公開日 2018/03/29 13:00

キヤノン、5.9K撮影が可能なCINEMA EOSフラグシップモデル「EOS C700 FF」

アスペクト比17:9のフルサイズセンサー搭載
編集部:成藤正宣
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キヤノンは、TV番組/映画製作向けビデオカメラのフラグシップモデル「EOS C700 FF」を7月中旬に発売する。オープン価格だが363万円前後の実売を想定する。

EOS C700 FF本体

レンズなどアクセサリーを装着した状態

2016年発売の従来モデル「EOS C700」の基本性能を向上させ、よりトップエンドの映像制作に特化させたフラグシップモデル(関連ニュース)。モデル名のFFとは “フルフレーム” の略で、EOS C700に搭載されていたスーパー35mmセンサーよりも大きい、38.1×20.1mmフルサイズセンサーを新開発、搭載した。

アスペクト比17:9のフルサイズセンサーは15stopを超える広い階調、ITU-R BT.2020を上回る色域、低ノイズを実現。4Kを超える5.9K画質での撮影が可能で、同社では「4K映像の制作においても、撮影を余裕を持って5.9Kで行い、編集時に4Kに落とし込む事でさらなる映像の高品質化が図れる」としている。

アスペクト比17:9のフルサイズセンサーを搭載する

撮影フレームレートは5.9K RAW撮影時で60fps、4Kクロップ撮影時で72fpsまで、2Kクロップ撮影時で168fpsまで細かく設定でき、ハイスピード撮影にも対応する。

シビアなフォーカス精度が必要となる4K撮影に対応するべく、Dual Pixel CMOS AFは測距可能エリアを拡大。画面内縦横約80%の範囲でワンショットAF、コンティニュアスAF、顔検出AFなどを利用でき、AF速度や被写体追従特性のチューニングも可能。フォーカスガイドは単純な合焦だけでなく、前ピン/後ピンも表示でき、あらかじめセットした位置へフォーカスガイドを移動するプリセット機能も搭載している。

Dual Pixel CMOS AFは前ピン/後ピンの表示も可能

対応撮影フォーマットは独自規格のXF-AVC、CINEMA RAWに加え、業務用中間コーデックとして広く使われているApple ProResにも対応する。記録メディアはSDカード、CFastカード、Codex社のレコーダーCDX-36150を装着でき、外部レコーダーへの収録も可能。

Canon Log、Canon Log 2、Canon Log 3という3種のガンマを搭載。いずれも後処理工程における画像の作り込みを重視したガンマだが、Canon Log 2は暗部の階調性が高く、Canon Log 3は逆に暗部を引き締めてノイズを目立ちにくくした簡易グレーディング前提の設定となる。

外部モニターへの出力はVIDEO端子/MON.端子、SDI-OUT端子、HDMI OUT端子から可能で、PQ/HLG規格のHDRモニタリングが可能。付属のEVFに関しても、ビューアシスト機能を用いることでPQ/HLGに近い表示が再現でき、収録スタッフ全員による映像の共有が容易となっている。

レンズマウントはEFマウントまたはPLマウントを購入時に選択するが、アダプターによりB4マウントのレンズにも対応する。後玉が縦長となっている特殊レンズ「アナモフィックレンズ」も装着可能で、特殊な映像表現が収録できる。

内蔵のNDユニットは電動式で、濃度がより高い8/10stopの拡張モードにも対応。明るい屋外でも絞りを空け、深度の浅い撮影が可能となる。ユニットはシンプルで壊れにくい構造を採用し、センサーパッケージ以外のガラス面はすべてクリーニング可能とメンテナンス性にも優れている。

本体の外形寸法は約167W×154H×327Dmm、質量約3.45kg。

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