公開日 2012/09/18 12:00

“音のDAIKEN”ショールームで学べる「音の良い部屋」を作るポイントとは!?

“いい音・いい部屋”をトータルコーディネート
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■ポイントは「静粛な環境」 − 高いSN比を創出する


ーー DAIKENはよい音環境を実現するうえで、遮音の重要性を説いています。

井上 まずは音量をどこまで出せるか、音漏れをどこまで防ぐかという話ですね。テレビを普通に見るための音量であれば問題はなくても、ホームシアターでは普段のテレビの倍くらいの音量をほしい方が多いのではないでしょうか。ということは、部屋の音漏れを今の半分くらいに抑えればいいわけです。音量を倍にできるくらいにしないと、ホームシアターの醍醐味を感じられないでしょう。

もうひとつは、SN比があります。今はデジタルで高いSN比で録音できますので、静かな音は本当に静かに録音されています。小さな音もしっかりと聴けます。そうした時に、遮音性能が倍になれば部屋の中の静けさも半分以下になるわけです。よく近隣に迷惑がかからないから遮音は必要ないという方もおられますが、外に漏らさないということ以上に、実は静粛な環境を整えることが重要です。

〈スタンダード★★防音〉の防音室ではトイレ用の防音ドアも設置されている

ーー 一般的に遮音というと「外に音を漏らさない」が浮かびますが、「外の音を中に入れない」ことも重要ですよね。そこをしっかり作り込んで、その上で吸音ですね。

井上 今の住宅は機密性が上がっているがゆえに、音の逃げ場がなくなり、響きすぎています。トンネルのなかで暮らしているようなものです。機器でエコーを付けるより部屋の残響のほうが大きいような状況ですね。

今の住宅というのは機器が出そうとしている残響時間よりも確実に残響が長い部屋しかありません。6畳間でも残響時間が1秒を超えている部屋なんてザラにあります。ですので、そんな部屋で、たとえば響きのないシーンを再現しようとしても無理です。適切な残響時間にある程度もっていかないと制作者が意図した響きというのは実現できません。

さらに、各周波数ごとに見ていくと、残響時間が高音だけ長い、低音だけ長いというケースも出てきます。制作者の意図したところを再現するには、低音から高音まで同じような響きにはなりません。まずは部屋の響きをフラットにもっていく必要があります。

ーー そのためのソリューションを提供している、と。

井上 たとえば、全周波数を一度に吸う天井材があればいいのですが、そういうのはありません。そのなかで当社のオトテンは中高音域を吸います。高音だけでなく中音域まで吸える天井材というのは少ないんです。残るのは低音域だけですから、後から調整するにしてもやりやすくなります。


左は〈プレミアム★★★防音〉の天井、右は〈スタンダード★★防音〉の天井。部屋の中で広い面積を占める天井面を吸音すると、高い効果を得ることができる。DAIKENの天井材、オトテンは高い吸音性能を誇り、音響障害の発生を防ぐ。なお〈プレミアム★★★防音〉の天井に取り付けられた照明は、天井裏まで大孔を貫通させない新製品のLED薄型ダウンシーリングライト

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