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公開日 2025/08/27 06:30
価格もお手頃になった、VGP2025 SUMMER受賞ワイヤレスイヤホン

“ノイズキャンセリング特化イヤホン”のお手並み拝見!「EarFun Air Pro 4i」実力チェック

鴻池賢三

コストパフォーマンスの高さが好評のブランドEarFun。手に届き易い価格を意識しつつ、先進的な機能の搭載や音質および外観の高品位化なども注目に値する。オーディオ・ビジュアルのアワード「VGP」でも部門金賞受賞のみならず、コスパ大賞も受賞するなど存在感を増している。


今回紹介する「EarFun Air Pro 4i」は、昨年に発売され「VGP2025」ではコスパ大賞など高い評価を受けている「EarFun Air Pro 4」のコンセプトを踏襲し、主にノイズキャンセリング機能を強化したというモデル。一方でハイレゾ対応BluetoothコーデックをLDACに絞るなどして価格も抑えているのがポイントだ。この記事では、Air Pro 4との比較を交えつつ、Air Pro 4iの実力と魅力を探る。



「EarFun Air Pro 4i」ブラック(予想実売価格:税込7,990円前後)


 


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“ノイズキャンセリング特化” のために各部を改良


新モデルAir Pro 4iは、ベースモデルAir Pro 4とどこが違うのか? スペックを整理しつつ製品の特徴を見ていこう。



右が今回取り上げる「EarFun Air Pro 4i」、左がそのベースモデル「EarFun Air Pro 4」(9,990円/税込)


最大のトピックはノイズキャンセリング機能の強化。イヤホンを選ぶ際に気になるスペックや機能はたくさんあるが、大多数のユーザーにとって最大の関心事は「ノイズキャンセリング性能」ではないだろうか。


今や標準機能とも言えるノイズキャンセリング機能だが、一口にノイズキャンセリングと言っても、実のところその性能や使用感は千差万別。技術の進化も速い領域なので、価格帯やグレードに惑わされることなく、実力を見極めたい。


Air Pro 4iは同社が独自に開発してアップグレードを重ね、Air Pro 4でも採用している高度な環境適応機能も利用可能なハイブリッドアクティブノイズキャンセリング機能「QuietSmart 3.0」をさらに改良。デジタルフィルターを各周波数帯域に最適化することで、主に中低域のキャンセリング性能を向上。より幅広い騒音タイプに対応できるという。


また、耳内部の音をひろう「フィードバックマイク」をより鼓膜に近い位置に移し、ノイズの検知精度を高め処理精度も向上。ハウジングの通気孔位置の調整による遮音性向上、専用設計のイヤーピースによる密閉性向上など、細部のブラッシュアップも見逃せない。







ハウジングに開けた通気孔の位置やノズル形状の変更などにより、イヤホン自体の遮音性/装着性を向上。アクティブノイズキャンセリングの効果をさらに引き上げている。イヤーピースも、内側と外側で硬さが異なる専用設計で密閉性が高い


音質関連では、11mmダイナミックドライバーを搭載しこれはAir Pro 4よりもひと回り大きいもの。振動板は複合素材にチタンコーティングを施して、深みのある低音とシャープな高音の両立を図っている。



Air Pro 4iでは、ベースモデルよりもひと回り大きなダイナミックドライバーを搭載。さらに振動板にはチタンコーティングを施し、低音と高音の両方を強化した


BluetoothコーデックはLDAC/AAC/SBCをサポート。クアルコムのaptX系が非対応になったが、低価格重視の割り切りと考えられる。ほか、Air Pro 4には無かった独自の「3Dオーディオ機能」が新しい。







充電ケースのサイズ感はAir Pro 4とほぼ同じだが、寸法やバッテリー残量インジケーターなどが変更されている


 


低音に一段と効くノイズキャンセリング。効き目の “自然さ” もポイント


さらに進化したというノイズキャンセリング性能を検証するため、大型スピーカーで各種騒音を疑似的に鳴らして試した。


明らかに違いを感じたのは、超低域でのノイズキャンセリング性能。実験的に60Hzのサイン波を使用すると、Air Pro 4ではキャンセルが追い付かずに少し漏れ聞こえてしまう状況で、Air Pro 4iはほぼ無音と好成績。


