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公開日 2019/01/30 06:00

アップルがヘッドホンに参入、そのとき考えられるいくつかのシナリオ

こんなヘッドホンが欲しい
編集部:風間雄介
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アップルがヘッドホン市場に、今年後半にも参入するのではないかという観測が、いくつかのメディアから発信されている。

この手の噂は出たり消えたりするもので、本当にアップルがアップルブランドのヘッドホンを売るのか、正式に発表されるまでは何とも言えない。発売が近くなると、AirPods次期モデルのように一部仕様がリークされはじめるのだが、まだそういった情報もあまりない。今のところ、確度はそれほど高くなさそうだ。

とはいえ、もし本当にアップルがヘッドホンを販売するとしたら、何らかのユニークな機能を備えてくることは間違いない。何しろ、アップルはBeatsを持っており、すでに多種多様な製品を販売している。わざわざアップルブランドを冠した製品を出すとしたら、既存のBeats製品とはバッティングしない(あるいは少しずらした)位置づけの製品になるはずだ。


ということで、ここからは「もしアップルがヘッドホンを発売するとしたら」をテーマに、いくつか想定されるシナリオ、製品の特徴を考えてみたい。なお、ノイズキャンセリングやオートキャリブレーションなどの機能を充実させるのは当たり前すぎるので、前提として捉えていただきたい。

ホームエンターテイメントに特化したヘッドホン

自宅で映画を楽しんだり、音楽を聴いたりすることを主眼にしたヘッドホンという線は、わりと可能性が高いのではないかと考えている。もちろん外にも持ち出せるが、自宅内での使用を主眼にしたヘッドホン、という意味だ。

日本に比べたらアメリカは一般的に家が広く、音も出しやすい環境が多いが、一方でスマホやタブレットなどをアップル自身も含め大量に販売した結果、マルチスクリーン化がますます進んでいる。だからパーソナル空間でエンターテイメントを思い切り楽しみたい、というニーズは一定数あるはず。そしてこの分野で差別化を図るとしたら、包み込まれるような音場をさらにリッチなものにする新技術だろう。

ちょうど同じようなコンセプトの製品が、ドルビーが海外で販売している自社ブランドのヘッドホン「DIMENSION」だ。基本的に直販のみで展開しており、テストマーケティング的な側面が強い製品だ。アップルはドルビービジョンやドルビーアトモスを積極的に採用しており、両社の関係は良好に見える。ドルビーの技術も活用しながら独自技術を足し上げてまとめ上げる、という可能性は十分あり得る。

各種センサーを搭載し、スマホと連携しながら行動を手助けするヘッドホン

なんだかんだ言いながら、アップルが今のところ「iPhoneの会社」であることは間違いない。だからiPhoneと連携することで、これまでにない体験を実現することを、まずは考えるはず。ヘッドホンによってiPhoneの魅力が高まり、iPhoneがあるからこそヘッドホンの価値も高まる、そういった好循環を生み出せたら最高だ。AirPodsはまさにそれを体現した実例だが、ヘッドホンにおいてもそういった相互連携を模索するはずだ。

さて、それではヘッドホンに何が搭載されたら、さらに便利になるか。その一つに「アシスタント」がありそうだ。音声アシスタント「Siri」を使えるようにするのはもちろんだが、ヘッドホンに周囲の状況を確認するセンサーがあって、スマホがカバンに中に入っていても、ヘッドホンが「目」になって行動をアシストするような機能があったら便利だし、目新しい。

このアイデアを進化させ、アップルが力を入れている「AR」の体験を高めるためにヘッドホンを使う可能性もある。スマホやタブレットの画面だけでなく、音も一緒に作り上げ、リッチなAR体験を提供するのは、アップルがぜひやりたいことだろう。そのためには頭の位置や向き、動きを常に確認するセンサーが欠かせないし、iOSと高度に連携させる必要も出てくる。そしてアップルにとって、こういった作り込みは大の得意分野だ。

さらに想像を膨らませると、独自のヘッドジェスチャーのようなものを考案し、搭載する可能性もあると考えている。音声アシスタントが何か質問してきたとき、うなずいたらイエス、横に動かしたらノー、というのは単純な例だが、パソコン黎明期からマンマシンインターフェースを考え続け、これまでにもタッチ画面のジェスチャー、タッチパッドのジェスチャーなどの基準を作り上げてきた同社のこと、ヘッドホンでも新たな操作体系を模索しても不思議ではない。一番難しいのは誤動作の排除だが、逆に言うと、それができれば付加価値になる。

単体でApple Musicをストリーミングできるヘッドホン

Apple Watchのセルラーモデルは単体でApple Musicをストリーミング再生できるので、技術的にはそれほど難しくないはず。ただし、できたとしても高価になるだろうし、ランニングコストも必要になるだろう。ポイントはニーズがあるかどうかだが、あまりないような気もしている。

独自規格で高音質路線

アップルならやってくる可能性もあると思うのが、aptX HDやLDAC以外の、独自のコーデックや伝送システムを開発し、ワイヤレス時の音質を根本から高めることだ。

AirPodsはSBCとAACにしか対応しておらず、ヘッドホンもそうだとしたら、音質向上には限度がある。かといって、あまり仲の良くないクアルコムの技術を使うのは考えにくい(LDACはあるかもしれないが)。さらなる音質向上のため、根本から作り込む可能性も十分にあると考えている。その場合は、ストリーミングサービス自体の高音質化も欠かせない。



「アップルがヘッドホンを作ったら」をテーマに、いくつかのシナリオを考えた。本当に発売されるかどうかもわからないから、あえて荒唐無稽なものも入れてみた。他にも色々とアイデアは湧いてくるが、きりが無いのでこの辺でやめておく。私の想像をさらに上回る機能を搭載したヘッドホンが、本当に登場することを期待したい。

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