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フォノイコライザーも

マランツ、HEOS搭載のネットワーク対応プリメイン「PM7000N」。ノイズ対策を徹底、電源部も大幅強化

編集部:成藤 正宣
2019年09月27日
マランツは、Hi-Fiプリメインアンプの新モデルとして、ネットワーク/ストリーミング再生機能を内蔵した「PM7000N」を、11月中旬より発売する。価格は120,000円(税抜)。

「PM7000N」

マランツのHi-Fi製品としてのサウンドクオリティを備えつつ、ワイヤレスオーディオ技術「HEOS」等のネットワーク再生機能を搭載したプリメインアンプ。話題のハイレゾ/ロスレス音楽ストリーミング「Amazon Music HD」をはじめ、Spotify/AWA/SOUNDCLOUDといった音楽ストリーミングに単体で対応。Amazon Alexa搭載デバイスからの音声コントロールも可能となっている。

マランツのHi-Fiプリメインアンプの中ではミドルクラスに位置づけられる

ハイレゾ/ロスレス音源配信「Amazon Music HD」の再生にも対応

また、Wi-Fi/Bluetooth(SBCコーデック)/AirPlay2といったワイヤレス接続にも対応するほか、LAN/USB-A/光デジタル入力2基/同軸デジタル入力端子も搭載。D/A変換回路は旭化成エレクトロニクスの「AK4490EQ」と独自の高速アンプモジュール「HDAM」「HDAM-SA2」の出力段で構成している。なお、従来モデル「PM7005」に搭載されていたPC接続でのUSB-DAC機能は省略されている。

ストリーミング、ネットワーク、Bluetooth等々、多様化した現代の音楽ソースの大部分を1台でカバーできる

ネットワーク再生機能を搭載した理由について、マランツの高山氏は「ミュージックソースが多様化したことにともない、ネットワーク再生対応のニーズが高まってきたため」と説明。また、アンプの買い替えやCDレスのHi-Fiシステムの構築を考えるユーザーが増加していることも要因に挙げた。

マランツ 高山氏

その一方で、ネットワーク/USB/Bluetoothなどのデジタル信号を扱う回路から発生する高周波ノイズがアナログ信号に悪影響を及ぼさぬよう、徹底した高周波ノイズコントロールが行われている点も大きな特徴となっている。

デジタル回路は音質劣化の原因となる高周波ノイズの発生源。ネットワークと高音質を両立するため、徹底的なノイズ対策が行われた

具体的には、デジタルオーディオ回路をシールドケースに封入して厳重に隔離し、電源ラインにはデジタル回路専用のスイッチング電源「オートターンオフSMPS」を搭載。デジタル回路からアナログ回路へのノイズ流入を抑制している。

加えて、電源ラインにデカップリングコンデンサーを採用することでノイズを除去しているほか、使用していないデジタル回路の電源供給自体を止めてしまう「OFFモードセッティング」機能も搭載。「ネットワークとUSB」「Wi-Fi」「Bluetooth」の3種類を個別にオン/オフする設定ができる。なお、デカップリングコンデンサーはマランツサウンドマネージャーの尾形氏が試聴を繰り返し、音質も含めて厳選したという。

デジタル回路はシールドケースに封入し、電源も分離

マランツのサウンドマネージャー・尾形氏が、音質とノイズ対策の両面からパーツ選定を行った

フルディスクリート構成のプリアンプ部も、ノイズ対策として可変ゲイン方式を採用している。これは一定の音量まではプリアンプのゲインをゼロに固定してパワーアンプでのみ増幅を行い、ノイズの増幅を最小限に抑えるというもの。一般家庭で常用されるボリュームレベルにおいて大きな効果があるという。

一般家庭で使われる程度の音量では、プリアンプのゲインは上がらない。結果として、ノイズの増幅が抑制できる

高山氏が「ノイズを外に出さない、仮に出てしまったとしても増幅させない」と表現するこれらの取り組みにより、ノイズレベルをPM7005から1/3に低減。S/Nにおいて11dBも改善した115dBを実現し、ネットワーク再生の利便性とHi-Fiクオリティの音質を両立した。

電源の強化により駆動力も向上。瞬時電流供給能力は1.45倍に

電源部やパワーアンプ部も、特に瞬間的な電源供給能力を大きく改良。パワーアンプと電源回路を一体化し、大電流を最短距離で届ける設計「ショート・パワーライン・レイアウト」をはじめ、高効率で振動と漏洩磁束の少ない大容量トロイダルトランス、上級モデルで培ったノウハウを活かした新開発のブロックコンデンサーや、LAPTパワートランジスタ、大電流ドライバートランジスタを採用した。

これにより、定格出力は60W+60W(8Ω)、瞬時電流供給能力はPM7005の約1.45倍となる32Aに達し、素早い立ち上がりや大きなエネルギーを必要とする低音の再現力、空間表現力が向上したという。

瞬間的な電流供給能力が従来モデルの約1.45倍となり、特に低音やスケール感の表現が向上したという

パワーアンプ回路は、HDAM-SA3を用いた電流帰還型のフルディスクリート構成で、ハイスピードかつ優れたチャンネルセパレーションを実現。ボリューム回路は、上位モデル「PM8006」と同様のデジタル式ボリュームで、チャンネル間のクロストークとギャングエラー、経年による音質劣化を抑制している。

従来モデル「PM7005」の内部。PM7000Nと比較すると、右側のネットワーク回路/左側の電源部が大きく異なる

3行表示の有機ELディスプレイが搭載された点も従来モデルとの大きな違い

また、J-FET入力を採用した低歪/低ノイズのMMフォノイコライザーも搭載している。信号経路はカップリングコンデンサーを無くしてシンプルにまとめ、電源ラインにはノイズを除去するリップルフィルターを配置、S/Nとヌケの良いサウンドに仕上げたとのこと。

新開発のMMフォノイコライザーも搭載する

ネットワーク/USB再生では、PCM 192kHz/24bit、DSD 5.6MHzまでの再生に対応。アナログ入力はRCA×3系統/フォノ×1、アナログ出力はRCA×1/サブウーファープリアウト×1/ヘッドホン×1を搭載する。フォノ端子の最大許容入力は80mV(1kHz)。

背面図

待機電力は通常時0.5W、「ネットワーク制御」機能オン時で4.8W。最大消費電力は220W。外形寸法は440W×125H×379Dmm(アンテナ除く)、質量約10.8kg。

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