Bowers & Wilkins、新ワイヤレスヘッドホン「Px7 S3」。aptX Lossless対応、ハウジング薄型化など大幅刷新

Bowers & Wilkins（B&W）は、ワイヤレスヘッドホン「Px7 S3」を、4月26日（土）に発売する。価格はオープンだが、税込68,200円前後での実売が予想される。

2023年に発売された「Px7 S2e」の後継モデルに当たるワイヤレスヘッドホン。前モデルとの共通項はユニットの振動板のみに留まり、音響面やデザイン面などの全てが刷新された。なお、本モデルの発売に伴ってPx7 S2eは在庫限りで終売となる。

40mm径のユニット部は、振動板にバイオセルロースと樹脂の複合素材を使用。軽さと剛性、高い内部損失を持つ非常に優れた物性をもつとアピールする。スピーカーにも使用される素材となっており、放射面積を最大化し、より多くの出力と最小の歪みを実現するとしている。

そのほかの箇所は前モデルからのアップデートが図られており、ボイスコイルはインパルス応答を改善し、音の精度を向上。グリル形状は、開口率の高い形状にすることで音の色付けおよびエネルギーの減衰を低減。エッジ部は、スピーカードライバーのロールエッジに似た「ビッグロールデザイン」を採用することでリニアリティと低歪を実現したとしている。磁気回路に用いられるマグネットについても「より強力なもの」を使用しているという。

ノイズキャンセリング用のマイクユニットは、Px7 S2eの左右各3基から1基ずつ増設し、計8基を搭載。音楽性を損なうことなく不要なノイズのみを取り除くという方針をそのままに、前モデル比で精度を向上させた。さらに、優れた装着感によるパッシブなノイズキャンセル効果と組み合わせ、その効果を高めたとのことだ。

また、操作用のキー配置も操作時にマイクに干渉しない箇所に変更。マイクについても外周部のスリット内に配置することで、直接触れづらい設計かつ、デザイン的にもマイクが目立たない仕上げがなされている。

通話用マイクも左右1基ずつから2基ずつ計4基を搭載。ビームフォーミング技術と次世代音声処理アルゴリズムにより、非常にクリアな通話品質を実現したとのことだ。

薄型化により、これまでの「Px7」シリーズから大きく印象を異にするハウジング部は装着時のシルエット改善や、フィット感の向上に寄与。Px7 S2eが発売された2023年からハウジングの再設計に着手しており、薄型化に伴うイヤーカップ内の容積減という、音響的な影響が懸念される部分についても、入念な開発によって高いサウンドパフォーマンスを獲得したと説明する。

ユニットの配置は、ユニットの放射面からそれぞれの耳までの距離を一定に保つ「アングルド・ドライブユニット」構造を踏襲。上記の通りハウジングの薄型化に伴って調整は困難を極めたとのことだが、基板レイアウトの変更、チップパーツ、バッテリーの小型により省スペースで同じ角度を維持することができたとのことだ。

アームの形状についても、薄型のハウジングを強調するように流線型の滑らかなシルエットを採用。アーム形状をねじることで、高さが出ないように設計を行なったという。また、今年で15周年を迎える同ブランドヘッドホンの展開において、2013年発売の「P7」で同様のアーム形状を採用していたとのことで、そのオマージュも兼ねているとしている。

対応コーデックはSBC／AAC／aptX／aptX HD／aptX Adaptiveに加え、aptX Losslessを新たにサポート。CDクオリティの44.1kHz/16bit音源をワイヤレスで楽しむことができる。aptX Losslessの採用については、同ブランドのフィロソフィーである “True sound” に則っとり、「非圧縮で楽曲を送り出せるというところで選んでいるのでは」と説明してくれた。

Bluetoothチップや、DSP、DAC、アンプの独立構造も薄型化を果たしながら本モデルでも踏襲。1チップで処理をしない、サウンドクオリティの高さを提供する。

バッテリーライフは薄型化を果たしながら前モデル同様の最大約30時間の音楽再生に対応。15分の充電で7時間の再生が可能な急速充電もサポートする。「Bowers & Wilkins Apps」を用いて5バンドのイコライザー調整や、ノイズキャンセリング強度調整なども設定が可能だ。

今後のアップデート対応となるが、Bowers & Wilkins Appsにて、再生音源を3D化するブランド独自の立体オーディオ “True Immersion” の提供を予定しているという。

カラーバリエーションは、アンスラサイト・ブラック、キャンバス・ホワイト、インディゴ・ブルーの3色を展開。同系統のカラーをPx7 S2eでも展開していたが、黒はガンメタ調に、青はより爽やかな色味に、ホワイトについても暖色感のある仕上がりに変更。「この先のトレンドを見たカラーリングを用意した」とのことである。また、Px7 S2eでも行われたカラバリの追加についても「今後やっていく予定がある」とアナウンスされた。

Px7 S3の発売を記念して、「ロスレスサウンドをワイヤレスで楽しもうキャンペーン」という期間限定企画も実施。本日4月24日から7月31日の間に本モデルおよび、aptX Lossless対応の完全ワイヤレスイヤホン「Pi8」の購入した方を対象にCRATIVEのBluetoothドングルアダプター「BT-W6」、またはPx7 S3交換用イヤーパッドをプレゼントする。

応募には、対象製品購入時の領収書またはレシートと、箱の底側にある型番、カラー、シリアルナンバーが記載されたシールの写真が必要。専用フォームに必要事項を記入して、2つの書類の画像をアップロードすることで申し込み完了となる。プレゼントの納期については最大4か月以上掛かるとの見込みだ。