PR 公開日 2022/12/02 06:30

ラインナップも充実! フォクトレンダー「ニコンZマウントレンズ」の魅力

【特別企画】DGPイメージングアワード2022受賞モデルを一斉レビュー
藤井智弘
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MACRO APO-ULTORON D35mm F2(Z-Mount)




SPEC ●焦点距離:35mm ●絞り値:F/2-F/22 ●最短撮影距離:0.163m ●フィルター径:φ52mm ●最大径×全長:φ67.6mm×56.7mm ●質量:290g ●対応センサーサイズ:APS-C ●対応マウント:ニコンZ ●価格:¥107,800(税込)

4本目は「MACRO APO-ULTORON D35mm F2」。35mm判換算52.5mm相当の焦点距離を持つAPS-Cサイズ用の標準マクロレンズだ。

ピントリングのローレットや鏡筒のシルバーのリング、色付けされた絞り表示や被写界深度目盛りは、かつてのニッコールレンズを思わせるデザインだ。MF時代の名機、ニコンFMシリーズを彷彿とさせる外観のZ fcに装着したところ、やはりジャストフィット。まるで純正レンズのような一体感だ。


フロントフォーカス方式を採用し、全体繰り出し式より近距離でも鏡筒の伸長が短く扱いやすい。ピントリングの動きも滑らかだ。絞りリングのクリックもガタつきがなく、工作精度の高さが感じられる。APS-C専用レンズだと、ビギナー向けにコストを抑えた造りのレンズも少なくないが、フォクトレンダーのレンズはどれも高品質で高級感のある仕上がりだ。

レンズ構成は6群9枚。そのうち異常部分分散ガラスを3枚使用し、安定した描写性能を発揮する。最短撮影距離は0.163m。最大撮影倍率は1/2倍。等倍まではカバーしないが、よほどのクローズアップを狙わなければ1/2倍でも十分だ。


軸上色収差や倍率色収差を抑えたアポクロマート設計により、どの絞り値や撮影距離でも解像力が高い描写だ。ただし同じアポクロマート設計でも“APO-LANTHAR”のようなエッジが立つようなシャープさではなく、見た目に自然な雰囲気。ボケも柔らかく、逆光にも強い。寄れる標準レンズとして、スナップから風景、ネイチャー、テーブルフォトなど幅広いシーンで楽しめる。


今回、ニコンZマウント対応のレンズ4本をじっくりと試用したが、フォクトレンダーのレンズは、いずれも高い工作精度と滑らかな操作性を持ち、撮影を快適に楽しめる。そして安定した描写、高い解像力の中にも、それぞれの個性が感じられるのも特徴だ。

絞り開放から甘さが全くなく、立体感のあるシャープさが堪能できる「APO-LANTHAR 35mm F2 Aspherical」、「APO-LANTHAR 50mm F2 Aspherical」。F1.2の大口径と絞り開放の柔らかい描写を持つ「NOKTON 40mm F1.2 Aspherical」。そしてAPS-C用で優しい雰囲気の写りの「MACRO APO-ULTRON 35mm F2」。使用しているZシリーズのフォーマットにもよるが、いずれのレンズを選んでもフォクトレンダーならではの魅力を存分に楽しめる。

また、描写力の高さはもちろん大きな魅力なのだが、筆者が特に感じたのが質感の高さと操作する楽しさだ。デジタルの時代になり、カメラは電子機器の様相を呈している。だがフォクトレンダーのレンズは、かつてのMFレンズを思わせるデザインと総金属製の鏡筒を持ち、レンズが光学機器であることをしっかりと伝えてくれる。

フォクトレンダーのレンズを装着して構えると、カメラで写真を撮っている実感が湧く。しかも電子接点を備え、Exif情報の記録や、ボディ内手ブレ補正にも対応するなど、現代のレンズならではの機能も実現。そんなクラシックと最新技術が見事に融合したフォクトレンダーのレンズにより、ニコンZシリーズがさらに楽しくなることは間違いないだろう。

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