公開日 2018/06/01 09:00

ケンウッド彩速ナビで「カーハイレゾ」をもっと楽しむ! イコライザーやデッドニングでとことん追い込む

【特別企画】やればやるほど面白い


まず、デッドニングの内容から紹介しよう。今回のデッドニング作業は、MDV-Z905とKFC-XS1703の取り付けでもお世話になったスーパーオートバックス川崎にお願いした。取り付け時はケンウッド製の別売インナーバッフルボードを利用しただけだったが、今回はスーパーオートバックス川崎が用意しているスピーカー取り付けコースのなかから、フロントドア左右全体のデッドニングを行うコースでお願いした。

デッドニングの過程。薄い鉄板で空洞もあるクルマのドアは、制振素材、吸音素材、拡散素材などを取り付けるといったチューニングを施すことで大きくサウンドを向上させることができる

作業にかかった時間は5時間ほど。内容としては、スピーカー背面(外販内側)の制振に加え、サービスホールを塞ぐなどスピーカー設置側の徹底した制振も行ってくれる。費用は約5万円だ。この金額が安いか高いかは人によって印象が異なると思うが、作業行程やノウハウの必要性(制振しすぎると詰まらない音になってしまう場合もあるため何処をどう制振すれば良いかはかなりの経験値を必要とする)を考えると、オススメのコースといえる。

デッドニングの最終工程。両ドア合わせておよそ5時間程度で作業が完了した

こちら、スーパーオートバックス川崎でのオリジナルメニューとなるが、他のカー用品店でもこういったコースを用意していることが多いので、事前にチェックして、自分にとってベストと思われる内容を探し出して欲しい。

さて、デッドニング前のサウンドは前回記事を参照いただくとして、デッドニングを完了した後のサウンドはというと、施工前とハッキリ異なるほど、低域のフォーカス感が向上している。その結果、ベースやバスドラムの音がとてもクッキリしていて、演奏が一段とリズミカルに聴こえる。LDACコーデックによるBluetooth接続も同様で、締まりがある中低域を楽しむことができる。

実際に公道を走ってサウンドを確認

特にハイレゾ音源では、低域のフォーカスの高さ、音のリアルさが顕著に感じられる傾向があるため、デッドニングの効果は大きい。もちろん、KFC-XS1703スピーカーの実力の高さあってこそだとは思うが、ハイレゾ音源を再生する環境において、デッドニングは必須と感じた。
 
一方で、 “良い加減” でいい加減だった部分もなくなっている。低域は、ボトムエンドの量感や伸びがなくなり、以前に行った設定のままではややハイ上がりな印象となってしまっているし、トゥイーターとウーファーのクロスオーバーも気になってくる。KFC-XS1703は、フルレンジのウーファーとコンデンサーを1つ挟んだ簡易ネットワーク付きのトゥイーターを組み合わせた2ウェイシステムとなっているが、ここまでフォーカス感のある音色に変化すると、ウーファーの高域とトゥイーターの低域の重なり合い、具体的にいえばどの周波数でどんなカーブでクロスさせるか、音量をどう整えるかなど、気になる部分がいくつも出てくる。

ということで、スピーカー接続をウーファーとトゥイーターで分けるバイアンプ接続にしつつ(本来のフロントをウーファーにリアをトゥイーターに接続)、まずは「プロモードEQ」を活用して、クロスオーバーの設定をいくつか試してみた。設定数値は、環境=車種によって様々に変化するのだが、筆者が取り付けたアルトラパンの場合、あまりウーファーの高域を欲張らない方が良さそうな印象だった。

「プロモードEQ」では非常に細かな調整が行える

そこで、クロスオーバーの周波数を3kHz前後に、減衰は-12dBに設定。さらに、トゥイーターの音量を-1dB程下げている。こうすることで、中域から高域への繋がりがかなりスムーズになった。ちなみに “3kHz前後” となっているのは、まだ数ポイントで悩んでいるため。少し時間をおいて、何度か試したのち、最終的な数値を決定したいと思う。

一般的なイコライザーやプリセット機能も十分に活用できる

「プロモードEQ」も「イコライザー」も、指先でリアルタイムかつ直感的に操作ができる

加えて、低域の量感を増やすべくイコライザーの調整も加えてみた。最終的には60kHzあたりをやや強めて、80KHzあたりも少し強調するのが良好だった。逆に、120kHzはやや抑えた方がよさそう。このあたりも、スピーカーがこなれてくるとバランスが変わってくる可能性があるため、引き続き調整を続けたい。

また、ロードノイズで低域がマスクされがちなクルマならではの環境もあるのだろう、デッドニングによって低域のボトムエンドが諦めた印象にもなったため、サブウーファーの導入も検討を始めた。あまり大仰なシステムにはしたくないため、薄型コンパクトサイズのパワードサブウーファーでうまく組み合わせることができないか、物色中でもある。とはいえ、無理に低域を強調する必要は感じていないため、しばらくは今のままのシステムで詰めていきたいとも考えている。

どこにポジションを定めて調整するかもポイント。狭い車内だからこそ調整しがいがある

これらの調整機能はこだわればその分だけ手間がかかるものの、如実に調整結果が出るため、やっていて楽しい。気がつくと数時間過ぎていたり、 「バッチリ」と思った調整結果を翌日聴くと弱点がいくつも見つかったと、一朝一夕には行かないが、それがかえって面白かったりするのだ。少なくとも、ハイレゾ音源が活き活きとしたサウンドを奏でてくれるため、もう少し冷たい、もうちょっと良い音にしたい、という欲が出てくるのだ。
 
このように、MDV-Z905とKFC-XS1703のコンビは、クルマの中でも存分にハイレゾ音源を楽しむことができる、素敵な組み合わせだ。さらにしっかりしたデッドニングを行うなど、スピーカーの取り付けにこだわれば、さらなる上質サウンドを味わうことができる。ぜひとも、皆さんにもこの素敵なサウンドを体験して欲しいと思う。

(特別企画 協力:株式会社JVCケンウッド)

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