ESS、MQA Labの「FOQUS」技術搭載した世界初のADコンバーター「ES9823MPRO」
オーディオ向けの高音質半導体デバイスを展開するESS technologyは、3種類のADコンバーター「ES9823MPRO」「ES9823PRO」「ES9843PRO」を発表した。「ES9823MPRO」には、世界初となるMQA LabによるADコンバーター技術「FOQUS」が搭載される。
いずれも、ESSが特許を持つHyperstream IV ADCアーキテクチャをベースに開発され、独自の第2世代オーディオシグナルプロセッサー技術(ASP2)を搭載。プロ向け及びコンシューマーオーディオ製品向けのADCチップとして、さまざまな機器への組み込みを想定している。
「ES9823MPRO」と「ES9823PRO」は2chのADコンバーターとなり、ダイナミックレンジ(DNR)は+128dB、全高調波歪み率(THD+N)は-117dBという高い特性を実現。モノラルモードでは+130dBのダイナミックレンジを実現しており、現状入手しうる最高のスペックに到達したと説明している。
「FOQUS」は、MQA Labが開発した新たなADコンバーターのためのフィルターで、BLUESOUNDブランドのミュージックストリーマー「NODE ICON」に搭載されるDAコンバーター技術「QRONO」の対となるテクノロジー。人間の知覚閾値を下回るように設計された、ミニマムフェーズレスポンスを持つ透明性の高いデシメーション技術と説明されている。
Lenbrook社のMQA Labsのエンジニアリングディレクターであるアル・ウッド氏は、次のように述べている。「FOQUSは、音をデジタルで完璧にキャプチャするという私たちのミッションにおける大きな進歩です。ESSは長年にわたり高性能オーディオのリーダーであり、FOQUSを内蔵したES9823MPROは、アナログ/デジタル変換における新たなベンチマークを設定すると確信しています」
一方の「ES9843PRO」は4chのADコンバーターとなり、4chモードでダイナミックレンジは+125 dB、THD+Nは-116dBを実現している。
いずれもマルチ帯域のパラメトリックイコライザーやステレオ拡張、RIAAプリエンファシス、クロスオーバーフィルター、ダイナミックレンジコンプレッション、自動ゲインレベリングなどの機能を搭載しており、外部DSPの必要性が最小限になるとともに設計の合理化を実現できるとしている。また開発にあたってはESSのSabre Intelligence Studio(SI Studio)と互換性があり、設計フローも容易に構築できるとしている。
前世代のフラグシップモデルである「ES9822PRO」および「ES9842PRO」とピン互換性があり、5×5mmサイズ、40ピンのQFNパッケージで提供される。
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