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「レファレンス」を超える音を目指して設計

<HIGH END>プレイバックデザインズ、最新FPGA投入のフラグシップ「Dream」。DACとトランスポートを展開

オーディオ編集部:浅田陽介
2017年05月21日
PLAYBACK DESIGNS(プレイバックデザインズ)は、独ミュンヘンにて開催中のHIGH END 2017にて、同社の新たなフラグシップとなる「Dream DAC」と「Dream Transport」のプロトタイプを展示した。本機は今年4月に米シカゴで開催されたAXPONAでも先行展示され、大きな注目を集めたモデルとなる。

「Dream」という名前の由来は、リスナーへまだ聴いたことのないサウンド、つまりオーディオファイルにとっての“夢”の世界を提供するという想いから名付けられたもの。DoPフォーマットの策定などDSDの普及に大きく貢献してきたアンドレアス・コッチ氏が、そのキャリアで培った技術とセンスを存分に投入したモデルとなる。

Dreamシリーズでは新しいロゴが採用される

「Dreamは、レファレンスを大きく超えるサウンドを設計目標として、私とアナログ回路を担当するバート・ガーラックの集大成的なデジタルコンポーネントとして開発しました。私はこれまで30年以上に渡ってさまざまなデジタルプロダクトに関わってきましたが、Dreamはその経験で得たノウハウを投入した現時点で最高峰のデジタルシステムとなります」とアンドレアス・コッチ氏は語り、およそ2年にわたる長い開発期間を経てようやく完成間近までたどり着いたという。

■Dream DAC「MPD-8」

Dream DAC MPD-8

Dream DAC「MPD-8」は、これまで同社が培ってきたディスクリートDACに大幅なブラッシュアップと新技術を盛り込んだDACアーキテクチャーを採用したDAコンバーター。S/PDIFやAES/EBU、USBに加え後述のDream Transport「MPT-8」等との接続で使用するSTリンク入力を備え、最大で11.2MHz DSD、384kHz PCMに対応するなど、現時点での最高スペックへの対応を実現した。

USB端子は入出力を兼ねており、パソコン上へ再生中の音源を伝送してDSDやPCMファイルを作成することも可能。先に発売された「Merlot DAC」(関連ニュース)の発売時に用意されたウィンドウズ用レコーディングアプリケーション「SONOMA RECORDER」は、本機でも使用することができる。

Dream DACに搭載されるのは、最新バージョンのFPGA。オーディオ信号処理とクロック制御に使用する領域を拡張するために、全部で4つのFPGAを搭載している。また、アナログ回路もL/Rで完全に分離した完全バランス構造としたほか、リニアで構成された電源部もデジタル、アナログL/Rの3つの回路へそれぞれ独立して供給する仕組みを採用するなど、極めて贅沢な物量を投入して開発されている点も注目だ。

Dream DACのリア。USBやAES/EBU、S/PDIFに加え、STリンク端子も装備

また、同社はこれまでPLAYLINKと名付けられたSTリンク接続を採用するUSBインターフェース「USB-X」をラインナップしてきたが、Dream DACでは、これを別筐体とするか本体内部に組み込むかを選択できる仕様となる予定だという。

操作系スイッチは天板右手前に用意

まだまだプロトタイプとなるものの、価格は現時点で前身モデルの「MPD-5」より少し高額となる見込みだ。

■Dream Transport「MPT-8」

Dream Transport MPT-8

Dream Transport「MPT-8」は、SACD、CDといったディスクに加えて、同社のミュージックサーバー「Syrah Music Server」をオプションで内部に組み込むこともできるデジタルトランスポートだ。

注目は本体内部に同社のミュージックサーバーである「Syrah Music Server」をインストールするオプションを用意すること

ドライブメカニズムはDream Transportのために新規設計されたもので、出力はさまざまなデジタルプレーヤーと接続するためのAES/EBU出力のほか、Dream DACとの接続で使用するSTリンク端子によるPLAYLINKに対応。特に後者との接続では、Synah Music Serverが対応する11.2MHz DSDや384kHz PCMの音楽信号もそのまま伝送することが可能で、Dream Transportの真価を発揮することができる。

Dream Transportのリア。まだ変更が予定されているが、基本的な端子類はほぼ決定したとのこと

Dream TransportにSyrha Music Serverを組み込んだ場合はCDリッピングも可能となるが、その場合は内蔵ドライブメカではなく外付けのディスク・ドライブをUSBで接続して使用。HDDも2TBを内蔵することに加え、外付けのUSB HDDやネットワ―ク上のNASとの接続も可能など、ミュージックサーバーとしての基本性能はSyarh Music Serverと同様となる。また、同じくオプションでRoonへの対応や、TIDALに代表されるストリーミングサービスへの対応も可能だ。

操作系スイッチはDream DACと同様に本体天板右手前に用意

Dream Transportの価格はまだ未定となるが、従来機の「MPS-5」よりも価格はアップする見込み。Syrah Music Severを内蔵する場合は+5,000ドルを目処としてオプション対応する予定とのことである。

Dreamシリーズは、これまでのMPD-5、MPS-5の後継というよりは、以前限定で発売された「MPS-5 Limited」を踏襲したという色合いが濃い。MEMSクロックやPDFAS回路といった音質に関わるコアテクノロジーを、さらにブラッシュアップさせたのがDreamシリーズとみることもできる。

筐体カラーもMPS-5 Limitedで採用されたスペースグレイを基本として、オプションカラーも用意。現在2017年末の発売を目指し開発が進められているが、早くも世界最高峰のデジタルシステムとして、来場者から期待の声が挙がっている。

今回はオプションカラーも用意。会場では全部で3色のサンプルをみることができた

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