音楽の喜びと連帯の気持ち

ベルリン・フィルの「ヨーロッパ・コンサート」が5月1日に無観客で実施。日本でもDCHから無料で視聴可能

公開日 2020/04/30 10:12 ファイルウェブオーディオ編集部・筑井真奈
  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団が毎年開催している「ヨーロッパ・コンサート」は、新型コロナウイルスの影響を受け内容を変更、5月1日にベルリン・フィルハーモニーで無観客で開催されることが決定した。またこのコンサートの模様は、同日日本時間の18時より、「デジタルコンサートホール」にて無料で配信される。


5月1日18時よりデジタル・コンサート・ホールで無料視聴可能
「ヨーロッパ・コンサート」は、1991年より毎年、欧州の歴史的なロケーションにおいて開催されてきた。今年はヨーロッパツアーの幕開けとしてテルアビブで計画され、ドイツ大統領のフランク・ヴァルター・シュタインマイヤーがイスラエル公式訪問の一環として臨席する予定だった。しかし、新型コロナウイルスの蔓延を受け、ツアーはキャンセルされた。

しかし、ベルリン・フィルは、ベルリン・ブランデンブルク放送と映像制作会社ユーロアーツの協力をえて、無観客での演奏会を決定。ただし、感染が防げる距離の規制および衛生上の条件を守るために、プログラムは室内アンサンブルによる作品に変更。シュタインマイヤー大統領も冒頭で短い挨拶を行う。

演目は以下の通り。
【演奏曲目】
ペルト:フラトレス
リゲティ:ラミフィカシオン
バーバー:弦楽器のためのアダージョ
マーラー:交響曲第4番(エルヴィン・シュタインによる室内アンサンブル版)
【演奏】
キリル・ペトレンコ(指揮)
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
クリスティアーネ・カルク(ソプラノ)

ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団インテンダント、アンドレア・ツィーチュマン、首席指揮者キリル・ペトレンコ、オー ケストラ代表は以下の共同コメントを発表している。
「この困難な状況において、ヨーロッパ・コンサートの開催が可能になったことを、関係者の皆様に深く感謝申し上げます。当演奏会は、これまでも“統合されたヨーロッパ”を記念して行われてきましたが、このメッセージは現在、さらに意味を増しているように思われます。世界の聴衆の皆様に、音楽の喜びと、我々の連帯の気持ちを感じとっていただけましたら、幸いです」

ベルリン・ブランデンブルク放送インテンダント、パトリツィア・シュレジンガーのコメント
「ベルリン・フィルのヨーロッパ・コンサートは、常に象徴的なメッセージを持ち、連帯をモットーとしてきました。現在ヨーロッパでは、自由を手放さなければならない状況が生まれていますが、我々は、ベルリン・フィルの音楽の力によって、再び統合されます。当演奏会を中継することは、ベルリン・ブランデンブルク放送にとって特別な喜びです」

この記事をシェアする

  • Twitter
  • FaceBook
  • LINE