TCL技術者が超ディープに解説!「なぜSQD-Mini LEDはRGB Mini LEDより優れているのか?」
バックライトの注目技術の2つ目は、発生した光の「収束」を担う、シリコン製のマイクロレンズだ。説明者いわく「テレビ業界で世界初導入」だという。
なぜレンズが必要なのか。そもそも液晶のエリア駆動では「自分のエリアの光は自分のエリアの中だけで完結させる」ことが理想だ。
光が隣のエリアにはみ出せば、そこがうっすら明るくなってハローになる。逆に隣から光が入り込めば、せっかく暗く沈めたエリアが浮いてしまう。
このレンズは1つひとつのLEDチップに被せられ、光の飛び先を交通整理する役割を持つのだ。
レンズには「アーチブリッジ」と呼ぶ、アーチ橋のような形状の構造が組み込まれている。働きは2つ。外から来る光をブロックして隣のエリアの光が入り込むのを防ぐことと、自分のLEDの光を垂直方向、つまり真上の画面方向へ集めることだ。
加えてチップの足元には、土手(ダム)状の構造と封止樹脂でチップをぐるりと囲む環状の反射構造が作られており、横方向に漏れようとする光をすくい上げて上面へ導く。
要するに、光の「出口」を真上に絞り込む仕掛けを何重にも仕込んでいるということだ。ハローという、エリア駆動の宿命的な弱点を、映像処理でごまかすのではなく、光学部品レベルで物理的に抑え込んでいる。
3つ目は一体成型リフレクター「3D High REF」だ。従来のバックライトモジュールでは、反射シートの上に拡散板を支える支柱が立ち、駆動ICなどの電子部品も光路中に露出していた。これらが影を作り、画面のユニフォーミティ(明るさの均一性)を損なうのだという。
TCLでは、反射シートと支柱を一体成型した3D構造の高反射部材に置き換え、表面の凸部の下に駆動ICや抵抗・コンデンサー類をすべて入れ込んだ。これにより画面のユニフォーミティは50%向上し、暗いシーンで部品の影が出なくなるという。これも「テレビ業界初」とアピールされた。
4つ目は「狭OD設計」だ。ODとは少し聴き慣れないが、バックライトと拡散板の距離のことだ。
一般に直下型バックライトはODを縮めるほど輝度ムラとハローが悪化するため、薄型化と画質はトレードオフの関係にある。
ただし、ここまで説明した3つの技術で光を正確に制御することで、セット全体で2cmという薄さを実現できるとした。
4つの技術が「薄くても破綻しないエリア駆動」という1つのゴールに向けて設計されていることがわかる。

