10/1 道の駅ろまんちっく村 第3駐車場にて開催
人気投票も白熱したトライムサウンドミーティングをレポート。フランスからBLAM社長も来日
カーオーディオ関連製品の輸入を担当するトライム(株)主催による交流会「トライムサウンドミーティング」が、10月1日(日)に宇都宮市の道の駅ろまんちっく村 第3駐車場にて開催された。このイベントはカーオーディオユーザー同士の交流を深めるために開催されているもので、コロナ禍でしばらく休止となっていたが、今年4年ぶりに開催された。
トライムが輸入するフランスのカーオーディオブランド「BLAM」の社長であるギー・ボンネビル(Guy Bonneville)氏も来日し、日本のショップやユーザーの取り組みを熱心に調査していた。
イベントには、全国から110台を超える車が集結。シビアなコンテストというよりは「お楽しみ要素」が多めなイベントで、本気のカーオーディオを追求している車はもちろん、軽トラックやバイク、ラッピングカーでの参加もありと幅広いユーザーが集結。朝から断続的な雨模様であったが、テントの下で雨を避けながら友人同士で集まり、オーディオへの熱いパッションを語り合っていた。
担当の石井伴晃氏は、「カーオーディオを楽しんでいる皆さんの交流が大きな目的ですから、トライム扱いの製品をつけていなくても参加OKです」と太っ腹。ちなみにトライムはBLAM、audisonの輸入代理店のほか、サエクやKOJO TECHNOLOGY、M&M DESIGNなどの国内卸も担当しているため、ケーブルやアクセサリー類などでトライムにお世話になっているユーザーも多いことだろう。
今回は、クラシック音楽ファシリテーターの飯田有抄さんが審査をする「トーナメントクラス」と、AV機器評論家の岩井 喬氏が審査する「チャレンジクラス」(金額別にA/Bに分け、全部で36台)のほか、トライム、光城精工、サエクコマース、フェリースソニードのの4社のメーカースタッフによる「メーカーファンクラス」、そして、ギー氏がジャッジする「BLAMファンクラス」などが設けられた。
もうひとつこのミーティングの面白さは、参加者同士で気に入った車に相互に投票し合えること。エキスパート/プレミアム/クリエイトコース(フロントスピーカーの価格別で分かれる)では、3つの課題曲に加えて、オーナー自身が選ぶフェイバリット楽曲をプレイリスト化してリピート再生。審査時間の合間などにそれぞれ試聴して、気に入った車に投票することができる。他のショップなどが手がけた車の音をじっくりと聴く機会も少ないため、多くの参加者がしっかりと聴き入り、白熱した投票合戦となった。
また、BLAM社長のギー氏にもインタビューが叶った。以前はフランス・FOCAL社でカーオーディオに携わっていたが、2013年10月に独立。BLAMは、Bonneville Laboratory And Moreの頭文字をとったもので、「まず情熱を大切にしながら、いい音を追求していきたい」という思いでブランドを立ち上げたのだという。
BLAM製品のフィロソフィーについて尋ねると、「フランスの文化が背景にあることもありますが、特に人間の声の帯域、ミッドレンジを重視して音作りをしています。リズムやメロディはもちろんですが、歌手のエモーションまで伝えられる製品を作りたいと考えています」と、まずは音楽ありきで製品開発をおこなっていると力強く語る。
BLAMにとっても日本は非常に重要な市場と考えているという。「現在は世界45か国に輸出しています。市場として一番大きいのはアメリカですが、特にハイエンド製品については日本が強いです。日本のカーオーディオは非常に長い歴史があり、DSPなどの使いこなしも含めてチューニングレベルも非常に高いと感じています」と賞賛する。
また10周年を記念する新しいプロダクトも開発中だという。「新しい振動板の研究にも取り組んでおり、今までにないハイエンドクラスの製品となります。来年春には登場する予定ですので、こちらも楽しみにしていてください」と語ってくれた。
いくつか気になった車を紹介しよう。浦安市に店舗を構えるアークライドは、ショップデモカー・ラパンも含む4台をエントリー。店長の大塚氏によると、「BLAMのスピーカーをつけているお客さんもとても多いです。やっぱりサポートがしっかりしている、というのが安心できる点ですね。それにギーさんもFOCALで働いていた時からお世話になっているので、ギーさんが来るならぜひ参加しなければ、と駆けつけました」と気合十分。
