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新製品が一挙に登場

【CES】TADブースのサウンドが劇的に向上した理由とは

山之内 正
2010年01月10日
ベネチアンホテルを会場にしたハイパフォーマンスオーディオの展示は昨年に比べてスペースを若干縮小しているが、参加者数自体はやや増えているように感じた。特に週末を迎えた8日から9日にかけては多くのオーディオファンが詰めかけ、エレベーターに乗るだけで15分待たされる混雑ぶりが続いた。

タワーの34階で例年通り広大なスイートルームを使って展示を行ったTADのサウンドは、今回私が聴いた数多くのブースのなかで、クオリティ面でのベスト3に挙げておきたい。あのReference Oneが伸び伸びと、しかも透明度の高いサウンドで鳴り切っており、これまでこの部屋で聴いた音に比べても抜けの良さが際立っている。音の違いが生まれた最大の理由は再生システムの変化にある。

今回のシステムには、年末に同社が導入したTAD-M600に加え、昨秋発表されたばかりのハイエンド・デジタルプレーヤー「TAD-D600」が出品され、そのパフォーマンスが披露された。TAD-CR1を含め、米国では新製品3機種が一気に公開されたことになる。

Reference OneとTAD-CR1が揃い、豪華な雰囲気が漂う。説明しているのはアンドリュー・ジョーンズ氏

TAD-M600は広大な試聴室のなかでも特別な存在感がある

TADのブースでは、デモンストレーションの企画&進行を受け持つアンドリュー・ジョーンズの意向もあり、例年はサーバーに保存した高音質マスター音源を使って再生することが多いのだが、今年はそれに加えてディスクメディアのポテンシャルを最大限に引き出した感があり、非常に興味深い。なお、サーバーのマスター音源(192kHz/24bitなど)はTAD-D600に入力してD/A変換を行い、プリアンプはVTLを使用している。

TAD-D600の本格的な公開は昨年の「音展」に引き続き、今回が2回目。もちろん米国では初公開である

今回聴いた再生ソースはチェスキーレコードのマスター音源のほか、中本マリのボーカルなどジャズ&フュージョン系が中心だが、いずれも楽器と声の音像がこれまで聴いたことがないような実在感を伴ってサウンドステージ上に立ち上がり、圧倒的なS/Nの良さと密度の高い空気感を伝えてきた。TAD-M600は弱音の音のたたずまいにハッとするようなリアリティがあるのだが、スペースに余裕のある試聴空間を得て、その真価を発揮したのであろう。

TAD-M600のシャーシを公開。重量は約35kg

TAD-D600に搭載された水晶発振器の基板。ずっしりと重い

TAD-D600に搭載されたクォーツ発振器の精度やピックアップの基本性能がこれまでとは別格といえるほど優れていることは聞いていたが、SACDはともかく、CDからもマスター音源に迫る実在感を引き出す実力は、既存メディアだからといって侮ることができないものだ。

今年はTAD以外のブースでもReference OneとTAD-CR1がリファレンススピーカーとして採用されている例があり、いずれも優れた再生音を聴かせていた。新興ブランドのConstellationのDr. Murali MurugasuはCR1を選んだ理由について、「音像がクリアで、目の前に見えるような実体感があることが理由です。私が聴いた小型スピーカーのベストサウンドです」と語っていた。なお、シングルエンド・モノラルパワーアンプなど同社のコンポーネント群はデザインと音の良さが際立っており、注目すべき存在である。

VTLブースのReference One

Constellation AudioブースのCR1

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