数多くの新規格に対応する発展性も頼もしい

10万円以下AVアンプの大本命! デノン「AVR-X2600H」のサウンドは“柔と剛”を兼備する

大橋 伸太郎

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2019年07月09日

HDMI 2.1の機能のひとつ、eARCへの対応も先駆けた。従来のARCの高機能版で、テレビからアンプへ非圧縮の5.1/7.1音声やドルビーアトモス/DTS:Xの信号を送ることができる。こちらは発売時実装済だ。クラス最多のHDMI 8入力/2出力もリーディングメーカーのプライドだろう。

スピーカー端子は結線が行いやすいように1列に配置されている

前面HDMI端子もしっかりとHDPC2.3対応

ノイズフロアの低さ、低歪は歴然。繊細さから力強さまで表現する

視聴は川崎市のD&Mホールディングス本社デノン試聴室を借りて行った。スピーカーコンフィギュレーションは、トップスピーカー1ペアを含む5.1.2レイアウト。アンプの地力アップの程を確認する意味でまずステレオ音楽ソースから聴こう。

クルレンティス指揮の「フィガロの結婚」は、豊かな情報量が印象的だ。アンサンブルの中に埋もれがちな楽器が存在感を取り戻し、楽器本来の質感とピリオド楽器の鋭い響きが引き出され、演奏全体に活き活きとしたリズムを吹き込む。クルレンティスが望んだのはこの響きだろう。AVR-X2600Hは先述の通り、上位機に倣いプリアンプ部の信号経路を最短化しパワーアンプ部にさまざまな改良とグレードアップを施したため、ノイズフロアの低下と歪みの減少は歴然である。

デノン試聴室に設置されたAVR-X2600H

山中千尋のジャズは、従来製品に比べてアコースティックベースの量感が増し演奏の土台が格段に充実した。山中のピアノも音圧と解像感を増しているが、最も大きな違いはピアノのテクニックの冴えと音色ニュアンスの豊富さで、カルテットの中で存在感を増している。電源回りのノイズの干渉を抑えくもりが消えた結果だ。

ジェーン・モーハイトのジャズヴォーカルは、ソロシンガーの定位がぼやけやすい難関ディスクだが、AVR-X2600Hで聴く歌い手の立ち姿があざやかに目視できるようで、キャリアのピークにある豊麗な歌声がくっきりと現れる。ミニマムシグナルパス採用とパワー部を強化した結果だ。音楽再生アンプとしての地力が一回りも二回りも大きくなっている。

HDMI入力でUHD BDのイマーシブサウンドを聴いてみよう。この日、集中的に聴いたのが『アリー/スター誕生』。21世紀初、3度目の再映画化になる本作は、劇場で見るにせよ家庭で見るにせよ、HDRとイマーシブサウンド(ドルビーアトモス)あってのリメイクだ。事実本作は劇場によってドルビービジョンで公開、音声はAuro-3D方式も採用された。

1954年版も1976年版も音楽映画だったが、本作はライブシーンが3人目の主人公なのだ。そうした演出に、HDRの広大なダイナミックレンジを活かした実景感覚とイマーシブサウンドの広々とした音場表現力が欠かせなかった。最新のイマーシブサウンド対応モデルであるAVR-X2600Hがどう表現するか、本作のミュージックチャプターを追いかけてみよう。

各場面のメッセージを視聴者に漏らさず伝える地力の高さ

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