オーディオで聴く音楽に助けられたという想いを大切に

第6回「北陸オーディオショウ」レポート。“オーディオは人々に勇気を与える”をテーマに国内外メーカーが集結

2023/05/15 季刊オーディオアクセサリー編集部・松井泰裕
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「地域の音楽・映像文化の発展に貢献すること」をポリシーに掲げる、富山県を代表するオーディオ専門店クリアーサウンドイマイ。同店が主催する「第6回 北陸オーディオショウ」が、2023年4月22日(土)、23日(日)の2日間にわたり開催された。

北陸オーディオショウは、前回に引き続き、富山県民会館で行われた

北陸オーディオショウは、2016年に北陸初の大型オーディオイベントとしてスタート。今年は “オーディオは人々に勇気を与える” というスローガンのもと、国内外の人気メーカー38社が参加した。

当日は北陸地方で唯一の大型オーディオショウということもあり、幅広い世代のオーディオファンが集まった。昨年に引き続き、オーディオ評論家による講演やチェリストのスペシャルコンサートなども実施され、会場は終始熱気に包まれていた。

北陸オーディオショウを主催するクリアーサウンドイマイの代表・今井芳範氏は、会場にて次のようにコメントした。

主催のクリアーサウンドイマイ代表・今井芳範氏

「オーディオは、音楽から派生した素晴らしい文化だと思います。今の社会情勢の中で、オーディオで聴く音楽に “助けられた” とか “勇気づけられた” という方はたくさんいらっしゃるのではないでしょうか。その想いを大切にしたいというのが今回のテーマです。

こういったオーディオショウは、大都会でないとなかなか実現できませんでしたが、念願叶ってここ北陸でも開催させていただけるのは、皆様の多大なるお力添えがあってこそだと考えております。

そのような中で、我々はこれまでにさまざまなチャレンジをしてきました。例えば、昨年からこの北陸オーディオショウを有料化したことです。コロナ禍での混雑緩和という目的もありますが、オーディオを主体としているショウですので、“目的意識” を持って来場いただくお客様とより真摯に向き合えるショウにしたいという狙いがありました。

また北陸オーディオショウは、ミドルクラスのオーディオ機器を中心に展開していることも特徴です。その理由は、より良いサウンドを求めるオーディオファンをもっと根付かせたいからです。それに若い世代がスマホを中心に音楽を楽しんでいるケースが多い現状も、やはりオーディオ専門店としての責任を感じております。

だからこそ、我々がこのようなオーディオショウを10回20回と続けていくことに価値があるのではないかと思っております」

会場では、若い世代の来場者が熱心にメーカーのブースで質問している姿も見受けられ、このショウをきっかけに北陸から根強いオーディオファンがたくさん生まれることを予感させる取材となった。

以下、現地の様子をフォトレポートにてお届けする。


アキュフェーズとノアの共同ブースでは、アキュフェーズの1000シリーズやC-3900、A-300、そしてSonus faberのELECTA AMATOR IIIやBurmesterの216などを用いて、それぞれのブランドの軌跡が紹介された

アッカ、DELA、日本音響エンジニアリングの共同ブース。YG Acousticsの最新ブックシェルフスピーカーCAIRNやKrellのパワーアンプKSA-i400、そしてDELAのミュージックライブラリーN1-S38Jが北陸初登場。ルーム・チューニング製品AGSを用いて、暗幕を掛けた状態と取り除いた状態でその効果を検証するなど、盛りだくさんのブースとなった


D&Mのブースでは、DENONの超待望となるフラグシップAVアンプAVC-A1Hやマランツの新世代AVプリAV 10やパワーAMP 10を、B&W800D4シリーズや700S3シリーズと組み合わせたデモを実施。このハイエンドシステムにシアターファンも熱視線を送っていた

同じくD&Mブースでは、ペア約1800万円を誇るDALIの超弩級スピーカーKOREが北陸初登場となった


ヤマハのブースでは、新製品のスピーカーNS-2000Aのデモに加え、ヘッドホンYH-5000SEの試聴会も行われた

またヤマハブースでは、指揮者/オーケストラプロデューサーの奥村伸樹氏による「指揮者が語るオーケストラの楽しみ方」と題したスペシャル講演も実施された


ラックスマンブースでは、新開発の増幅帰還エンジン「LIFES」を搭載したL-509ZやL-507Zといった新世代のプリメインアンプが登場。また、オリジナルのトーンアームを搭載したレコードプレーヤーPD-191AやFOCALのスピーカーSopra N°2などを組み合わせていた

