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ハイレゾ再生対応、高音質設計も投入

パナソニック、世界初のUltra HD Blu-ray再生対応“DIGA”「DMR-UBZ1」を11月13日発売。価格は40万円

2015/10/05 編集部:杉浦 みな子
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パナソニックは、4K/HDRの映像を記録した次世代BDディスク「Ultra HD Blu-ray」の再生に対応する次世代BD対応“DIGA”「DMR-UBZ1」を、11月13日に発売する。価格はオープンだが、40万円前後での実売が予想される。

“DIGA”「DMR-UBZ1」

IFA2015で展示されていたDMR-UBZ1の試作機

4K/HDR仕様のコンテンツを記録するUltra HD Blu-rayの再生に、世界で初めて対応するBDプレーヤー製品。録画ももちろん行える。以前より開発が示唆されてきたモデルで(山本敦氏による詳細インタビューはこちら)、今回“DIGA”ブランドの新製品として正式発表された形となる。4K映像の保存と再生が可能で、さらにネットワーク経由によるハイレゾ音源再生・保存機能も備えている。HDD容量は3TB。放送受信チューナーは、地上/BS/110度CSデジタルを3基ずつ搭載する。

IFA2015にて展示されたテレビとプレーヤーの試作機

IFA2015パナソニックブースのディーラー側スペースでは4K/HDR対応の液晶テレビとUltra HD Blu-rayプレーヤー試作機による映像デモも行っていた

■次世代BDディスク Ultra HD Blu-rayとは

まず、本機が対応するUltra HD Blu-rayについて簡単におさらいする。Ultra HD Blu-rayは、これまでのBlu-rayから、記録する映像の解像度やダイナミックレンジなどのスペックが大幅に進化した次世代のBDディスク(折原一也氏による詳細インタビューはこちら→前編後編)。容量は3層100GB/2層66GB/2層50GBの3種類をラインナップする。

最大3,840×2.160の4K/60p(4:2:0)映像フォーマットを記録可能で、ピーク輝度を最大1,000〜10,000nitまで拡張したHDR映像の収録にも対応。色空間はBT.2020規格をカバーし、ビット数は10bitまでサポートする。動画圧縮技術はHEVC/H.265、ビデオビットレートは最大100Mbpsに対応している。

■テレビにあわせて出力ダイナミックレンジを調整

DMR-UBZ1は、内部にUltra HD Blu-rayに対応する新開発の4Kエンジンを搭載。さらにディスクだけでなく、BDレコーダーとしては初めてNetflix/YouTube/4K アクトビラなど4Kインターネット動画の再生にも対応した。

画質向上技術としては、映像の輝度信号と色信号を画素単位で分析・補正し、4K映像の鮮鋭感や精細感を調整する「W超解像」も搭載。輝度信号と色信号の両方に対して輪郭とテクスチャを補正することにより、圧縮や伝送で失われた成分をクリアに再現できるようにしている。

映像調整メニュー

なお、BD/DVDやHD放送など、既存スペックの映像の再生については「DMR-BZT9600(関連ニュース)」と同等の性能を備えている。上述のW超解像は、既存スペックのHD映像を4Kアップコンバート出力する場合にも有効となる。

加えて独自のダイナミックレンジ変換技術を備えており、HDRのダイナミックレンジを通常のSDR映像のダイナミックレンジに変換することが可能。HDR映像をHDR対応テレビに出力する場合はそのまま輝度BT.2020、HDR非対応テレビに出力する場合はSDR映像/輝度BT.709に変換するといったことができる。

また、使用するテレビの輝度表示性能にあわせて、出力ダイナミックレンジを手動で調整できる「ダイナミックレンジ変換調整」メニューも備えており、-6〜+6の範囲で調整できるようにしている。

画質設定メニューの中に、ダイナミックレンジ変換調整を用意

HDRに対応していないテレビと接続した場合の変換度合いを調整できる機能

■2つのクロマアップコンバート技術を搭載

なお、Ultra HD Blu-rayに収録される4K素材はプログレッシブ映像のみで、I/P変換処理やアップコンバート処理は発生しない。つまり、Ultra HD Blu-rayの4K再生を行う場合にプレーヤー側で必須となる基本処理は、色信号4:2:0のクロマアップサンプリングのみであり、その性能でプレーヤーの基本画質が決定されるともいえる。

この部分に、パナソニックが長年培ってきたノウハウを投入した。DMR-UBZ1では、2種類のクロマ処理技術を搭載している。1つは4K再生時の「4Kリアルクロマプロセッサplus」で、Ultra HD Blu-rayに収録される4K/4:2:0映像の輝度信号と色信号のうち、色信号だけを2倍にアップコンバートする。

「4Kリアルクロマプロセッサplus」のイメージ

もう1つは2K映像再生時に適用する技術で、2K/4:2:0映像再生時の「4KダイレクトクロマアップコンバートPlus」。これは2K/4:2:0映像の輝度信号を2倍に、色信号を4倍にアップコンバートするもの。これらの高画質技術より、4K/HDR映像の質感と情報量を最大限に引き出せるようにしている。

■ビット階調を優先した映像出力モードも

また、ビット階調優先出力モードも搭載している。これは、最大12bitのMGVC映像と最大10bitのUltra HD Blu-ray映像に関して、自動的にビット階調を優先した出力を行うことにより、素材の豊かな特徴を引き出せるようにした機能だ。

