公開日 2016/11/14 16:54

ソニーとスカパーJSAT、Inter BEEにて4K HDR/HD SDR同時ライブ伝送デモ

16日から。4Kライブ制作過程のIP化に向けたデモも
編集部:小澤貴信
  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE
ソニーとスカパーJSATは、11月16日(水)から幕張メッセで開催される「2016 国際放送機器展」(Inter BEE 2016)において、4K HDR/HD SDR同時ライブ伝送デモンストレーションを実施する。

4K HDR/HD SDR同時ライブ伝送デモの概要

スカパーJSATの東京メディアセンターにおいて、4K HDR 映像(3840x2160)と、通常のハイビジョンテレビが受信可能なHD SDR映像(1920x1080)を同時にライブ制作、同時ライブ伝送するという取組みとなる。

4K HDRの映像は、スカパーJSATの衛星回線にて伝送されてInter BEE2016のソニーブース内の液晶テレビ“BRAVIA”に出力。4K HDR映像とHD SDR映像を比較視聴できる。

同時ライブ伝送デモには、ソニーが高画質の4K HDR映像を制作するために確立したソリューション「SR Live for HDR」が活用される。従来の映像制作の現場では、4K HDR制作とHD SDR制作で別個に制作環境を構築しなければならず、システム規模の増大が懸念されているという。SR Live for HDRでは、4K HDRとHD SDRのシステムを統合して同時制作を行うことで、効率的な制作ワークフローとシンプルなシステム構成を実現した。

また、HDRプロダクションコンバーターユニット「HDRC-4000」を活用することで、ソニーが推奨する4K-HDR S-Log3/BT.2020のフォーマットで運用・制作したライブ映像の画質を損なうことなく、配信用EOTF4に変換して、送出システムへ繋ぐことができるという。

スカパーJSATは、10月より4K HDR放送を開始。スポーツやイベントなどのライブ中継でも、4K HDRの制作を計画している。一方で既存の視聴環境であるHD SDRテレビ受像機へのコンテンツ配信継続も不可欠であることから、より効率的なオペレーションを検討するため、今回ソニーと共同で、4K HDRとHD SDR の同時ライブ伝送デモを行うことになった。

ソニーは、SR Live For HDRを推進し、4K放送における豊かな映像表現の追求と効率的なワークフローを提案していくとしている。

4Kライブ制作過程のフルIP化に向けたNMI対応映像制作機器の新製品も

またソニーが推進する、4K映像などのライブ制作ワークフローをIP化により効率的に構築するソリューション「IP Live プロダクションシステム」についての新製品も発表。本システムのコア技術であるAV伝送インターフェース「ネットワーク・メディア・インターフェース」(NMI)に対応した映像制作機器3機種を2017年3月より順次発売する。Inter BEEにおいても、朋栄、NEC、東芝など各社とIP接続デモを実施して、相互互換を推進していくという。

・IPオーディオマルチプレクサ/デマルチプレクサボード「NXLK-IP45F」2017年4月28日発売 ¥OPEN
・IPマルチビューアーソフトウェア「PWA-MV1N」2017年3月31日発売 ¥OPEN
・SDI-IP コンバーターユニット「NXL-IP4F」2017年3月31日発売 ¥OPEN

「NXLK-IP45F」は、マルチチャンネルオーディオのIP伝送方式における主要規格の「Dante」に対応し、映像に加えてオーディオを含むシステムのIP化を実現するというもの。『PWA-MV1N』では、表示画面を最大32面に分割して、ネットワークケーブル1本で接続した複数機器の映像を確認できる。「NXL-IP4F」は、従来の放送業務用モニターに外付けすることでNMI信号で映像を表示できる。


これらの機器によりモニタリングの環境もIP化して、システムを効率化を目指す。また、昨秋以降国内で展開しているNMI対応商品群にこれら製品を追加することで、映像撮影からモニターまで、4Kライブ制作ワークフローにおける映像や音声のIP化を実現するとしている。

