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プラズマ技術も活用

<IFA>独自技術で“マスモニ画質”へ。パナソニックの4K有機ELテレビ開発者に聞く

公開日 2015/09/06 13:40 折原一也
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IFA 2015に出展された映像関連機器のなかで、Ultra HD Blu-rayプレーヤーと並ぶインパクトのあった製品が、パナソニックがプレスカンファレンスで発表した有機ELテレビ「TX-65CZ950」だ。

曲面有機ELパネルを採用するパナソニックの4K有機ELテレビ「TH-65CZ950」

パナソニックといえば、ソニーと共に有機ELの開発を手がけていた、日本でも屈指の技術を持つメーカー。そんな同社が発売する「TX-65CZ950」の詳細について、パナソニック(株)アプライアンス社テレビ事業部で欧州向け商品企画を手がける真田氏、有機ELパネルの画質担当の永田氏に話を聞いた。

商品企画の真田氏とOLED画質担当の永田氏に直撃

「TX-65CZ950」は欧州で10月中旬に発売される(日本発売は未定)。同社“VIERA”液晶最上位モデルのさらに上にあたる、スペシャルなモデルとして追加される。パネルのメーカーは非公表だが、曲面の有機ELで現在入手可能なものとなると、LGディスプレイ製のパネルだろう。

その画質については、今回パナソニックが標榜するキャッチコピー「ACCURATE CINEMA EXPERIENCE」が言い表している。すなわち原画忠実の映画表現が徹底されているのだ。

パナソニックの高画質のキーワードは「ACCURATE CINEMA EXPERIENCE」

中核となる技術は、名称は異なるものの、日本でも2015年モデルの液晶VIERAで既に採用している映像エンジン「4Kマスタースタジオプロセッサー」。真田氏は「我々が持つプラズマの技術も入れ込んだもので、特に色再現性について画質を改善しているほか、有機EL専用のスペシャルな取り組みを入れ込んでいる」と説明する。有機EL用のスペシャルな技術とは何かという点については、後ほど詳しく紹介する。

表示パネルに有機ELを採用したことで、「アブソリュートブラック」が得られると同社ではアピール。液晶のようなバックライトの影響がなく、さらにはプラズマにおけるディザリングなどの影響もない、クリアな黒を実現する。色再現性についても、DCIのカバー率90%を実現している。

TH-65CZ950は「4K THX認定」も取得している。有機ELテレビのTHX認定に関しては、LGが'13年のフルHDモデルで取得しているが、4K有機ELテレビとしては本機が業界初となる。

CZ950は「THX認定」も取得。多数の高画質技術を投入した

なお、取得までのプロセスは「認定の基準そのものは、液晶も有機ELも同じなのですが、実際の審査はデバイスに応じた形で見ていただいているようです。有機ELの場合、プラズマに近い特性として、かなり厳しい基準でみていただきました」(真田氏)とのことだ。

また、先日CEAで決められた「HDRコンパチブル」(HDR10、UltraHD Blu-rayが採用したHDR信号と同じ)にも対応。将来登場するUltraHD Blu-rayプレイヤーとの接続にも対応する。ちなみに、米国や英国でAmazonが配信開始しているHDRには、アプリ側で対応を進めているようだ。

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