オーディオテクニカ、音質面・仕様面をアップデートした新VM型カートリッジ「AT-VMx」シリーズ
オーディオテクニカは、VM型カートリッジVM500/600/700シリーズを刷新。音質面・仕様面をアップデートした「AT-VMx」シリーズとして、5月23日(金)に発売する。販売ラインナップ、および税込価格は下記の通り。
■ステレオカートリッジ「AT-VM700x」シリーズ
「AT-VM760xSL」(無垢特殊ラインコンタクト針):96,800円
「AT-VM750xSH」(無垢シバタ針):60,500円
「AT-VM750xSH/H」(ヘッドシェル「AT-LT10」バンドルパッケージ):69,300円
「AT-VM745xML」(無垢マイクロリニア針):55,000円
「AT-VM740xML」(無垢マイクロリニア針/アルミカンチレバー):39,600円
「AT-VM740xML/H」(ヘッドシェル「AT-LT10」バンドルパッケージ):48,400円

■ステレオカートリッジ「AT-VM500x」シリーズ
「AT-VM530xEN」(無垢楕円針):33,000円
「AT-VM520xEB」(接合楕円針):17,600円
「AT-VM520xEB/H」(ヘッドシェル「AT-LT10」バンドルパッケージ):26,500円
「AT-VM510xCB」(接合丸針):15,400円
■モノラルカートリッジ「AT-VM600x」シリーズ
「AT-VM670xSP」(3mil 接合丸針/SPレコード専用):22,000円
「AT-VM610xMONO」(接合丸針/LPレコード専用):20,900円

2016年に登場したVMシリーズから9年、音質・設計ともに現代のオーディオトレンドにあわせた最適化を実施。特徴である針先互換性を踏襲することで、VMシリーズのユーザーや、往年の「AT100」シリーズを使用するユーザー、2024年発売のターンテーブル「AT-LP8X」付属のカートリッジからのアップデートなど、様々なユーザーにアプローチを図るとしている。

なお、VM型カートリッジとは、MM(ムービングマグネット)型の一種で、かつて同社が世界特許を取得していた方式。左右2chの音溝に対して独立した2つのマグネットをV字に配置。さらにカートリッジの振動系の構造を、レコードに音溝を刻むカッターヘッドと相似させることで、高いセパレーションや広帯域再生、優れたトラッキングを可能にするといった特徴をもつ。

VMシリーズからのアップデートとして、音質面ではコイル線材を6N-OFCからPCUHDへと変更。アタック感や定位、音楽的なニュアンスの向上を実現した。また、コイルのターン数についてもVMシリーズ比で少なくしたことで、繊細な表現力と軽快な再生を両立したとする。


使用感の面では、VMシリーズではビスとナットでの固定を前提とした貫通穴だった取り付け穴にネジ切りを追加。インテグレーテッド型トーンアームへの取り付け性を高めた。また、跳ね上げ式スタイラスカバーの中央部に、ガイドとしてV字型の切れ込みをいれることにより、音溝に針を落としやすくするといった利便性の向上が図られている。
AT-VM700xシリーズは、VM700シリーズ同様アルミダイキャストハウジングを使用したモデル。VM700シリーズでは、「誇張のない正確な再現性を持つ音作り」をコンセプトにしていたそうだが、AT-VM700xシリーズにおいてはそのコンセプトを継承しながら「より繊細なディテール表現や情感豊かな音楽性」を追求したという。


ラインナップのうち、AT-VM760xSL/VM750xSH/VM745xMLは、カンチレバー素材をアルミから伝達速度と音の立ち上がりに優れる硬質素材ボロンへと変更した。
また、VMシリーズでは、ニーズの強いML(マイクロリニア)針はカンチレバーを共通、異なるハウジング素材にてVM500/700シリーズに跨がり展開していたが、今回のリニューアルにて引き続きアルミニウムテーパーパイプを採用するAT-VM740xMLを用意することでハイエンド帯の拡充を図った。


AT-VM750xSH/VM745xMLについては、スタイラスの大幅サイズダウンに伴い、より正確なトレースを実現。音の細部まで忠実に再生できるようになった。さらに、AT-VM740xMLは、同社内で引き合いの強いML針採用機の基準として、AT-VM700x/AT-VM500xシリーズ全体の音作りのベースとしているとのことだ。
いずれも針圧は1.8g〜2.2g(2.0g標準)、外形寸法は18.3W×29.0H×17.5Dmm、質量は8.8gとなる。
AT-VM500xシリーズは、軽量な樹脂製ハウジングを採用することで幅広いトーンアームとのマッチングを可能とするエントリーモデル。サスペンションワイヤーの直径の見直しと、スタイラス形状を円柱から角柱に変更したことでスタイラスチップの大幅な軽量化を達成。音溝に対しての追随応答性が向上。これまで以上に音楽的で豊かな再生能力を獲得したとアピールする。

カンチレバーはいずれもアルミニウムパイプを採用。サウンドキャラクターは、AT-VM700xシリーズ同様「音楽的な抑揚のある音質傾向」と説明。楕円/丸針ともにPCUHDコイルとの相性が良好で、メリハリある軽快で明瞭な再生を可能にしたとする。針圧は1.8g〜2.2g(2.0g標準)、外形寸法は18.3W×28.0H×17.6Dmm、質量は7.2gとなる。


モノラルカートリッジのAT-VM600xシリーズは、ステレオカートリッジをベースに設計されたモノラル結線を採用したことで安定した再生力をそのままに、明るく臨場感ある再生を実現させた。曲率半径が3milの接合丸針を備えるSPレコード用のAT-VM670xSP、安定したトレース性能を持つ接合丸針を装備するAT-VM610xMONOの2種を展開。ともにハウジング素材は樹脂製、カンチレバーはアルミニウムパイプを採用する。


外形寸法/質量はAT-VM500xシリーズ同様18.3W×28.0H×17.6Dmm/7.2g。針圧はAT-VM670xSPが4.5g〜5.5g(2.0g標準)、AT-VM610xMONO1.8g〜2.2g(2.0g標準)となっている。
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