BS放送の4K実用化や4Kコンテンツのネットワーク配信が普及する中、4K映像制作需要も拡大。一方、既存のSDIで4Kのインフラを構築する場合、配線やルーターの規模などがHD環境の4倍以上必要となることが課題になっている。ソニーの「IPLiveプロダクションシステム」は、4K映像制作ワークフローをIP化することで、大幅な効率化のニーズに対応するとしている。

そのコア技術であるNMIは、自社製品での対応に加え、放送業界における次世代IP制作インフラとしての普及を目指して、他社放送機器における互換性対応も推進している。

Inter BEE 2016の会場では、技術賛同パートナーである朋栄、NEC東芝、インターネットイニシアティブ、シスコシステムズ、リーダー電子と共同で、各社ブースに展示した対応機器をIPネットワークで接続して、4K映像ライブ配信のデモンストレーションを行うという。

また、映像制作システムを仮想化して統合的にデータ管理し、伝送距離の制約を越えてシステム構成変更や制作リソースの振り分けを自在に行うなど、「IPLiveプロダクションシステム」のメリットを展示会場でアピールするという。

この記事をシェアする

  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE

トピック

クローズアップCLOSEUP
アクセスランキング RANKING
1 オーディオ銘機賞「ベストバリュー大賞」受賞! DALIの技術と美学を凝縮した「KUPID」の実力に迫る
2 “スイング式”インシュレーターに薄型モデルが登場!セレニティ 静寂-Shijima-の「SWI-10」使いこなしレポート
3 トップクラスのながら聴きイヤホンにさらなる機能性がプラス!Shokz「OpenFit 2+」レビュー
4 <ポタフェス>SHANLING、水月雨監修のポータブルCDプレーヤー「Crossover」世界初公開/ONIX、超小型DAC「Tocata XM2」初展示
5 <ポタフェス>見た目も音もこだわった、HiBy Digitalの「初音ミク」コラボアイテム展示/FAudio「Major」に後継機か
6 大好きな車とバイクを眺める6畳空間に、4K/100型のホームシアターを実現
7 SHANLING、サブミニチュア真空管をデュアル搭載したポータブルDAC/アンプ「UA7」
8 Oriolus、落ち着いた音色と現代的な機能性を両立したBluetoothアンプ「1795MKII」
9 ピクセラ、テレビを見るとポイントが貯まるワイヤレスチューナー「ポイテレ」
10 <ポタフェス>オーディオテクニカ、フラグシップ機「ATH-ADX7000」「ATH-TWX9M2」を堪能
12/15 11:02 更新
音元出版の雑誌
オーディオアクセサリー199号
季刊・オーディオアクセサリー
最新号
Vol.199
世界のオーディオアクセサリーブランド大全2025
特別増刊
世界のオーディオアクセサリーブランド大全2025
最新号
プレミアムヘッドホンガイドマガジン vol.23 2025冬
別冊・プレミアムヘッドホンガイドマガジン
最新号
Vol.23
プレミアムヘッドホンガイド Vol.33 2025 SUMMER
プレミアムヘッドホンガイド
(フリーマガジン)
最新号
Vol.33(電子版)
VGP受賞製品お買い物ガイド 2025年冬版
VGP受賞製品お買い物ガイド
(フリーマガジン)
最新号
2025年夏版(電子版)
DGPイメージングアワード2024受賞製品お買い物ガイド(2024年冬版)
DGPイメージングアワード受賞製品お買い物ガイド
(フリーマガジン)
最新号
2025年冬版(電子版)
WEB
  • PHILE WEB
  • PHILE WEB AUDIO
  • PHILE WEB BUSINESS
  • プレミアムヘッドホンガイド
  • ホームシアターCHANNEL
  • デジカメCHANNEL
AWARD
  • VGP
  • DGPイメージングアワード
  • DGPモバイルアワード
  • AEX
  • AA AWARD
  • ANALOG GPX