マランツ「CINEMA 70s SERIES 2」レビュー。評論家も「クラスの枠を超えた音質」と太鼓判
大橋伸太郎音質の良さ、機能の豊富さに加えて、マランツのAVレシーバーが他と違うのは、ユーザーのライフスタイルに寄り添っていく柔軟性である。
ラインナップの中心はマルチチャンネルパワーアンプ内蔵の “CINEMAシリーズ” だが、あえてサラウンドを求めないユーザーに向けてHDMI ARCHDMI搭載のステレオネットワークレシーバーがある。さらにHDMI ARCとBluetoothを搭載し映像もお任せの、ハイファイステレオアンプ「MODEL 70」という第三の選択肢がある。
他に例のない「垂直水平展開」がリーディングメーカーたるゆえんといっていい。しかしその中心はといえばマルチチャンネル・パワーアンプ一体型のCINEMAシリーズにつきる。その中の中核機種でベストセラーを続けているのが7ch一体型の「CINEMA 70s」だが、このたび改良が施され「SERIES 2」に発展した。
CINEMA 70sはマランツが先鞭を付けた薄型設計で、7ch一体型ながら高さが109mmに抑えられている。このスペースユーティリティが好感され、ユーザー層を広げることに成功、音質・機能とあいまってベストセラーを続けている。
更新する必要のない好調そのものの看板機種にあえて手を入れる攻めの姿勢に、マランツの技術への自信のほどがうかがえる。SERIES 2への発展で音質・機能のどこがどう変貌したのか、興味は尽きない。
「CINEMA 70s SERIES 2」は薄型ボディに上位機のアンプ技術を投入
内容面で注目されるのは、上級機「CINEMA 40」が採用したAB級リニアパワーアンプ回路の搭載である。これが背を押し、本機ならびに同時発表の「CINEMA 60 SERIES 2」が誕生したといっていい。
この回路形式はシンプルであるがゆえに安定した性能を得ることが難しいが、カレントミラー回路と定電流回路の組み合わせで性能の安定と高音質を得ている。スピーカーシステムを選ばない駆動力、ノイズと歪みの低減が長所で、パワーアンプ部はアナログディスクリート構成、100W/ch(6Ω、1kHz、THD 10%、1ch駆動)の出力ワッテージを持つ。
DAC部にシーラスロジックの電流出力型デバイスを採用する。電圧出力型と異なり、I/V変換回路を外部に配置するため、部品構成や定数をコントロールでき音質チューニングしやすいことが採用の理由だ。
電源部のブロックコンデンサーから小容量のコンデンサーまで同社サウンドマスター尾形好宣氏の試聴を経て選定した部品を採用し、筐体にはプレミアムキャビネットと高剛性シャーシを採用した。細かいところで、最上位機種で採用実績のある銅メッキビス等が奢られている。
機能面ではチャンネルレベル表示を採用したことに注目したい。現在どのチャンネル(スピーカー)が音声を出力中かを時々刻々と画面に表示する楽しい機能。ゲーミング時の1440pパススルーとモニターのリフレッシュレートを自動調整するFreeSync搭載もゲームユーザーに朗報だろう。