<岩井喬のハイエンド レポート>LANSCHEのハイエンドSP/英Tangent日本上陸/バラッド新SP

公開日 2007/10/07 15:04
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High-End Ltd.


ブースでは「No.4.1」のデモを実施
ひときわ目立つスピーカーのひとつとして独・LANSCHE AUDIOの「No.4.1」(ペア¥4,998,000)が上げられる。コロナ放電の原理を応用し、振動板が存在しない構造を持つCORONAプラズマ・イオン・トゥイーターを用いたハイエンド・3ウェイ方式のシステムである。中低域側は20cmミッドレンジユニットと、エンクロージャーの左右下部に搭載された25cmダブルウーファーによって構成される。ちなみに低域側は専用アンプを搭載したセミ・アクティブスタイルとなっており、ストレス感のない澄んだ高域サウンドをしっかり支えるパワー感を持っている。ホーンの奥に紫色の放電発光する光景を確認できるのだが、なかなか不思議な味わいのある風貌を持っている。

非常にクリアで澄んだ高域と制動の効いたしまりの良い低域、そして荒げたところを感じさせない静寂感が伴う音質は、いかにも高級感が漂うスピーカーシステムであると感じた。


ポーカロライン

設立から11年を数えるイギリスTangentのシステムラインナップが日本上陸を果たした。このTangentは非常にローコストでバランスの取れた製品ラインナップが魅力のメーカーであり、色鮮やかでコンパクトなスピーカーラインナップ「EVO」(1本¥37,800)をはじめ、上級機種の「Clarity」シリーズの2ウェイ3スピーカー採用トップモデル「Clarity 8」(ペア¥197,400)であってもペアで20万円を切るという、非常に低価格に抑えられたものとなっており、オーディオ入門者にお薦めできるスタイリッシュなスピーカーラインナップとなっている。


カラフルなEVOシリーズ

左よりEVO、Clarity 4、Clarity 8

リーズナブルなTangent製品ラインナップ
さらにこれらのスピーカーと組み合わされる「HiFi 50」システムのアンプやプレーヤーにおいても、非常にリーズナブルな価格設定になっており、アンプは「AMP-50」(¥52,500)、CDプレーヤーは「CD-50」(¥42,000)という、まさに入門機として最適なラインナップ構成となっている。

輸入販売を手がける同社は本システムが初めて取り扱うブランドという、スタートしたばかりの販社である。社名の由来は村山貞雄社長が敬愛する、アメリカの有名ロックバンドTOTOの中心メンバーであるポーカロ兄弟より取られているのだという。私も試聴盤として彼らのソフトを良く利用しているが、“音楽に寄り添った、ユーザーに優しいオーディオシステムの提案”を掲げる同社のスタイルをも表す素晴らしいネーミングであると思う。


バラッド


キャビネットの仕上げも美しいムジークME100、ME25
自社製品である「Ba803」、「604H-II」をはじめ、国内の録音・MAスタジオを中心に導入が高まっているmusikelectronic geithain(以下、ムジーク)のパッシブタイプ・スピーカーである「ME100」と「ME25」が展示されていた。

アクティブスピーカー「RL906」をパッシブ化した「ME100」は16cmウーファーと2.5cmドーム・トゥイーターによる同軸2ウェイスタイル。各スタジオでムジークのスピーカーが支持されている訳は、非常にしっかりした音像定位感と耳馴染みの良い滑らかな音質傾向にあるといえる。

その下位機種である「ME25」は12.5cmウーファーと2.5cmドーム型トゥイーターによる構成で、同軸方式ならではの正確な定位感と非常に穏やかで自然な響きが魅力のモデルとなっている。ともに最大音圧レベルは100dBオーバーというモデルなので、管球アンプとの組み合わせも魅力的ではないだろうか。

(岩井喬)

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