公開日 2026/05/12 06:30

ネットワークオーディオはスマホやタブレットからの操作が基本。アプリの使い勝手が再生の鍵となる

音楽ファンの目線で設計されているかが重要

アプリの操作性で音楽体験が変わる

ネットワークプレーヤーはサイズや形状のバリエーションが豊富だ。本体に操作ボタンやディスプレイが見当たらないプレーヤーもあり、オーディオ機器らしくないデザインのモデルも珍しくない。

ネットワークプレーヤーは、基本スマートフォンもしくはタブレットのアプリ操作から行う。専用リモコンが同梱される場合もあるが、基本的にはアプリの使用が前提となっている

そこまでシンプルでも普通に使えるのはもちろん理由がある。スマホやタブレットで選曲などすべての機能をリモート操作できるので、本体に操作部がなくてもなにも困らないのだ。

本体の操作が不要ということは、手元の操作端末で動くアプリが日々の使い勝手を決定的に左右することを意味する。意のままに使いこなせるアプリは音楽を自由に聴く楽しみをもたらす一方、使いにくいアプリは操作のたびにストレスが重なる。たまにしか使わないならともかく、毎日音楽を聴くならアプリの使いやすさにとことんこだわるべきなのだ。

こだわると言っても、そもそもアプリを自由に選ぶことはできるのか?ネットワークプレーヤーの大半は専用または推奨のアプリを用意しており、それを使うのが基本となる。

LINNとLUMINはアプリの操作性が優秀

プレーヤーのメーカーが提供するアプリのなかではリンが提供するLINNアプリの使い勝手が優れている。

基本的にはリンの製品との組み合わせで本領を発揮する設計で、お気に入りアーティストやアルバムを登録済みアカウントに紐付けて保存したり、複数のストリーミングサービスとローカルサーバーを横断して検索結果を一覧表示するなど、シンプルなレイアウトながら他のプレーヤーとアプリでは真似できない豊富な機能を活用できる。

LINNアプリは他社のネットワークプレーヤーやローカルサーバーなど、LINN以外の製品でも利用できる場合がある(OpenHome対応機種)。たとえばUSB-DACにつないだDELAのサーバーを認識させると、サーバー内に保存した音源だけでなく、LINNアプリからQobuzにログインし、ストリーミング再生を楽しめるようになる。

新たにネットワークプレーヤーを購入しなくても快適にQobuzのライブラリーをフル活用できるので、DELAのユーザーならすぐにでも試してみることをお薦めしたい。

LUMINなど、プレーヤーメーカーが提供するアプリの一部はDLNA対応の他社製品を認識し、一部の機能が利用できる場合があるが、基本的にはメーカー保証外で、安定した動作も期待できない。たまたま使えたという例はあるが、継続して使い続ける用途にはお薦めできない。

それ以外のメーカー製アプリは基本的に自社製品向けの使用となっていることがほとんどだ。

◇

自社製品との組み合わせで最良の操作感を実現できているのであれば、何の問題もないのだが、実際はそうとは思えない場合もある。

具体例を指摘するのは控えるが、アプリの完成度の低さで損をしている例は少なくない。ソフトウェアの完成度に課題を抱えるメーカーはいまだに存在するのだ。

UPnP対応プレーヤーに活用できるmconnect player

製品固有の機能は専用アプリでなければ設定できない。だが、音楽再生に絞れば、それ以外の選択肢がないわけではない。

Qobuzなどストリーミングを聴けるサードパーティのアプリとしてmconnect playerがよく知られている。「UPnPに対応したネットワークプレーヤー」に対して使用できるもので、汎用性が高く、使い勝手も良好。画面は必要な情報に絞りながらコンテンツの一覧性は高く、バランスが良い設計が光る。

「mconnect Player HD」(iPad)の操作画面。ここではティアックの「UD-701N」を操作している

プレーヤーの設定変更などはできないが、対応モデルの場合はボリュームをアプリ上からコントロールできるので、普段の操作はmconnect playerだけでほぼ完結してしまう。

プレーヤーの専用アプリがいまひとつ使いにくいと感じているなら、あえてmconnect playerに切り替えるのもありだと思う。お薦めは広告が入らない有料版で、スマホ用のmconnect playerとタブレット用のmconnect player HDがあり、iOSとAndroidそれぞれのアプリを提供している。(2026年5月時点の価格は、iOS版は1,000円、Android版は1,040円)

優れたアプリは音楽ファンが何を望んでいるのか、よく理解して操作体系を設計していることに気付く。こんなことができれば良いと思われる機能はきめ細かくアップデートして完成度を高める一方で、煩雑と思われる機能は大胆に削ぎ落とす。

音楽ファンの目線で設計されているかどうかを見極めることが優れたアプリを選ぶ秘訣だ。

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