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公開日 2025/09/09 06:30
麻倉怜士氏がナビゲート

ネットワークアクセサリーは映像にも効く!アバック新宿での体験視聴イベントを徹底レポート

筑井真奈

映像コンテンツをもっと深く楽しむアクセサリー


ストリーミングサービスの音質向上に効くとして、ハブや光アイソレーターといった周辺アクセサリーが大ヒットを飛ばしている。音質に効くならば、Netflixなどの映像ストリーミングサービスの画質にも効くのではないか…そんな体験視聴イベントが、8月23日(土)に新宿のアバックで開催された。



アバック新宿にてアクセサリーによる画質・音質のクオリティアップ体験イベントが開催


今回は麻倉怜士氏がナビゲーターとなり、香港のEdiscreation(エディスクリエーション)と、アメリカのincrecable(インクレケーブル)の2ブランドのアクセサリーをテスト。エディスクリエーションのハブ&光アイソレーターも、インクレケーブルの「iEARTH」も、いずれも麻倉氏の自宅に導入されているもの。実際に効果を深く納得している麻倉氏だからこそ、講演にも熱が入る。今回は13時からと15時半からの2部構成で、どちらも満席状態。さまざまな比較試聴/視聴が行われた。



ナビゲーターの麻倉怜士氏


会場はアバック新宿の奥にあるホームシアタールームで、プロジェクターはビクターのトップモデル「DLA-V900R」、スクリーンはスチュワート製の140インチ。ストリーミングデバイスにはApple TV、AVアンプにはデノンの「AVC-AH1」、スピーカーはBowers&Wilkinsで、映像と音のクオリティアップを検証した。


まずはエディスクリエーションからスタート。エディスクリエーションは、エンジニアであるエディソン・ウォン氏が2014年に立ち上げた新興ブランドで、同社のスイッチングハブ「SILENT SWITCH」は、日本市場ですでに1,000台超えと驚きの大ヒットモデルとなっているそうだ。



エディスクリエーションの光アイソレーター「FIBERBOX」(左)とネットワークハブ「SILENT SWITCH OCXO」(右)。いずれも日本限定モデルとなっている


画質のチェックには、ブラッド・ピット&マリオン・コティヤールによる『マリアンヌ』を使用。2人が最初に出会うカサブランカでのシーンをもとに比較を行った。麻倉氏は画質のチェックポイントとして、街頭のライトのピークや、手前にある白い車へのライトの映り込み、ナチスドイツの将校の黒い服のシワや、シャンデリアの煌めきやガラスの装飾など、違いの分かりやすい「見どころ」を解説。


実際それらのチェックポイントを意識しながら視聴すると、スイッチングハブ「SILENT SWITCH OCXO」を追加するとノイズ感が下がり、コントラストが明瞭になってくるのが一目で見て取れる。


ハブの効果に驚いたところで、続けて光アイソレーター「FIBERBOX」を追加すると、さらに光のコントラストが鮮明に。画質はもちろん、エンジン音やささやき声など、音のクオリティも高まってくる。追加するごとに明瞭度があがり、迫真に迫る映像コンテンツとして作り込まれていることが改めてよく見える。


 


「装着してすぐに効果が分かる」iEARTHの魅力と使いこなし


後半ではインクレケーブルの「iEARTH」をフィーチャー。日本市場には今年はじめて紹介されたが、2002年創業と実は歴史の長いブランド。第一弾製品として「iEARTH」というノイズフィルターから導入されている。



インクレケーブルの「iEARH」。土台の上に2つの箱が装着されており、それらがケーブルで繋がっているというちょっとおもしろい構造


他社のノイズフィルターは「どこに挿しても良い」ものが多いが、このiEARTHは、LAN用、Coaxial用、HDMI用、スピーカー用など、端子に応じて専用設計されていることが大きな特徴となる。「それぞれ流れる電流が違うので、専用設計することには合理的な理由があります」と麻倉氏。なお、アースという名前がつけられているが、日本で流行りの「仮想アース」製品ではないことに注意が必要だ(ちなみに英語圏で日本語のアースに当たるものは、“グラウンド”と言われる)。



iEARTHは全部で6種類用意。HDMI、Coaxial、LAN、RCAアナログ、フォノ、スピーカー用となっており、それぞれ上のボックスの色で区別される。専用ケーブルつきで165,000円(1台・税込)


電源への接続は不要だが、輸入元のタクトシュトック・庵 吾朗氏によると「iEARTHは、部屋の中に設置することで得られる静電気や振動から、微弱な電気を起こして作用するアクティブ製品です」とのこと。中身はブラックボックスで公開されていないところも多いが、上部の2つの箱の中に、独自のフィルター技術が詰め込まれているのだろう。


今回はマグネターのユニバーサルプレーヤー「UDP900」とデノンのAVアンプ「AVC-AH1」に、HDMI用やCoaxial用、LAN用をひとつ、あるいは複数繋いでさまざまに聴き比べを実施した。



デノンのAVアンプ「AVC-AH1」に、Coaxialバージョンの「Grey iEARTH」を載せたところ


iEARTHを追加した際の音質向上のポイントについては、麻倉氏の自宅でいろいろ検証したレポートも掲載しているのでこちらも合わせてチェックして欲しいが、情家みえの「チーク・トゥ・チーク」では、ヴェールが剥がれ、声の質感がよりリッチに艶やかになっていくのはまさに眼福、ならぬ耳福。


映画『マリアンヌ』についても、前半と同様カサブランカのシーンで比較視聴。HDMI&Coaxial&LANの3種類を全部投入した場合では、シャンデリアのガラス模様の精緻さに、会場からは思わず「おぉ」と感嘆の声が上がるほど。



会場からは、「効果の程は分かったし、複数使用で効果が増すことも納得だけれど、まずはひとつ試したい場合はどうしたらいいの?」という質問も飛び出してきた。庵さんは、ご自宅の視聴環境にもよるので唯一の正解はない、と前置きしつつ、「意外と(?)Coaxialモデルがオススメです」とプッシュする。


Coaxial端子は搭載される機器が多い上に、空いている場合も多い。「Coaxialモデルならば、自宅でいろいろ挿し替えてベストな環境を探る楽しみもありますね」。HDMIやLANは専用端子となってしまうが、これらは音質と画質の両方に効くので一石二鳥と言えるかも。



マグネターのユニバーサルプレーヤー「UDP900」とHDMIタイプの「Black iEARTH」




LANバージョンの「Blue iEARTH」とHDMIバージョンの「Black iEARTH」の同時使用も効果的!


多彩な使いこなしができるインクレケーブルのiEARTH、「装着してすぐに効果がわかるというのも良いですね」と、一緒に違いを体験していた麻倉氏も改めて納得した様子。自宅のどこにどう入れれば効果がありそうか、想像する楽しみも広がる。


イベント当日にiEARTHを早速注文されていた方もいたようで、気鋭のアクセサリーブランド、エディスクリエーションに続くヒットモデルに成長しそうな予感である。

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