[連載]高橋敦のオーディオ絶対領域

【第60回】DSDもiOSデジタル接続も!多機能DACポタアン“Soundroid Typhoon”を聴く

高橋敦

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2013年09月20日

ポイント2:DSDネイティブ伝送

DSDネイティブ伝送は、PCでDSD音源を再生するときに、PCとUSB-DAC間のデータ伝送においてDSDデータをL-PCMデータに変換せずにDSDデータのままで行う機能だ。当然、L-PCMへの変換を伴う非ネイティブの伝送方法よりも、鮮度が高くDSDらしさを発揮した音質を期待できる。

USB-DACとして利用中は側面のLEDでサンプリング周波数を確認できる

…のだが実は本機の場合、伝送はDSDネイティブなのだが、伝送されてきたDSDデータを受け取った後にはそれを88.2KHzのL-PCMに変換して再生する仕組みだ。なのでここでは「DSDネイティブ再生」ではなく「DSDネイティブ伝送」という言い方をした。

完全なネイティブ再生と比べれば、その優位が薄らぐことは否めないはずだ。しかしそれでも十分な利点は得られると判断してこの方式を採用したのであろうから、やはり注目だ。

ただしDSDネイティブ伝送はWindows向けのASIOドライバーによって実現されるため、Mac環境では利用できないとのこと。ので僕もテストできなかった…。なおUSB-DACとしてのL-PCM対応仕様は最大96kHz/32bitだ。

ポイント3:iOSデジタル接続時に192/24アップサンプリングに対応

機能面での他の大きな特徴としては、iOS機器とのデジタル接続時に利用できるアップサンプリング機能がある。

本機はiOS機器から入力されたデジタル音声信号を48kHz/96kHz/192kHzにアップサンプリングできる。また量子化ビット数(本機では「ワードレングス」と表現されている)についても16bitから24bitまたは32bitに拡張可能だ。

背面スイッチ。アップサンプリングとビット拡張の他、ゲイン切り替えも用意されている。そしてMADE IN JAPAN

アップサンプリングには是非両論があるが、本機においては「本来データとデータの間に存在していると想定される20kHz以上の周波数の音楽情報を生成するもので、より豊かな音色と音場を体験することができます」として採用されている。

同じく量子化ビット数の拡張については「bit数を上げるほどダイナミックレンジが広くなり、解放感のある伸びやかな高音質を体験できます」とのことだ。

実際の効果は後ほど試聴で確認する。ただアップサンプリングについては、本機の場合はその切り替えスイッチが最低で48kHzであり、オフという選択肢はない。ということはCD仕様の音源=44.1kHzは48kHz以上へのアップサンプリングが不可避だ。そうなると「じゃあどうせだったら192kHzまでアップサンプリングしてやるよ!」的な気分になるなあとは思う。

ちなみに本機は前述のようにUSB-DACとしては96kHzまでの対応だ。それでいてアップサンプリングは最大192kHz。これは「USB伝送部は96kHz仕様」「DAC部は192kHz仕様」という構成になっているためと思われる(本機に搭載されているDACチップ、TI製PCM5102Aは192kHz/32bit対応だ)。

機能面でその他には、光デジタルの入出力の装備も特長だ。ライン入力とヘッドホン出力がそれぞれ光デジタルも兼ねている。手元に光デジタル入出力対応機器がある場合には、それらとのコンビネーションでも利用可能だ。

前面パネル。赤と緑に光る3ポジショントグルスイッチで入出力や動作モードを切り替えて使用する

続いては…お待ちかねの試聴タイム!

多機能モデルの音質をチェック!USB-DAC/ヘッドホンアンプ機能もiOSデジタル接続機能も

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