公開日 2016/12/22 18:29
RHAのキーパーソンに訊く、ニューフェイス「CL1」「CL750」「Dacamp L1」の魅力
画期的な切り口のハイレゾポータブルオーディオ
■RHAの新しい“ハイレゾ対応システム計画”の中核となるポタアン「Dacamp L1」
そして今回のインタビューでは、RHA初のポターブルヘッドホンアンプとなる「Dacamp L1」の詳細についても積極的に注目していきたいと思う。同時期に発売されるCL1、CL750とのパーフェックトマッチを図りながら、様々なイヤホン・ヘッドホンと組み合わせた場合にも、スマートフォンによる極上の音楽再生を提供できるコンパクトなハイレゾ対応のポタアンだ。
本機の開発には約3年の時間を費やしたという。筐体内部にAB級アンプとESS Technology社製の上級DACチップ「ES9018K2M」を左右チャンネルに1基ずつ乗せている。内部回路もL/R完全分離設計とし、シングルエンドのアンバランス出力だけでなく、バランス出力に対応してきた。12Ωから600Ωのヘッドホンを鳴らせる豊かな駆動力も備えているという。
「忠実な原音再生にこだわり、内部の回路設計も高音質化のために細心の注意を払ってきました。イヤホンのスペシャリストであるRHAにとって、アンプの設計・開発は初めての経験となりましたが、Dacamp L1を作り上げたことで多くのノウハウが得られました」。エンジニアたちの苦労をマクレランド氏がねぎらいながら振り返る。
デジタル入力はUSB-A、USB microB端子を搭載し、それぞれにiPhone、Android/PCなど様々なソース機器につないでハイレゾ再生が楽しめる。光デジタル入力にも対応しているので、Astell&KernのAKシリーズのように光デジタル出力を備えるポータブルオーディオプレーヤーとつないで楽しむ場合にも最適だ。
ハイレゾ再生はUSB入力の場合、リニアPCMが384kHz/32bit、DSDは11.2MHzまでの音源をネイティブ再生できる実力を持つ。現状、最先端・最高スペックのハイレゾフォーマットをカバーした点は実に頼もしい。光デジタル入力の場合、リニアPCMの192kHz/24bitまでが上限となり、これよりも上位スペックのリニアPCMやDSD再生はダウンサンプリングにより処理される。なおWindows PCでハイレゾ再生を楽しむ場合は、RHAのサイトに公開されている専用ドライバーのインストールが必要だ。
iOSデバイスについてはMFi認証を取得しているため、Lightning-USB変換アダプターを介さずに、Ligntningケーブルを直接つないでデジタルオーディオ再生ができる。Androidデバイスはパッケージに付属するUSB OTGケーブルを使えば直結が可能だ。スマホと組み合わせて便利にハンドリングできるようケアを行き届かせたところにも、創立から一貫して“カスタマーファースト”なものづくりの姿勢を貫いてきたRHAらしさを感じる。
Dacamp L1は、音楽を聴かない時にはスマホを充電するためのモバイルバッテリーにもなる。音楽再生は連続10時間をサポートする4,000mAhの大容量バッテリーを内蔵。音楽を聴き終わってからスマホを充電しても、たっぷりと余力を残しているはずだ。実は音楽を聴きながらだと、充電ができない仕様になっているが、その理由についてマクレランド氏は「アンプとしてはリスニング中にバッテリーの消耗を可能な限り低くして、主目的である音楽リスニングをなるべく長く楽しませるべきと考えたからです」と説明している。
RHAのハイエンドイヤホン「T20/T20i」、ならびに「T10/T10i」はノズルの先端に装着できるチューニングフィルターを交換して、ユーザーの好みの音にカスタマイズができる。しかし、CL1ではピュアでナチュラルな原音再生にこだわったことから、敢えてチューニングフィルターの機能は設けなかったのだという。その代わりに、Dacamp L1とペアで使った時にCL1のパフォーマンスが最大限に発揮できるように設計されている。
その証明は、Dacamp L1に搭載されている低域・高域のトーンコントロール機能だ。それぞれ-3から+9まで13段階でダイヤルを調節しながら、イヤホンとアンプのセットで音質が自由にカスタマイズできる。マクレランド氏が特に強くアピールする機能のひとつだ。なおゲインはLow/Mid/Highの3段階でアレンジできる。
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