「ERNESTOLO EX」と「FABRIZIOLO EX」を聴く

Carot One「EXシリーズ」レビュー。さりげなく繋げて音楽に浸れるデスクトップオーディオ

中林直樹

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2015年10月27日
プリ/ヘッドホンアンプ「FABRIZIOLO EX」はニュアンス豊かに音楽を描く

プリ/ヘッドホンアンプ「FABRIZIOLO EX」もSHR1840とAK T8iEで試聴した。プレーヤーや試聴楽曲も同様だ。

まずSHR1840では、パンチブラザーズの楽曲そのものの勢いを如実に現した。特にボーカルの立ち上がりが早く、その存在感を否応なく示している。原田知世では、透明度の高いボーカルが耳に響いた。ベースやアコースティックギター、ピアノなど音楽を構成するパートに不必要な響きや粘りがなく、爽やかにバランスする。ところが、その印象がAK T8iEに変更すると変化するから面白い。

「FABRIZIOLO EX」はヘッドホンのサウンドを確かめた

原田知世はボーカルやコーラスの輪郭がくっきりし、ホーンセクションの高域にも輝きが乗る。ベストマッチだと思ったのはキース・リチャーズだ。ドラムスやベースの勢いが増し、エレキギターにも鋭さが加わって、スリリングな表情を見せるからだ。ざらりと枯れた味わいの歌声のニュアンスも十分に感じることができた。また、中島ノブユキではストリングスが創出する立体的なサウンドを味わえる。ミカ・バンドでもベースやドラムスの勢いの良さ、エレキギターのカッティングの明瞭さに驚いた次第だ。

◇◇◇


今回は小型プレーヤーと各アンプを接続した。聴いたのはいずれもハイレゾファイルだった。だが、音楽シーンを見渡してみると、AppleMusicやGoogle play music、AWAやLINE MISICなどのストリーミングかつサブスクリプション(定額)型の音楽配信サービスが立ち上がり、ユーザーを爆発的に増やしている。ハイレゾよりも気軽に、そして楽曲を購入するという意識なく音楽を楽しめるのがメリットだ。僕も実際にいくつかのサービスを利用し、ハイレゾやアナログなどとの使い分けで楽しんでいる。

そんなミニマムな音楽試聴体験が人々に広がってゆくとき、オーディオ製品に求められるスタイルはどのようなものだろうか。音のクオリティの高さはもちろん、スマートフォンやパソコンとさりげなくつなげて、デスクトップでも音楽に浸れること。そんな、これからを考えたとき、オレンジ色のコンパクトボディを思い起こしてほしい。

(中林直樹)


SPECIFICATION
【ERNESTOLO EX】
<パワーアンプ部>●出力6W×2(8Ω)、15W×2(4Ω) ●S/N:98dB ●ダイナミックレンジ:98dB ●THD歪み率:0.3%@9W/0.1%@11W4Ω/0.1%@9W6Ω/0.1%@6W8Ω ●出力効率:81%@15W4Ω/90%@10W8Ω ●入力:ステレオミニ×1 ●スピーカー端子:バナナプラグ対応 ●電源:DC12V-13.2V(max)5A ●電源ソケット:5.5mm/2.1mm
<ヘッドホンアンプ部>●SN比:92dB ●出力:3.0W/Channel on 33Ω ●周波数特性:15Hz-100kHz -1dB ●入力インピーダンス:10kΩ
<プリアンプ部>●真空管:JJ ECC802S ●S/N:92dB ●THD歪み率:0.05%@10kΩ/0.15%@33Ω ●入力:RCA×1、ステレオミニ×1 ●プリ出力:ステレオミニ×1 ●ヘッドホン出力:ステレオミニ×1 ●電源:DC12V-13.2V(max)5A ●電源ソケット:5.5mm/2.1mm
<総合>●電源アダプター:DC12V 5A(48W) ●外形寸法67W×60H(115H 真空管含む)×100D(125D 突起部含む)mm


【FABRIZIOLO EX】
<ヘッドフォンアンプ部>●SN比:92dB ●出力:3.0W/Channel on 33Ω ●周波数特性:15Hz-100kHz -1dB ●入力インピーダンス:10kΩ
<プリアンプ部>●真空管:JJ ECC802S ●S/N:92dB ●THD歪み率:0.05%@10kΩ/0.15%@33Ω ●入力:RCA×1、ステレオミニ×1 ●プリ出力:ステレオミニ×1 ●ヘッドホン出力:ステレオミニジャック×1 ●電源:DC12V-13.2V(max)5A ●電源ソケット:5.5mm/2.1mm
<総合>●電源アダプター:DC12V 5A(48W) ●外形寸法:67W×35H(80H 真空管含む)×100D(125D 突起部含む)mm



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