KEFブースでは、MATを搭載した新製品のR7 MetaやR3 MetaといったHiFiスピーカーや、オールインワンのハイエンド・ワイヤレススピーカーLS60 Wirelessが登場。ビギナーからベテランオーディオファンまで注目を集めていた


スフォルツァートとタイムロードによる共同ブースでは、Chario AudioのスピーカーPegasusやPathos AcousticsのプリメインアンプTwin Towersの組み合わせ。また、Architecturaの新しいスピーカーケーブルK2も登場した

スフォルツァートから登場の小型ストリーマーDST-Lacertaにも注目が集まった。ストリーミング再生コントロールソフトTaktinaからAmazon Musicでハイレゾのデモ再生も実施。Taktinaは、まもなくリリースとのこと


PDNとエミライの共同ブース。パラダイムのスピーカーPERSONA BとBenchmarkのアンプAHB2といったオーディオファンからも根強い人気を誇る組み合わせが実現

クリプトンとソニーによる共同ブース。ソニーのアンプやプレーヤーに、クリプトンのスピーカーKX-3SXを組み合わせてデモを行った。電源BOXにはクリプトンのハイクラスモデルPB-HR3000を使用


リンジャパンとフューレンコーディネートによる共同ブース。LINNのレコードプレーヤーSELEKT LP12SEやネットワークプレーヤー内蔵プリメインアンプDSM-EOA、OCTAVEの真空管プリメインアンプV110 SEやNuPrimeの9Xシリーズなど、デジタルからアナログまで目白押しのラインナップとなった

オルトフォンとメースによる共同ブース。オルトフォンから新登場した待望のトーンアームAS-212Rや309R、そしてダイヤモンド・カンチレバーを採用したMCカートリッジMC Diamondが登場。レコードプレーヤーにSolid Edition、スピーカーにHARBETHといった贅沢な組み合わせが実現した


シーエスフィールド、TAD、フェーズメーションの共同ブースでは、TADのスピーカーCE1TXとJODELICAのスピーカーケーブルとの相性の良さを紹介。仏リードソンのサーバーオーディオDACのORATORIOなどとも組み合わせた

フェーズメーションは、EA-2000やEA-1200といったフォノアンプや、パッシブアッテネーターのCM-2200を用意


オーエスプラスe、キクチ科学研究所、ソニー、JVCケンウッド、ヤマハによる大規模なシアター体験ブース。OS screenやStewartといったスクリーンに、VICTORやソニーのレーザープロジェクター、そしてヤマハのAVアンプという人気モデルの組み合わせでデモを行った

ハーマンインターナショナルのブースでは、JBLのハイグレードスピーカーPROJECT KS2 S9900から、スピーカー単体で再生できるネットワーク対応のアクティブ・スピーカー4305Pまで、多彩な音楽の楽しみ方を提案


完実電気のブースでは、DevialetのアンプExpert 220ProやSilent Angelの新ミュージックサーバーZ1 PlusなどにELACのスピーカーCONCENTRO S 503を組み合わせてデモを行った。また倉敷加工から発売したアクティブオーディオボードGRESIMも登場。振動制御技術で音を乱すすべての振動をシャットアウトする、という革新的なアイテムにオーディオファンも釘付けとなった

同じく完実電気のブースでは、MEZE AUDIOのELITEや109pro、さらにAUDEZEのMM-500といったヘッドホンファンから注目のアイテムも展示されていた


DS AUDIOからは、世界初のレコード偏心を検出して調整ができる革新的なスタビライザーES-001や、新発売となる同社初のフォノケーブルPH-001も展示されていた

サエクブースでは、電源ケーブルPL-9000やラインケーブルXLR-6000といったハイエンドモデルや、話題沸騰のグランドスタビライザーSGS-042などが展示されていた


ソウルノートのブースでは、パワーアンプM-3やプリアンプP-3、そしてZERO LINKシステムにYG Acousitcsの組み合わせで、多くのオーディオファンが熱視線を送っていた

同じくソウルノートブースでは、「ハイエンドの真髄とは何か?を語る」をテーマに、評論家の和田博巳氏による講演も実施された


エソテリックとトライオードの共同ブースではTannoyのCanterbury/GRにエソテリックの製品群を組み合わせてデモを行った

同じくエソテリックとトライオードの共同ブースでは、トライオードから100台限定の真空管プリメインアンプEVOLUTION 300 30th Anniversaryが登場し、注目を集めていた


スペックブースでは、アンプRPA-MG5STにクリプトンやYG Acousticsのスピーカーを組み合わせてデモを行った。また同ブースでは、チェリストの大塚幸穂氏による生演奏も実施され大きな盛り上がりをみせていた

販売コーナーでは、1万枚の中古LPレコードが販売されるなど賑わいをみせていた

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