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AV機器の音質改善も視野に

「部屋を楽器に」 − ヤマハ、奥行き3cmと薄型の音場制御パネル技術を開発

Phile-web編集部
2009年07月22日
ヤマハ(株)サウンドテクノロジー開発センターは、小空間に特有の音響的課題を省スペースで解決可能な「音場制御パネル技術」を開発した。

新技術は、125Hz〜4000Hzまでの広い帯域でほぼ平坦な吸音特性が得られ、室内の音の響きを適度に抑える吸音性能と、音響障害を除去し質のよい響きを生む散乱性能を同時に備えているのが特徴。

音響制御パネル構造における吸音・散乱の模式図

また新技術を使うと音響制御パネルを3cmの薄さにすることが可能で、設置スペースを抑えることができる。

同社では応用範囲として、住宅の建築部材やオフィス、スタジオ用の音響調整パネルだけでなく、「将来的には楽器や音響機器などの音質改善にも応用可能」としている。また、本パネル技術の対外ライセンスについても今後検討していく。

「音場制御パネル」の基本要素は、音響共鳴管と硬い反射面の2つ。まず1本の管の片面の一部に開口部を開けることで、開口部の上下に長短2本の、2つの周波数で共鳴する音質共鳴管を作り出す。これを複数本組み合わせてパネル状に連結することで、外壁面が第二の要素である硬い反射面になる。

音響制御パネル技術の構造

代表的な吸音材と音場制御パネル構造の吸音率

この構造により、開口部から放射される音と硬いパネル面から反射される音の相互作用による散乱効果と、開口部での音のエネルギー消費による吸音効果を両立できる。さらに、それぞれの音響共鳴管の長さを適切に組み合わせることで、低音から高音まで、パネル全体で偏りのない吸音・散乱性能が得られるようチューニングできる。同社では、「『部屋』を『楽器』とみたてて、最適な音環境を作りだそうという発想」と説明している。

さらに、本技術の本質はその構造にあるため、素材の選択肢の自由度も高いとのことで、透明なアクリル板やスチールなどでパネルを構成することも可能という。

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