム回路を使わず、ボリュームICおよびセレクターICともカスタム品を使用。プリアンプ回路やアナログ回路は電源トランスなどの振動やノイズを受けないよう離れた位置に配置されているなど、スタンダードモデルながら、実直な音質対策が施されており、手抜きがない。

音場補正技術「Audyssey MultEQ XT」に対応し、専用マイクを付属

「AVR-X1800H」のリモコン

ソースもふんだんに用意した。新作UHD-BDディスクとApple Musicの空間オーディオである。また今回は映像ソースとして、配信サービスよりもサラウンド品質が高いUHD Blu-rayを選択した。

4K Ultra HD Blu-ray
・『クワイエット・プレイス:DAY 1』
・『オッペンハイマー』
・『猿の惑星/キングダム』
・『エルム街の悪夢』

空間オーディオ
LE SSERAFIM 「CRAZY」(Apple Music Dolby Atmos)
聞きどころ:音色/音調については、イントロのエレクトリックサイザーの質感とエレクトリックベースの重量感と制動力の両立。空間表現についてはハイト方向の空間表現と0:07から始まる、視聴者を中心に時計回りに回転しながら移動するコーラスの移動感をチェックする。

今回ソースとした4K Ultra HD Blu-ray。左上から『クワイエット・プレイス:DAY 1』『オッペンハイマー』『猿の惑星/キングダム』『エルム街の悪夢』

■Polk Audio「Signature Eliteシリーズ」~圧倒的高コスパ、過度なエッジが立たない音色~



フロント:「ES50」96,800円・ペア /センター:「ES30」42,900円・1本 /サラウンドバック:「ES10」37,400円・ペア /イネーブルド:「ES90」66,000円・ペア /サブウーファー:「MXT10」44,000円・1本 (表示はすべて希望小売価格、税込)
まずはアメリカのPolk Audio "Signature Eliteシリーズ”のスピーカーで、5.1.2chを構成した。コストパフォーマンスの高さで一躍人気メーカーとなったPolk Audioだけあって、ミドルクラスのシリーズであっても、合計287,100円(希望小売価格/税込、以下同)で済むのは本当に嬉しい。

安価なシステムということでどこまでの再生音を出せるかと不安もあったが、いざ鳴らしてみると想像以上の再生音。『クワイエット・プレイス:DAY 1』、チャプター1でのチャイナタウンのシーンは絶対的な分解能こそ後に聞いたDALIやB&Wのセットに譲るものの、ダイアローグおよび環境音が耳に刺さらずとにかく聴きやすい。天井に音を反射させて上方区の音を再生するイネーブルドスピーカーを使っているが、頭上を飛び回るヘリコプターの移動感も予想以上で、360度全方向を音に包まれつつも、音色や音調に過度なエッジが立たず「長時間の視聴に向いているな」と感じた。


設置したフロントの様子
良質なサブウーファーによる強力な低音域も魅力で、『オッペンハイマー』のチャプター14では強力な爆発音を秀逸に表現してくれるし、『猿の惑星/キングダム』のジャングルの暗騒音からチャプター17の海水がなだれ込むシーンでは、水飛沫の音のリアリティもある。空間オーディオのLE SSERAFIMはエレクトリックシンセサイザーの音色が良く、エレクトリックベースの重量感ある低音域も表現できていた。

やはりサウンドバーとは別次元の臨場感があるし。率直に言って、AVR-X1800Hとの組み合わせは圧倒的にコストパフォーマンスが高い印象だ。


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