日常生活では、空調や列車のモーターの唸り音、バスのエンジン音など、聴感として耳障りに感じずとも、疲れに繋がる騒音の軽減が期待できる。この性能は航空機内で特に大きな違いとなって現れるはずで、出張や旅行にも強い味方になりそうだ。


この低域のキャンセリング性能向上には、フィルターの最適化もさることながら、基本として11mmダイナミックドライバーによる低域再生能力や楕円型ノズルおよびイヤーチップによる密閉性の向上も寄与しているようだ。



楕円形になったAir Pro 4iのノズル。ここにフィードバックマイクを配置し、より鼓膜に近い位置でノイズを検出できるようにしている


また特筆すべきはノイズキャンセリング動作時に違和感を覚えないこと。初めて装着した時は、音楽も含め聴こえ方や感覚があまりにも自然で、ノイズキャンセリングが働いていると思わなかった程だった。絶対的な性能の向上のみならず、ナチュラルさも考慮されていて、完成度が非常に高く感じた。


 


大口径ドライバーが生み出す余裕ある低音。音質も “廉価版” では収まらない


音質はLDACとAAC接続で確認した。クオリティの面ではLDACに期待がかかるが、ユーザーの利用シーンを考えると、iPhoneとの組み合わせが少なくないと思われるためだ。


まずはAAC接続。一聴してキレイと思える高音質。歪が低く抑えられ、耳触りの良さが好印象だ。鏡面状態に磨き上げた金属の表面のように、少しツルツルとした印象があるものの、澄んだ艶やかさが魅力的。


Lady Gagaの「Always Remember Us This Way」は静かな演奏を背景にボーカルが浮かび上がり、エッジボイスが際立って情感をより豊かに。余韻の透明度と消え際までスムーズな音量の変化から空間の広さも感じ取れる。これにはアクティブノイズキャンセリング効果も寄与していて、トータルで上質な音楽体験ができた。





LDAC接続も同曲で確認。同じイヤホンとは思えない圧倒的なリアルさに驚かずにはいられない。AACの音質も充分に楽しめる高音質だが、LDAC接続はただただリアルで感情を揺さぶられる。


分析的に聴くとボーカルは密度が高くハスキーな歌声を粒立ち良く再現。抑揚表現のダイナミックさと併て鳥肌の立つような領域に達している。ピアノは低域弦の堂々とした鳴りっぷりが印象的で、音楽性の高さはLDACならではと思えるもの。


音調としては、Air Pro 4と比べると低域の量感を抑えて質感が露わで、11mmという大口径のチタンコーティング複合ダイナミックドライバーによる余裕とチューニングの最適化が功を奏しているように思える。「LDAC」や「ハイレゾ」というスペック対応のみならず、トータルで高品位な音楽体験ができた。


本機はAir Pro 4と比較すると、Snapdragon SoundおよびaptX系コーデックに対応せず価格設定からも廉価版の印象を受ける。しかし、密閉性の向上を含めたノイズキャンセリング性能の向上は新モデルの特権と言え、音質もチューニングもより洗練度が増した印象。スペックに囚われず実利を取るなら、Air Pro 4以上にコストパフォーマンスの高い選択に感じた。



単なる “人気モデルの廉価版” ではなく、強化したノイズキャンセリング性能を軸にチューニングを最適化している。“ノイズキャンセリング特化” を名乗るだけある仕上がりだ


6マイクとAI機能による通話ノイズキャンセリング機能やケースのワイヤレス充電対応など実用性の高い機能も搭載。3Dオーディオも音場の広がりと音色の自然さのバランスが良く実用的。他社の同格製品と比べると価格面でのアドバンテージは明らかで、外観の美しさもプラス。音の良いイヤホンを探しているという入門者から、クオリティに厳しいユーザーまでお薦めできる優秀モデルだ。




(協力:EarFun)


 

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