公開日 2017/07/12 12:44

「MQA-CD」データは24bit情報を持ったまま16bitで伝送。疑問をキーマンにぶつけたら新事実が次々判明!

MQAの仕様についても言及
先日開催されたOTOTEN 2017において、MQA Ltd.のボブ・スチュワートが来日した。その際に前回我々が行ったMQA-CDの検証記事(「CDでハイレゾ「MQA-CD」徹底解析! MQAエンコードあり/なし音質比較からリッピング方法まで」)の結果を彼に伝え、その認識が正しいかについての彼の意見を聴く機会を得た。以下にその内容をまとめていく。

MQA ltdのボブ・スチュアート氏(写真右)と佐々木喜洋氏(写真左)。5月に開催されたOTOTENのMQAブースにて、インタビューを行った。写真手前の青いCDプレーヤーは、参考出品されたメリディアンのMQA対応CDプレーヤーとなる

【検証結果1】

ーーMQA-CDの再生において、MQA非対応のCDプレーヤーのアナログ出力を使用して、同じ曲をMQAエンコードされた音源と、MQAエンコードされていない音源で比較試聴したところ、音質に差があった。音質的にはMQAエンコードされた音源の方が良いと感じた。

ボブ・スチュワート氏:これは正しい認識である。なぜならばMQAエンコードされる際に音源が“de-blur”、つまり時間的なあいまいさが取り除かれるからだ。これはつまりMQAの特徴のひとつである時間的正確性のことである。これは一種のデジタルフィルターと言ってもよい。

このように通常CDプレーヤーでもMQA-CDの恩恵は得られる。これはMQAのダウンロード音源をMQA非対応環境で再生しても同じだ。ただしこれはMQAメリットの半分(以下)に過ぎない。

ボブ・スチュアート氏


【検証結果2】

ーーMQA-CDの再生において、MQA非対応のCDプレーヤーからS/PDIFデジタル出力を使用して、MQA対応DACである「Meridian Ultra DAC」にデジタル伝送して再生したところ、MQAエンコードされた音源の方が大幅に良い音質で再生することができた。このときMeridian Ultra DACの画面表示は176kHzを示した。

ボブ・スチュワート氏のコメント:これも正しい認識だ。言い換えるとこれが「フルデコード」された再生で、オリジナルの176kHz/24bitを再生している。

これはいわゆるオーディオ・オリガミというプロセスによる圧縮だが、この情報は楽曲データバイナリーの可聴限界の下に、ホワイトノイズとしてスクランブルされた形で格納されている。つまりそのデータ自体は聴こえることはない。なおこの仕組みはHDCDとはまったく異なるものだ。

前回のレビューでMQA-CDを検証した模様。写真はMeridian Ultra DAC

※筆者注:なおMeridianはインタビューの後日、MQA対応のCDプレーヤー(関連ニュース)を国内発表した。これであればMQA-CDをCDプレーヤーで直接フルデコードをすることが可能だ。

検証結果3

ーーMQA-CDの再生において、MQA非対応のCDプレーヤーからS/PDIFデジタル出力を使用して、MQA対応DACのMytek Digital「Brooklyn DAC」にデジタル伝送して再生したところ、Meridian Ultra DACとは異なって音量が低く、音質差はあまり大きくなかった。またMytekの画面表示は176.4kHz/16bitと表示された。

ボブ・スチュワート氏のコメント:これらは意図した結果ではない。エンコードあり/なしでは音量は同じはずだ。これは最新のMytekのファームウェア更新で修正されているので試してほしい。

OTOTENのMQAブースに用意された最新ファーム搭載の「Brooklyn DAC」では、MQA-CDの再生において、「176.4kHz/24bit」と正しく表示がされた

※筆者注:このあとでMytekを最新のファームウェアに更新してから試したところ、音量の差はなくなり、表示も176.4kHz/24bitと正しく表示されるのが確認された。誤表示の理由としては以前はMytekはUSBバスを通る実データのビット幅を確認して表示していたので、16bitのCDからのデジタル伝送では下位バイト(LSB)がヌル(0)となるため、16bitと表示されていたからだ。今回はデコードした結果のビット数を表示するように変えたので正しく24bitとデコード後のビット数を示すようになったということだ。

次ページMQAの応用領域はどこまで広がるのか?

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