公開日 2018/12/11 06:00

“音も最高、スペックも最高” のAKM新フラグシップDAC「AK4499」。そのサウンドは数段上の高みに至った

【特別企画】開発者インタビューも
岩井喬
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LSI製造まで自社で一貫して行える強み

また半導体製造にかかわる部材に関しても、化学メーカーである旭化成ならではの強みを生かし、調達を行うなど、ファブを自前で持つことの意義を全面に打ち出した製品開発が特徴といえるだろう。

「今回はAK4497で開発したオーディオ専用のLSIプロセスをさらにブラッシュアップしています。歪みを抑えるには、抵抗素子のバラつきを抑えることも重要になってきます。そこで、バラつきのない抵抗も開発してもらい、従来の素子に比べて1/10程度に下げてもらっています。LSI製造が自社でできる利点は、設計者のリクエストが作る側にフィードバックできるところですね。最終的な製品をイメージしたうえで、製造まで話を持っていく。一体となってできるのが強みです」(佐藤氏)

4ch仕様ということも関係し、AK4499のパッケージは128ピン仕様で、AK4497の64ピン仕様からは倍となっている。ただ、電源制御に関しては、各ブロックで電源を分けるというAK4497の設計思想を引き継いでいる。これはこれまで通り、電流を大きく流す必要がある特殊な電源を用意しなくても駆動できるとのこと。ただし先述したピンの多さを念頭に置いたパターン設計が求められるため、使いこなしにはノウハウが必要かもしれない。

数段上を行くAK4499の表現力、音質の良さ

日比谷の新オフィス内に用意された商品検討用試聴室で、"AK4499試作ボード(今回はMonoモードではなく、4ch出力のうち2chの出力をステレオで使用)とAK4497ボードの比較試聴を行った。

AKMの商品検討用試聴室。非常に広い

試作ボードの説明を受ける岩井氏


試作ボードに搭載されたAK4499(中央)

こちらは電圧出力型のトップエンド、AK4497
AK4497のエネルギッシュで密度の高いサウンドに対して、AK4499は非常に清廉でS/N良く、細部のニュアンスを誇張なく引き上げてくれる。ストレートで純度の高い音像描写は瑞々しく、オーケストラも分離良い。音場の見通しも深く、明快でナチュラルな音離れ良いサウンドである。

比較さえしなければAK4497も十分に高音質なのだが、比べてしまうと、細部の階調性や音場の空気感の再現度において、今一つという感触になってしまう。AK4499はまだ完成版ではないということだが、同じ規模のDACボードでの比較であるため、AK4499の音の良さが際立つ結果となった。MONOモードではいったいどんなサウンドとなるのか、非常に興味深いところであったが、これは完成品ができるまでの楽しみとして取っておきたい。

試聴を行う岩井氏。「AK4499の持つポテンシャルの高さ、表現力、音の良さはAK4497の数段上」と語る

AKMとしては音質面ではAK4499もAK4497もトップレベルと考えているとのことだが、AK4499の持つポテンシャルの高さ、表現力、音の良さはAK4497の数段上をいく印象を得ることができた。今からAK4499を実装した製品が誕生することが楽しみでならない。AKMが初めて挑戦する電流出力型DACの生み出すサウンドは、ネットオーディオの世界にまた新たな旋風を巻き起こしてくれることだろう。

(協力:旭化成エレクトロニクス)

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