ラパンのスピーカーには、BRAXのGraphic GL1(トゥイーター)とGL6(ミッドバス)を組み合わせており、ダッシュボード上に展開するサウンドステージは見事の一言。S/Nが良く非常に静かなので、細部の再現性がしっかりありながらナチュラルなサウンドが魅力。課題曲のJulia Hulsmann Quartetの「Made of Wood」では、テナーサックスのアコースティックな質感をしっかり引き出してくれる。
東京荒川区のオーディオファクトリーサウンドプロからは、なんとバイクが登場。ホンダの3輪バイク、ジャイロキャノピーだ。早速乗ってみると、ブルームーンのスピーカーから流れ出す明るく開放感のある音色で、思わずこのまま走り出したくなる心地よさ(本当は屋根もあるのだが、故障しており取り外しているそう)。何より車と違って中央に座ることができるので、タイムアラインメントの点で有利と言えるのかもしれない。
カードキャプターさくらのラッピングカーで駆けつけた参加車も。車もオーディオもかなり手をかけているというが、音作りのこだわりは「坂本真綾さんの“紅茶”が生々しく聴こえること!」だとのこと。文字通り目の前で歌ってくれているようなリアリティ、声の残り香に満たされるような幸福感に包まれる。
スバル・インプレッサでBLAMコースにエントリーした兼子さん。スピーカーにはTS 25HR(トゥイーター)、MS 2 Multix(ミッド)、WS6.100(ウーファー)とフルBLAMを装備して参戦した。アナログ的な密度の濃いサウンドが特徴で、まさにBLAMが得意とする「中域のリアリティの高さ」を実現してくれるかのよう。
最後は表彰式。それぞれのクラスについて3位まで表彰され、トロフィーが手渡される。飯田さんが審査員を務めた「トーナメントクラス」では、サウンドウェーブがチューニングをした宮本さんのトヨタ・プリウスが優勝を飾った。飯田さんは講評にて、「クラシック楽曲では音符も大切ですが、“休符”、つまり音のないところも作曲者はきちんと意図を込めて作曲をしています。ですから、この“休符”をいかに描き出すかということも重要なポイントです」とコメント。特に上位に来た車については、サウンドステージの展開やリズムはもちろん、休符の描き方も非常に高度なレベルに達していたと述べた。
終日雨模様ではあったが、ショップデモカーの試聴やユーザーカー同士お互い試聴しあったりと、それぞれに交流を深められたイベントだった。担当の石井氏も、「皆様のご協力で、事故なくイベントを開催できて本当に嬉しいです。トライムミーティング、来年も開催できるよう準備します」と力強く締めくくった。
トライムが輸入するフランスのカーオーディオブランド「BLAM」の社長であるギー・ボンネビル(Guy Bonneville)氏も来日し、日本のショップやユーザーの取り組みを熱心に調査していた。
イベントには、全国から110台を超える車が集結。シビアなコンテストというよりは「お楽しみ要素」が多めなイベントで、本気のカーオーディオを追求している車はもちろん、軽トラックやバイク、ラッピングカーでの参加もありと幅広いユーザーが集結。朝から断続的な雨模様であったが、テントの下で雨を避けながら友人同士で集まり、オーディオへの熱いパッションを語り合っていた。
担当の石井伴晃氏は、「カーオーディオを楽しんでいる皆さんの交流が大きな目的ですから、トライム扱いの製品をつけていなくても参加OKです」と太っ腹。ちなみにトライムはBLAM、audisonの輸入代理店のほか、サエクやKOJO TECHNOLOGY、M&M DESIGNなどの国内卸も担当しているため、ケーブルやアクセサリー類などでトライムにお世話になっているユーザーも多いことだろう。
今回は、クラシック音楽ファシリテーターの飯田有抄さんが審査をする「トーナメントクラス」と、AV機器評論家の岩井 喬氏が審査する「チャレンジクラス」(金額別にA/Bに分け、全部で36台)のほか、トライム、光城精工、サエクコマース、フェリースソニードのの4社のメーカースタッフによる「メーカーファンクラス」、そして、ギー氏がジャッジする「BLAMファンクラス」などが設けられた。
もうひとつこのミーティングの面白さは、参加者同士で気に入った車に相互に投票し合えること。エキスパート/プレミアム/クリエイトコース(フロントスピーカーの価格別で分かれる)では、3つの課題曲に加えて、オーナー自身が選ぶフェイバリット楽曲をプレイリスト化してリピート再生。審査時間の合間などにそれぞれ試聴して、気に入った車に投票することができる。他のショップなどが手がけた車の音をじっくりと聴く機会も少ないため、多くの参加者がしっかりと聴き入り、白熱した投票合戦となった。
