BLUESOUND、3chアンプ搭載ネットワークプレーヤー「POWERNODE」。テレビとも連携可能
ファイルウェブオーディオ編集部・筑井真奈(株)PDNは、同社が取り扱うカナダ・BLUESOUNDブランドより、3chアンプ内蔵・HDMI eARC搭載のネットワークプレーヤー「POWERNODE」(N331)を2026年1月より発売する。価格はオープンだが、税込220,000円前後での実売が予想される。ホワイトとブラックの2色展開となる。
これまでステレオ(2ch)アンプのみ搭載だった「POWERNODE」(N330)を、センターチャンネルも追加できる3chアンプ構成とするとともに、GaNトランジスタと独自のDirect Digitalアンプによる最新アンプ技術を搭載する。ステレオモードで100W×2、3chモードでは80W×3の出力を実現。
サイズは前作と共通。THXによるヘッドホンアンプも搭載するが、フロントのジャックは前作の3.5mmから6.3mmに変更。またUSB Type-C端子が新たに追加され、USB-DACとしても使用できるようになった。
これまでのシリーズ同様、独自のBluOSを搭載しており、Qobuz、Amazon Musicなどの各種ストリーミングサービスに対応する。AirPlay2にも対応するほか、Roon Readyとしても活用できる。また後日アップデートとなるがDirac Liveによるルーム補正にも対応する。
またBLUESOUND製品同士の「グループ化」機能を活用することで、5.1chなどサラウンド環境の構築も可能となっている。加えて「ステレオサラウンド」というモードも搭載しており、通常のステレオ音源をアップミックスしてサラウンド再生として楽しむこともできる。
型番としては共通のため、前作「POWERNODE」(N330)とは、N以下の番号によって区別する。なお、ステレオアンプ搭載モデルのN330も併売となる。
センタースピーカーの投入でセリフがより明瞭に
今回はテレビと連携したリビングオーディオを想定したシステムで、パラダイムのスピーカーを2ch(ステレオ)、3ch(ステレオ+センター)、5ch(ステレオ+センター+リア)の3パターンで体験した。
音源はテレビに内蔵されるYouTubeやAmazon Primeのアプリから再生。パラダイムの「MONITOR SE 6000F」をフロントに、センターには「MONITOR SE 2000C」、サラウンドにはフロントより一回り小さい「MONITOR 3000F」。フロント3ch分を新型「POWERNODE」にて駆動、リアの2ch分は以前の「POWERNODE」にて駆動している。
Amazon Primeにて、『トップガン・マーヴェリック』を視聴。手に汗握る4機の戦闘機による敵地侵入のシーン、3ch再生にするとステレオよりもセリフの声が聴こえやすく、緊迫した雰囲気をまざまざと伝えてくれる。
さらに「グループ化」を活用して5ch再生とすると、戦闘機のスピード感のある動きやミサイルの飛び交うさまがありありと感じ取れる。やはり音にこだわった良質なサラウンドコンテンツは、しっかりその環境を用意して楽しみたいものだと再確認。
リア側のスピーカーは今回はアンプ+パッシブスピーカーとしているが、BLUESOUNDの「Pulse」などのアクティブスピーカーを組み合わせることもできる。小型アクティブスピーカーならば設置も容易で結線も最低限ですむ。普段はBluetoothスピーカーとして、イザ映画を楽しむぞ、というときはリアスピーカーとして接続する、といった使いこなしもできそうだ。
最後に、担当スタッフは「普通のステレオ音源をサラウンド化できる“ステレオサラウンド”モードもおすすめです!」と教えてくれた。アプリ側でオンオフが可能で、いわゆるステレオからサラウンドへのアップミックス。過去にもそういったアップミックス音源を何度か試したことはあるが、わざとらしい背後への回り込みに疑問符がつくことも少なくなかった。
半信半疑のまま、おすすめだというモーニング娘。の「LOVEマシーン」をYoutubeで聞くと…これが意外や面白い!アイドル楽曲はメインボーカルに対して、他のメンバーがコーラスで盛り上げる、ということがよくあるが、このBLUESOUNDのサラウンドで聴くと、コーラスが自然に後ろ側に回り、まるで娘。たちの世界に飛び込んだよう!「fu-fu-fu-fu-」と思わず踊り出したくなる。
担当者も、「このレーベルの楽曲はサラウンドで聞いてもとっても面白い録音がされているんです!」と大プッシュ。この機能は、BLUESOUNDのグループブランドであるNADの技術も採用されているそうで、Youtubeで聴き慣れた楽曲から、新しい発見が得られるのは新鮮だ。
クイーンの「ボヘミアン・ラプソディ」も、楽器の掛け合いやコーラスの広がり感がよく見えてくる。BLUESOUNDの“ステレオサラウンド機能”、侮りがたしである。
ステレオにセンタースピーカーを追加する、という提案のはこれまであまり話題になることも少なかったが、特に冬場は暖房器具のノイズがうるさく、ニュースでのアナウンサーの声が聞こえづらいこともある。センターを入れることで、声の定位感や明瞭さがアップする、といったメリットもあるだろう。
スピーカーメーカーの多くはセンタースピーカーを用意していることも多い。大掛かりなAVアンプ+5.1chといった多チャンネルではなくても、フロントだけの3chは場所も取らずにコンパクトに設計できるし、将来的にリアを追加してアップグレードすることもできる。
新型POWERNODEは、ステレオ2chにセンタースピーカーを追加するという新しい提案で、リビングオーディオに新たな風を吹き込んでくれそうだ。