公開日 2020/04/20 12:00

ネットオーディオを楽しむためのシステムプラン − 基本概念と接続方法を徹底解説

「プレーヤー」「サーバー」「コントローラー」
NetAudio編集部
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【システムプランそのC】ミュージックサーバーを活用する

サーバーとプレーヤーを一体化し、よりシンプルなシステムを設計できるのがミュージックサーバーの魅力である。システムプランも以下の通りで非常に分かりやすい。


2014年に発売になったソニーの「HAP-Z1ES」は、HDDドライブを内蔵、フロントディスプレイを搭載、専用アプリで操作可能という点など、ネットワーク再生の煩雑さやPCオーディオの設定の難解さを省き、直感的に操作できるモデルとして現在もロングセラーを続けている。

その他に、ミュージックサーバーとして国内で存在感を放つのはCOCKTAIL AUDIOである。CDドライブを搭載していることでCD再生も可能で、Spotify等のストリーミングサービスとも連携できる。CD、ハイレゾ、ストリーミングといま話題のネットオーディオを、ワンボディで完結できるため、特に初心者にお薦めできる製品といえよう。

【システムプランそのC-a ストリーマーを活用する】
SpotifyやAmazon music HDといったストリーミングサービスは、いまや世界中の音楽ファンのライフスタイルを変革しようとしている。ストリーミングサービスを活用すれば、これまでのようにタグ管理やライブラリの構築といった手間をかけることなく、ネットオーディオの豊かな世界を楽しむことができる。


ストリーミングサービスの弱点があるとすると、聴きたい音楽が配信されていない場合も少なくないことや、サービス供給サイドやアーティストの都合で、ある日突然音楽を聴くことができなくなる可能性があることなどがあげられる。そういった不安をなくすためにも、手元のライブラリとの上手な連携が必要とされるだろう。

ストリーミングサービスにおいては、ここまで「音源の保管BOX」と考えていた「サーバー」が、ローカルではなく「クラウド」上に存在するということになる。

Spotify Connectを搭載したモデルであれば、Spotifyのサービスに含まれる音楽は、そのままストリーマーを通して試聴することができる。音質面でもBluetooth接続よりも有利で、スマートフォンなどのその他の操作音声などが誤って再生されることもなく、音楽に没入することができるだろう。SONOSはApple musicにも対応、BluesoundはAmazon music HDにも対応するなど、ハードウェアによって対応するストリーミングサービスは異なる。こちらは今後対応するサービスが増えていくことが期待できる。


これ以外にも、ネットオーディオを楽しむためのプランはいくつか存在する。簡単に紹介しよう。

【DAP・ポタアンを活用する】




デジタルファイル再生に対応したポータブルのDAP(デジタル・オーディオ・プレーヤー)はここ数年発展目覚ましいジャンルの一つである。ハイレゾ音源にも対応、ヘッドホンやイヤホンでの高音質再生の楽しみは、若年層を中心にオーディオの楽しみ方を広げてきている。

ASTELL & KERNは高価格帯のDAPの市場を開拓した重要なブランドであるし、FiiOやiBasso audio、国産ではONKYOなどがDAPを次々に市場に投入している。さらに、最新のソニーのウォークマンはAndroidを搭載、「ストリーミングウォークマン」としてストリーミングサービスとの連携を謳うものも登場してきている。ネットオーディオをまずは楽しみたい、と考えた時に、DAPの導入は大きなステップということができるだろう。

手持ちのスマートフォンをグレードアップするための「ポタアン」を導入するというプランもある。Xperiaなど単体でハイレゾ再生ができる端末も増えているが、より幅広いフォーマットに対応できる「ポータブルアンプ」を導入することで、音質の追求が楽しめるようになる。

「ポタアン」には大きく分けてDACを内蔵しているもの、アンプ機能に特化したものがあり、DACを搭載しているものは端末からデジタル出力することでハイスペック音源もそのままのクオリティで再生できるものが多い。iOS端末はそのままではハイスペック音源の再生に対応できないが(ダウングレードされて再生されてしまう)、「HFPlayer」や「iAudioGate」など有料アプリを購入することで、ハイレゾ再生も可能になる。

また、ヘッドホン出力は「バランス駆動」と「シングルエンド駆動」などの違いがあり、対応するケーブルもそれぞれ異なってくる。リケーブルやアクセサリーの楽しみなど、周辺機器によるグレードアップも熱いジャンルになっている。


【ネットワーク連携したスピーカーを活用する】
いまやネットワーク機能は、スピーカーそのもののなかにも取り入れられ、プレーヤーもDACもアンプも一体化した「ネットワークスピーカー」も登場してきている。スピーカーをLANケーブルでルーターとつなぎ、電源ケーブルを接続するだけでセットアップ完了! という極めて現代的なシステムである。

LINNの「Series 3」は、スピーカー筐体内にDSMを搭載しており、ネットワークプレーヤーの機能がまるごとスピーカー本体に搭載されている。KEFの「LSX」もWi-Fiを搭載しており、スマートフォンをリモコンとすることで利便性と音質を両立した音楽再生が実現できる。アクティブ・ワイヤレススピーカーで楽しむネットオーディオは、未来のひとつの可能性として期待ができるだろう。


ここまで、ネットオーディオを楽しむためのさまざまなシステムプランを紹介してきた。一口にネットオーディオといっても、さまざまなプランが可能であることが分かっていただければと思う。どのように接続方法が複雑に見えても、「音源のありか(=サーバー)」と「再生を担う部分(=プレーヤー)」がどのオーディオ機器に対応しているかをつかめれば、理解はそれほど難しくはない。

すでに持っているアンプやDACなどを生かし、最低限の出費でシステムを構築することもできるだろう。しかし、あくまで最終的な目的は「音楽」を自由に楽しむことである。聴きたい音楽や求める音質にあわせて機器を選定し、ネットオーディオの世界を楽しんで欲しい。

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