また、BLAM社長のギー氏にもインタビューが叶った。以前はフランス・FOCAL社でカーオーディオに携わっていたが、2013年10月に独立。BLAMは、Bonneville Laboratory And Moreの頭文字をとったもので、「まず情熱を大切にしながら、いい音を追求していきたい」という思いでブランドを立ち上げたのだという。
BLAM製品のフィロソフィーについて尋ねると、「フランスの文化が背景にあることもありますが、特に人間の声の帯域、ミッドレンジを重視して音作りをしています。リズムやメロディはもちろんですが、歌手のエモーションまで伝えられる製品を作りたいと考えています」と、まずは音楽ありきで製品開発をおこなっていると力強く語る。
BLAMにとっても日本は非常に重要な市場と考えているという。「現在は世界45か国に輸出しています。市場として一番大きいのはアメリカですが、特にハイエンド製品については日本が強いです。日本のカーオーディオは非常に長い歴史があり、DSPなどの使いこなしも含めてチューニングレベルも非常に高いと感じています」と賞賛する。
また10周年を記念する新しいプロダクトも開発中だという。「新しい振動板の研究にも取り組んでおり、今までにないハイエンドクラスの製品となります。来年春には登場する予定ですので、こちらも楽しみにしていてください」と語ってくれた。
いくつか気になった車を紹介しよう。浦安市に店舗を構えるアークライドは、ショップデモカー・ラパンも含む4台をエントリー。店長の大塚氏によると、「BLAMのスピーカーをつけているお客さんもとても多いです。やっぱりサポートがしっかりしている、というのが安心できる点ですね。それにギーさんもFOCALで働いていた時からお世話になっているので、ギーさんが来るならぜひ参加しなければ、と駆けつけました」と気合十分。
ラパンのスピーカーには、BRAXのGraphic GL1(トゥイーター)とGL6(ミッドバス)を組み合わせており、ダッシュボード上に展開するサウンドステージは見事の一言。S/Nが良く非常に静かなので、細部の再現性がしっかりありながらナチュラルなサウンドが魅力。課題曲のJulia Hulsmann Quartetの「Made of Wood」では、テナーサックスのアコースティックな質感をしっかり引き出してくれる。
東京荒川区のオーディオファクトリーサウンドプロからは、なんとバイクが登場。ホンダの3輪バイク、ジャイロキャノピーだ。早速乗ってみると、ブルームーンのスピーカーから流れ出す明るく開放感のある音色で、思わずこのまま走り出したくなる心地よさ(本当は屋根もあるのだが、故障しており取り外しているそう)。何より車と違って中央に座ることができるので、タイムアラインメントの点で有利と言えるのかもしれない。
カードキャプターさくらのラッピングカーで駆けつけた参加車も。車もオーディオもかなり手をかけているというが、音作りのこだわりは「坂本真綾さんの“紅茶”が生々しく聴こえること!」だとのこと。文字通り目の前で歌ってくれているようなリアリティ、声の残り香に満たされるような幸福感に包まれる。
スバル・インプレッサでBLAMコースにエントリーした兼子さん。スピーカーにはTS 25HR(トゥイーター)、MS 2 Multix(ミッド)、WS6.100(ウーファー)とフルBLAMを装備して参戦した。アナログ的な密度の濃いサウンドが特徴で、まさにBLAMが得意とする「中域のリアリティの高さ」を実現してくれるかのよう。
最後は表彰式。それぞれのクラスについて3位まで表彰され、トロフィーが手渡される。飯田さんが審査員を務めた「トーナメントクラス」では、サウンドウェーブがチューニングをした宮本さんのトヨタ・プリウスが優勝を飾った。飯田さんは講評にて、「クラシック楽曲では音符も大切ですが、“休符”、つまり音のないところも作曲者はきちんと意図を込めて作曲をしています。ですから、この“休符”をいかに描き出すかということも重要なポイントです」とコメント。特に上位に来た車については、サウンドステージの展開やリズムはもちろん、休符の描き方も非常に高度なレベルに達していたと述べた。
終日雨模様ではあったが、ショップデモカーの試聴やユーザーカー同士お互い試聴しあったりと、それぞれに交流を深められたイベントだった。担当の石井氏も、「皆様のご協力で、事故なくイベントを開催できて本当に嬉しいです。トライムミーティング、来年も開催できるよう準備します」と力強く締めくくった。
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