【特別企画】ネットワークブリッジ「PlayPoint」との組み合わせも

exaSound「e32」を聴く ー コンパクトボディにESS最新DACや独自USBオーディオ技術を凝縮

角田郁雄

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2017年02月20日
コンパクトな筐体に独自の技術を惜しみなく投入し、ハイレゾ再生の最前線を切り拓いてきたexaSound Audio Design。本記事では、同社の最新USB-DACであり、ESSの新世代DAC ES9028PROを搭載した「e32」を角田郁雄氏がレビューする。

exaSoundのUSB-DAC「e32」(写真左)。写真右は試聴時に組み合わせた同じくexaSoundの同社USB-DAC専用ネットワークブリッジ「PlayPoint」

私が雑誌の記事などを通じてハイレゾの推進を始めてから、今年はちょうど10年目にあたる。この間、デジタル再生の進化はめざましく、様々な新技術が登場した。この進化の流れの中で、フルサイズのハイエンドDACと音質的に肩を並べる、スモール・ハイエンドDACと呼ぶべき製品が登場してきた。

今回紹介するカナダのオーディオブランド exaSoundのUSB-DAC「e32」も、そのひとつといえるだろう。

現代の洗練されたライフスタイルを実践する方や、比較的若い世代にとっては、重厚長大な大型システムよりも、コンパクトでスタイリッシュなオーディオを好む傾向がある。優れたデザインを備えるスピーカーと、高品位なスモールアンプ・システムを基軸として、そこにサイズ感もぴったりなハイレゾDACを組み合わせる。私はこうしたスタイルも大好きだ。

ESS Technologyの最新DAC「ES9028PRO」を採用

e32の筐体は実にコンパクトだ。シンプルなシルバーケースにクローム仕上げの各種スイッチとヘッドホン端子を配置している。筐体中央のディスプレイには、選択中の入力や再生サンプリングレート、ボリュームを表示する。アルミ・ユニボディのMacBook Proと並べると絵になる。

exaSound「e32」。汎用DCアダプター付モデル(ESD-E32WP):439,000円(税抜)、専用DCアダプター付モデル/日本限定(ESD-E32WP):494,000円(税抜)

私が注目するのは、このコンパクトなケースにぎっしりと詰まった技術だ。e32は、USB再生でDXDとDSD256に対応する。音のコアとなるDACチップには、ESS Technologyの32bit DACチップ、ES9018Sの性能をさらに上回る最新世代「ES9028PRO」を搭載している。

ES9028PROは、ES9018Sの後継にあたるDACチップで、超弱音から0dBの最大強音までのダイナミックレンジ性能値は128dBを誇る。高調波歪みも極小でS/Nも良い。さらに、測定限界に限りなく近いところまで高めた静特性の追求から一歩先をいくアプローチとして、今回は動特性の改善に着目。ESS Technology社内で評価基準を新たに設定したうえで、動特性もES9018Sから向上させたこともポイントとなる。

このDACチップ内には8基のDACが内蔵されており、ステレオモードではこれを左右に各4個に分けて並列駆動する。これによりごく微細な変換誤差をもキャンセルし、変換精度(リニアリティ=直線性)を格段に向上させている。

高い周波数でオーバーサンプリングを行うデジタルフィルター、音質劣化極小のデジタルボリューム、高性能ジッター低減回路を搭載していることも、オーディオ再生におけるアドバンテージだ。

読者にお伝えしたいことは、この高性能なD/A変換特性をコンパクトなケースの中で最大限に引き出そうとしていることが、e32の内部に見てとれることだ。それは同社サイトで公開されている変換特性のデータにも現れているので、興味のある方はぜひ参照されたい。

コンパクトなケースにぎっしりと詰まった技術

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