本モードを適用すると、接続する4KテレビがHDMI2.0対応の場合、レートが18GbpsのときはMGVC/Ultra HD Blu-rayの4K/60p/4:2:2/12bit再生と通常の4K/60p/4:4:4/8bit再生を自動で切り替え、HDMI1.4対応の場合、レートが10.2GbpsのときはMGVC/Ultra HD Blu-rayの4K/24p(30p)/4:2:2/12bit再生と通常の4K/24p(30p)/4:4:4/8bit再生を自動で切り替える。

■ネットワーク経由によるハイレゾ再生対応。高音質設計を投入

DMR-UBZ1は、高画質化技術だけではなく、音楽再生機能も向上させていることがポイント。ハイレゾ音源の再生は可能で、内蔵HDDにハイレゾ音源を保存してNASとして使用することもできる。パナソニックでは、「DIGA史上最高音質」を実現したとアピールしている。

ハイレゾフォーマットは、最大192kHz/24bit PCMと最大5.6MHz DSDに対応。DSDはPCM変換出力する仕様で、デフォルトでは88.2kHzのPCMに変換されるが、176.4kHzまたは44.1kHzも設定できる。

なお、本体にはUSB部を備えているが、USBメモリーの直挿しによる音楽再生には対応しておらず、ネットワーク経由での再生になる。

高音質化を図り、本体には剛性を高め低重心とした新開発の筐体を採用している。ドライブ部は、1.2mm厚の鋼板性高剛性ドライブベースにドライブをダイレクトに固定しており、ドライブの振動を低減することで、ディスク信号の読み取り精度を向上させている。

BZT9600(左)の内部構造と比較したところ

また、筐体の中央部に筐体の前後をつなぐフレームを配置する「センターフレーム構造」を採用。ドライブベースと一体化させることで、さらにシャーシの剛性を強化するつくりとしている。また、ベースシャーシは上から二番目にアルミベースを仕込んだ4層構造。共振周波数の異なる素材で構成される多層構造を採用することで、不要な振動を低減しつつ放熱性能も向上させ、さらに筐体の低重心化を図っている。

内部は、アナログオーディオ/デジタル/BDドライブの各ブロックを鋼板で分離して独立化した3ブロック独立構造で、これにより各ブロック間の電気的・磁気的干渉を抑えられるように配慮した。

スイッチング電源も強化しており、新しく無誘導構造のアクロス・ザ・ラインコンデンサー、従来比約7倍の大容量電解コンデンサー、銅箔フィルムコンデンサーを使用している。パーツを厳選し、出力コンデンサーを強化することで、低音の力強い表現を図っている。

上述の電源系パーツだけでなく、ほかの使用パーツも細かな部分を刷新。新しく非磁性体炭素被膜抵抗を採用し、アップグレードしたLANコモンモードフィルターも使用する。オーディオ用の基板には、ガラスエポキシ基材使用の専用基板を採用。バランス端子はノイトリック製としている。なお、192kHz/32bit対応DACや、L/R独立したHi-Fiオーディオ用の低雑音オペアンプを採用する点は従来を継承している。

脚部には、ハイカーボン鋳鉄インシュレーターを採用。炭素含有量の多いハイカーボン鋳鉄を使ったTAOC製インシュレーターで、質量120gのものを4基備えている。比重が大きく振動減衰特性に優れるとされるハイカーボン鋳鉄によって、力強く引き締まった低音の再現を狙った。

DMR-UBZ1の背面端子部

リモコン

なお、4K撮影動画やハイレゾ音源などの音楽ファイルを本体HDDに取り込んだ後、一時的にBDディスクやSeeQVault規格のUSB-HDDへバックアップして保管することもできる。また、15年秋モデル以降のDIGA同士であれば、機器間でデータの共有・再生が行える。

また、BZT9600で好評だったというアクセサリー「USBコンディショナー」をパワーアップさせた「USBコンディショナーMKII」も付属する。本体のUSB端子に挿入することで高域のS/N感や情報量を向上させるもので、新しく非磁性炭素被膜抵抗と極厚銅箔基板を採用することで、従来よりブラッシュアップを図った。コンデンサーはインド・ビハール州ギリディー地方産のルビーマイカを使用したマイカコンデンサー。本体は樹脂ケースとアルミプレートの異種素材を貼り合わせて、高剛性化を図っている。USB3.0端子への接続を推奨している。

ULTRA HD Blu-rayソフトのプレゼントキャンペーンも

DMR-UBZ1の購入者を対象にしたULTRA HD Blu-rayソフトのプレゼントキャンペーンも実施する。

「るろうに剣心」2作品のUHD-BDソフトがプレゼントされる

プレゼントされるソフトは映画「るろうに剣心 京都大火編」「るろうに剣心 伝説の最期編」。キャンペーン期間は、購入対象期間が11月13日から2016年3月28日。そしてキャンペーン応募受付期間は11月13日から2016年3月31日までとなる。

【問い合わせ先】
パナソニック お客様ご相談センター
TEL/0120-878-365

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製品スペックやデータを見る
  • ジャンルBDプレーヤー
  • ブランドPANASONIC
  • 型番DMR-UBZ1
  • 発売日2015年11月13日
  • 価格¥OPEN(予想実売価格400,000円前後)