公開日 2017/11/18 10:30

CD/ハイレゾ/Spotifyを1台で楽しむなら、マランツ「ND8006」がオススメな8つの理由

ワイヤレス再生までカバー
編集部:小澤貴信
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4:NASがなくてもネットワークプレーヤーライクな音楽再生ができる

これまで多くのオーディオファンをネットワークオーディオから遠ざけてきた「NAS」の存在。そもそもNASって何?から始まり、PC周辺機器特有の難しさ、接続性への不安など、NASが精神的な面も含めてハードルになってきなことは否めない。結果としてオーディオ用の優れたNASがここ数年で登場して存在感を示しているが、低価格帯ではまだ選択肢が少ない。

ND8006は、NASがなくても大丈夫。本体のUSB-A端子に音楽ファイルを保存したUSBハードディスクを接続すれば、ネットワークオーディオライクな再生が行える(一部のハードディスクは再生できないものもある)。アプリ上で音楽をブラウズし、好みの順番で並べて再生することができるのだ。

下図のように多様な再生方法を用意するND8006。USB接続したストレージ内の音楽をアプリから再生できる点は、ビギナーにも嬉しい点だ

ND8006は新たにHEOSテクノロジーによるネットワーク再生機能を搭載。HEOSアプリを使うことでこの便利な再生環境が実現できる。しかもNASもUSBハードディスクも、それがどのように接続されているのかを意識せず、シームレスに再生できる。同じリストに、NASの音源とUSBハードディスクの音源を並べて交互に再生できることも可能だ。

NASを使った再生にも魅力があり、優れたオーディオNASも続々と登場している。しかし、最低限のコストでネットワークオーディオライクな再生や操作性を楽しみたいなら、ND8006を試してみてほしい。


5:操作アプリの使い勝手が優れている

ND8006では、これまでのマランツの操作アプリに替わりHEOSアプリが採用された。HEOSとはD&Mグループが手がけるマルチルーム/ネットワークシステムのことで、ND8006はHEOS対応の自社開発ネットワークモジュールを搭載している。

HEOSはHi-Fiオーディオの枠にとどまらず、AVアンプからワイヤレススピーカーまでを統合的に運用できる。複数の対応スピーカーを連携させたり、ひとつのHEOS機器で再生した音楽を他のHEOS機器で再生させたりと豊富なマルチルーム機能を備えている。しかも、いわゆるゼネラルなオーディオ製品まで考慮して作られているため、シンプルかつ直感的に操作できることも特徴だ。

HEOSアプリのホーム画面。各種ストリーミングからサーバー、USBハードディスクの再生までを一元的に操作できる

HEOSアプリで音楽再生を操作しているところ。アルバムアートも楽しめる

ND8006でもこの直感的な操作性が反映されている。ネットワークオーディオの肝となるプレイリスト再生(キュー再生)やサーバー内のブラウジングも従来以上に操作がわかりやすくスムーズ。初心者にも簡単に使える。音楽ストリーミングの操作もアプリから行え、しかも、音楽ストリーミングの再生自体は本体で行っているので、例えば電話に出たりしても音楽が途切れない。

ちなみに、この独自のネットワークモジュールは非常に高性能で、音質の進化にも寄与しているとのこと。今後のアップデートでネットワーク再生でも11.2MHz DSD再生が可能になることが予告されているが、こうした購入後の進化もこのモジュールのポテンシャルあってのものだ。


6:リモコンだけでも、ほとんどの操作が行える

日本語に対応した3行表示の大型ディスプレイを搭載しているので、サーバー内の音楽を検索して音楽を再生するという操作もリモコンからシンプルに行える。オーディオコンポーネントとして、アプリの充実の一方で、リモコンでいわゆるオーディオ機器然とした操作ができることは、本機を幅広い年齢層の方々におすすめできる理由のひとつだ。

ND8006のリモコン。アプリに加えて、リモコンからも操作できることは重要なポイントだ


7:使い方の幅を広げる様々な機能を備えている

これまでもND8006の機能をたくさん挙げてきたが、便利さを向上させる機能はまだまだある。例えば、アナログ出力は新たに2系統を搭載していて、ひとつはボリュームが固定、もうひとつはボリュームが可変となっている。可変出力はHEOSアプリから音量を調整することができ、ストリーミングなどを“ながら聴き”するときなどに使える。マランツのプレーヤーが伝統的に搭載しているヘッドホン出力は、本機の利用シーンを広げてくれる。

音質を楽しむ機能も豊富だ。デジタルフィルターの切り替えに加え、他社が先行して搭載していたクロックレンジ調整による音質の追い込みも本機から可能になった。また、ヘッドホンアンプはゲインの切り替えが3段階から可能だが、ゲイン切り替えに伴ってアンプの帰還量が変わるので音のキャラクターも変化する。ヘッドホンの微妙な音のちがいを楽しむのにぜひ活用したい。これら機能を使って、自分好みの音に追い込むのも本機の楽しみだ。

ND8006の背面端子部。アナログ出力はボリューム固定/ボリューム可変の2系統を搭載

また、マランツらしいと言える音質向上機能が、ヘッドホン回路・アナログ可変出力・デジタル出力・ネットワークモジュール・ディスプレイをそれぞれ個別にオン/オフできること。ノイズ対策には万全を期しているとはいえ、究極の対策はノイズ元を完全な停止である。多機能ゆえに併存する様々な回路を、必要に応じてオフにすることで、サウンドのピュアネスをさらに突き詰めていけるというわけだ。


8:多機能性を意識することなく、良い音に集中できる

ND8006の特徴について主に機能面から紹介をしてきたが、本機の最も大きな魅力は「どんなソースがかかっているか意識せずに、良い音に集中できる」ことではないだろうか。

これだけ音楽を聴く方法がたくさんあって、操作方法も様々となると、なんだか音楽の実体がどこにあるのかわからなくなることがある(音楽に実体など本来はないとしても)。アナログレコードが最近見直されているのも、日本人がCDを忘れることができないのも、そこに音楽を宿す実体があるからで、だからこそ音楽に安心して集中できるのだろう。

マランツ試聴室に設置されたND8006(写真右)

もちろん音楽ファイルや音楽ストリーミングを否定するものではない。まだソースの在り方が過渡期というだけだ。CDを超えた情報量を備えるハイレゾファイルや、膨大な音楽を縦横無尽に聴けるストリーミングが、私たちの音楽体験の幅を広げてくれているのもまた事実である。

こうした新旧のデジタルソース、CDからストリーミングまでを隔てなく良い音で再生してくれて、なおかつ、それがどんなソースなのか意識させずに音楽に集中させてくれる優れた機能性を備えていること。ND8006はこのような現代のプレーヤーに求められる資質をまさに満たしているのだ。

(編集部:小澤貴信)

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