販売価格473万円。アームレス仕様も用意

エソテリック、新アナログプレーヤー「T-01」。旗艦機「Grandioso T1」の技術を継承

公開日 2026/08/21 15:00 編集部:原田郁未
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ESOTERIC(エソテリック)は、独自の非接触駆動方式「ESOTERIC MagneDrive System」を採用したアナログプレーヤー「T-01」を発表した。

価格は、トーンアーム「TA-9S」が付属するT-01が4,730,000円、トーンアーム/アームベースが付属しない「T-01 AL」が4,400,000円(ともに税込)。カートリッジはいずれも別売で、9月末より出荷を開始する。

T-01

同社は正式発表に先駆け、8月17日から20日にかけて公式Xで「Silence. Precision. Motion.」「World Premiere 2026.8.21」と記したティザー投稿を公開。製品の異なる箇所をクローズアップした画像によって新製品の登場を予告していたが、今回、その新製品として同製品が正式発表された。

T-01は、同社初のアナログプレーヤーとしてブランド創立35周年を記念して開発された「Grandioso T1」の設計思想を継承するモデル。

モータードライバーの10MHz外部クロックシンクや、アルミニウムとMDFを組み合わせた3層シャーシなどの技術を受け継ぎながら、MagneDrive Systemを本体シャーシに一体化。電源部をセパレート式とした本体+電源ユニットの2ピース構成を採用し、Grandioso T1と比較して設置性を高めたという。

 セパレート式の電源部

中核技術となるMagneDrive Systemは、磁気誘導を利用してモーターとプラッターを非接触で駆動する独自方式。同社が掲げる「アナログ再生におけるマスターサウンドの実現」に向け、プロジェクト開始から実用化まで5年以上をかけ、特許取得にも至ったという。

駆動モーター先端には、S極とN極を交互に着磁した「マグネティック・ドライバー」を装備。一方、アルミニウム製プラッターの側面下部には、軟鉄製の「インダクション・ホイール(誘導輪)」を配置する。マグネティック・ドライバーが回転すると、磁気誘導によってインダクション・ホイールに駆動力が生じ、両者が接触することなくプラッターを同期回転させる仕組みだ。

「マグネティック・ドライバー」を装備した駆動モーター部分

ベルトやギアなどの機械的な伝達機構を介さないことで、モーター振動がプラッターへ直接伝わることを抑制。加えて、ベルトの伸縮やプーリー精度などに起因する回転速度の変動も抑え、力強い駆動トルクと高い回転精度を両立したと説明する。駆動ベルトの定期交換が不要となり、駆動系の摩耗も低減できる点も特徴としている。

プラッターは、アルミ削り出しによる質量13kgのハイマス設計。磁力によってプラッターの荷重を支えるマグネフロート方式を組み合わせることで、軸受けにかかる負荷を約4kgまで低減している。高い回転イナーシャによる滑らかな回転を確保しながら軸受けの摩擦抵抗を抑え、静粛性の向上を図った。

軸受けには、プラッターの支点をレコード盤面に近づけるインバーテッドベアリングを採用し、回転の安定性を追求。また、プラッター表面は最終工程で熟練した職人が1台ずつ仕上げ、平滑度を高めるとともにスピン模様を形成しているという。

MagneDrive Systemを採用したモーター、プラッターの構造イメージ

MagneDrive Systemのモーターユニットは本体に内蔵。Grandioso T1で必要だった専用治具を用いたモーター位置の調整を不要とすることで、導入時の手間を軽減した。

さらに、モーターの残留振動を抑える「バイブレーション・アブソーバー・ケース」を採用。モーター本体を防振ラバー・ワッシャーを介してモーターブラケットから吊り下げ、黄銅製のヘビーウェイト・ベースと組み合わせる構造とした。モーターアッセンブリーはアルミニウム製ボトムシャーシ上に自重で配置し、異種素材の組み合わせなどによって振動モードを分散させるとしている。

モーター防振構造の分解イメージ

モータードライバーには、高精度10MHzクロックと同社独自の「Master Sound Discrete Clock」を採用し、モーター駆動用の波形を高精度に生成。BNC端子による外部10MHzクロック入力も備え、同社のマスタークロックジェネレーター「G-01XD」「G-05」などとのクロックシンクにも対応する。

モーター/コントロール回路用の電源ユニットはターンテーブル本体から分離し、大型トロイダルトランスを採用。本体から電源部をセパレートすることで振動やノイズの影響を排除し、クリーンかつ力強くターンテーブルを駆動するとしている。また、アルミニウムを多用したエンクロージャーを採用し、コンパクト化によって設置性にも配慮した。

シャーシは、肉厚のアルミニウム層でMDF製ミッドシャーシを挟む3層構造。トップレイヤーにはトーンアームを、ボトムレイヤーにはMagneDrive Systemやスピンドルアッセンブリー、アイソレーション・フットを配置し、中間のMDF層によってトーンアームとプラッターの間の振動伝達を抑える設計とした。ミッドシャーシには、塗装と研磨を重ねたハイグロス・ピアノ仕上げを施している。

脚部には、同社独自のスパイク/受け皿一体型構造にダンパー機構を追加した新開発アイソレーション・フットを搭載。ピンポイント・スパイクによる振動減衰特性を維持しながら、ハウリングの原因となる超低周波振動の遮断を図る。

ダンパー機構を追加した新開発アイソレーション・フット

また、レコード盤とプラッターの間に敷くターンテーブルシートには、和紙を採用した。ニュートラルな音色特性を持つ素材として選定したもので、一切の色付けをしない純粋なサウンドの再現を狙う。レコード盤面を傷から保護するとともに、日本の伝統工芸と先進的なエンジニアリングを融合するESOTERICの姿勢を表現したとしている。

和紙製のターンテーブルシート(写真左)

T-01に付属する「TA-9S」は、同社オリジナルのスタティック・バランス型トーンアーム。高精度ジンバル・ベアリング・システムを採用するほか、ダイヤル調整式アンチスケーティング機構やVTA調整機能を備える。アルミニウムや黄銅製の各部品をCNC加工し、日本国内で手作業によって組み立てるという。

TA-9S

TA-9Sの実効長は232mm、オーバーハングは16mm、オフセット角は22.5度。針圧印加範囲は0−3gで、0.25gステップで調整できる。カートリッジ/シェルのバランス範囲は、ヘッドシェルを含め15−32gとなる。

また、別売のアームベースキットにより、トーンアームを最大2本まで搭載可能。各種トーンアーム用のアームベースキットは、カスタムオーダーも受け付ける。

 トーンアームは最大2本まで搭載可能

回転数は33 1/3rpm/45rpmの2スピードに対応し、±12.5%の範囲で0.1%刻みの微調整が可能。ワウ・フラッターは0.06%以下(W.R.M.S)。外部クロック入力は10MHz(±10ppm)、入力インピーダンス50Ω、入力レベル0.5−1.0Vrmsとなる。

背面の端子部

外形寸法/質量は、TA-9S搭載時の本体が539W×206H×432Dmm/35kgで、内訳はベースユニット22kg、プラッター13kg。アームレス仕様は517W×185H×432Dmm。電源部は146W×128H×353Dmm/7kgとなる。消費電力は8W、スタンバイ時消費電力は0.3W。

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