TCL技術者が超ディープに解説!「なぜSQD-Mini LEDはRGB Mini LEDより優れているのか?」
パネル技術の注目点、2点目は「WHVA 2.0」と呼ぶ視野角技術。VA型液晶の弱点である、斜めから見たときの色変化・輝度低下への回答だ。
視野角の改善には視野角拡大フィルム付きの偏光板を貼る方法が一般的だが、輝度が30%、コントラストが40%も失われるうえ、価格も高い。TCLはこれを使わず、画素構造の側で解決した。
仕組みを理解するには、VA液晶の画素の構造を知っておく必要がある。
液晶分子は、電圧に応じて傾くことで光を通したり遮ったりする小さなシャッターだ。
ただ、分子が一方向にそろって傾いていると、正面から見たときは正しくても、斜めから見たときに分子と視線の角度関係が変わり、明るさや色がずれて見える。
そこでVAパネルでは、1つの画素をいくつかのドメインに分け、ドメインごとに分子の傾く向きを変えて、ずれを互いに打ち消し合わせる。ドメインの数が多いほど平均化が効いて、斜めから見たときの画質劣化が小さくなる、というのが基本原理だ。
このドメイン数にはグレードの序列がある。スタンダードな4ドメインに対し、上位グレードは8ドメインで、スライドでは4→8ドメインで視野角が40%向上すると示された。
ではその先、物理的に16ドメインまで増やせばよいかというと、そう単純ではない。ドメインの境目は光を通しにくいため、ドメインを増やすほど画面が暗くなってしまう、つまり透過率が低下するのだ。
そこでWHVA 2.0の核心となるのが「仮想16ドメイン」である。
物理的な構造は8ドメインのまま、メイン画素とサブ画素で電圧の与え方を変える、電極の微細パターンを作り分けて電場のかかり方を変える、液晶層の厚みとRGB各画素の設計に差をつける。
この3つの工夫を重ねることで、画面を暗くせずに、実質的に16ドメイン相当の光学特性を作り出すというのだ。
これは「業界初」の手法といい、従来の8ドメイン比で視野角40%向上、横から見ても色ずれや輝度低下のない水準を達成した。技術者は「VAパネルの視野角では世界一」と主張した。透過率も10%向上しているという。
質疑応答でもドメイン構成について質問があり、仮想16ドメインが偏光板ではなく画素設計によるものであること、視野角拡大フィルム方式とは別のアプローチであることが改めて説明された。
デモルームにて。エリア数2万超のバックライトを見る
プレゼン後は同じ部屋で、通常の直下型LEDバックライトとMini LEDバックライトの比較展示が行われた。QD-Mini LEDの技術的な源となっているMini LEDバックライトの画質面の優位性がデモされ、実際の画面を見ると、Mini LEDの画質的な優位性は一目瞭然だった。

