唯一無二のTVを徹底レビュー
東芝REGZA「55X3」の衝撃 ー やはり「4K」は凄かった
取材・執筆:大橋伸太郎/折原一也/鴻池賢三/林 正儀/村瀬孝矢/山之内 正
2012年01月20日
地デジは?そしてBDは?6名が語る55X3のクオリティ |
2011年12月某日、55X3の完成モデルが到着した。発表から約2ヵ月。世界初の4Kテレビは、どれほどのレベルに到達したのか。ここでは、筆者陣6名による視聴レビューをお届けする。
明るさと陰影の変化が恐ろしく生々しい
「映画」そのものがそこにあった
取材・執筆:大橋伸太郎
4Kの密度とフォーカス 自然なエッジが見事に融合
55X3でBDを視聴したところ、非常に見事な画を映し出した。それはミュージカル映画『ロシュフォールの恋人たち』を見ての印象だ。映画の後半、フランソワーズ・ドルレアックとカトリーヌ・ドヌーヴ扮する双子の姉妹が港町のアトラクションの舞台で歌い踊る、自然光主体で撮影されたシーンがある。二人の女優の動きにつれて顔が明るんだり天蓋の影で暗くなったりするが、その明るさと陰影の変化が恐ろしく生々しい。まさに息づくような映像だ。
歴代のCELLレグザでも、これだけの陰影変化は出せなかった。QFHDの画素密度と精密なフォーカス、自然なエッジ表現があってこそ、この繊細で緻密な階調が生まれたのだろう。まさにフィルムの光と階調。55インチというサイズは別段大画面でないが、それを忘れさせ「テレビ」が姿を消し「映画」そのものがそこにあるかのような感覚におちいる。目から鱗が落ちる経験といって過言ではない。
次にグラスレス3Dを視聴した。QFHD(3840×2160)の2D映像とグラスレス3D映像(1280×720)の切り替えは、リモコンの3Dボタンで容易にできる。視差モード切替では、9視差と2視差が選択可能。9視差は画質が粗く画素が見えるが、3D立体効果の許容範囲が広い。2視差は画質がよく立体効果も大きいが視聴位置の依存性が高く、正面で見ても映像の左右にクロストークが発生、立体設定の大きい画面では中央にも出ることがある。あえて正面から左右へ外れてみる。映像中央と自分に近い側は破綻がなく見やすいが、遠い側にクロストークが大きく出る。本機は「フェイストラッキング」機能を搭載し、顔検出カメラで視聴者の位置を検出するのだが、室内が暗いとなかなか捕捉できないようだ。
グラスレス3D(特に9視差設定)はソフトとの相性も大きい。描画密度が高く暗いシーンが多い『アバター』は厳しい。逆に『カーズ2』のようなシンプルなCGアニメーションは見やすい。ただし、アクションシーンでやや動画ボヤケがある。その一方で、3Dメガネの輝度ロスと色彩バランスの変化がないため明るく力強い点はいい。子供の視聴頻度が高い場合も、少々の見辛さがあってもグラスレス3Dに分があるといえる。
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