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独自の技術を軸に新しい製品を展開

“懐古”ではなく“再誕”。Nakamichiから平面磁界ヘッドホン/スピーカーが2026年発売

公開日 2025/12/16 17:50 編集部:成藤正宣
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香港Signeo Design Internationalは、Nakamichi(ナカミチ)ブランドの “Eliteシリーズ” から、プラナー(平面磁界)ドライバーを搭載した2モデルを2026年に国内展開することをアナウンス。製品発表会を開催した。

一般販売予定価格と発売時期はそれぞれ以下のとおり。なお、Krystal SOUND STATIONについては、クラウドファンディングプラットフォームのGREEN FUNDINGにて先行販売を実施する。

・有線ヘッドホン「ELITE PRO P800J」:128,000円(税込)/2026年1月発売
・ワイヤレススピーカーシステム「Krystal SOUND STAION」:248,000円(税込)/2026年3月発売

「ELITE PRO P800J」
「Krystal SOUND STAION」

Signeo Design Internationalは、空気清浄機やクリーナー、コーヒーメーカー、イヤホンなどに関わる9つのブランドを展開している民生家電メーカー。2012年にNakamichiブランドの権利を取得し、完全ワイヤレスイヤホンなどの製品を各国で展開してきた。

発表会に登壇した、Signeo Design International社長のケビン氏

しかし日本市場において「Nakamichi」のブランド名には、往年のファンを中心に並々ならぬ期待が寄せられる。そのハードルを乗り越えて受け入れられるには、やはりブランド名を掲げるだけでなく、製品の中身もしっかりと作り込まなければならないと改めて判断するに至ったとのこと。

そこで「This is not nostalgia. It’s rebirth.(懐古ではなく再誕)」をスローガンに、往年のNakamichiのイメージも受け継ぎつつ、Signeoが独自に開発した薄さ0.006mmの大型プラナードライバーを軸とした新しいハイクラスの製品を開発することを決定。その第1弾が、この度発表する2つの製品となる。一般販売の際は、(株)ピクセルが取り扱いを予定する。

「This is not nostalgia. It’s rebirth.」をスローガンに、過去の製品の復刻ではなく、新機軸の製品でNakamichiブランドの国内再上陸を図る
薄さ0.006mmの独自のプラナードライバーを製品開発の軸に据える

チューニングについては両モデルとも、「演者がすぐそこにいるように感じられる空間表現」「透明感のある高域」の2点に注力したという。

「ELITE PRO P800J」は、80mmの大口径プラナードライバーを搭載した開放型の有線ヘッドホン。筐体はアルミ製で、デザインには往年のNakamichi製品に見られた無骨さを取り入れているそうだ。

80mmのプラナードライバーを搭載。あえて無骨さをデザインに取り入れた

ケーブルは左右両出しタイプで、miniXLRコネクターによる着脱に対応。付属ケーブルは4N OFC導体と4.4mmバランスプラグを装備する。製造については、中国で生産したパーツを日本国内で組み立て/調整し、高い品質を安定して届けるとしている。

また、今年11月に行われたイベント「秋のヘッドフォン祭」に本製品を参考出展した際、来場者から寄せられた意見をフィードバック。ヘッドバンドの形状を見直し、装着感を改善しているとのこと。

試聴機とは別に、ユーザーからのフィードバックを受けて装着性を改善したタイプの見本も展示。ヘッドバンドが変更されており、販売時にはこちらの仕様になるとのこと

「Krystal SOUND STAION」は、プラナーの薄さを活かした超薄型設計のメインユニット 2基と、コントロールボックスを兼ねるサブウーファーユニットを組み合わせた2.1chワイヤレススピーカーシステム。各ユニット間の接続も完全にワイヤレスで行われ、給電ケーブルのみ接続が必要となる。

プラナードライバー搭載のメインユニットと、サブウーファーユニットの2.1chシステム

メインユニットは150mmのプラナードライバーと30WのクラスDアンプを内蔵。プラナードライバーはN48ネオジウム磁石を用いたプッシュプル構造で、中 - 高域をレスポンスよく再生しながらも本体の厚みをわずか6.5mmに抑えている。

プラナードライバーを活かして薄型設計を実現
ドライバー背面からも音を放出することで、空間の広がりを強く感じさせる開放構造となっている。壁に寄せて設置すると、音が反射することには注意が要る

サブウーファーユニットには5.25インチ(約133mm)のダイナミック型ドライバーと60WのクラスDアンプ、2基のパッシブラジエーターを搭載。120Hz以下の低域を受け持ち、プラナードライバーが苦手とする低域再生を補う役目となる。

サブウーファーは入力切り替えなどを行うコントロールボックスを兼ねている

入力はBluetoothを基本として、USB-C、光デジタル、3.5mmアナログ入力に対応。端子はサブウーファーユニットに装備する。なおSigneo Design社社長のケビン氏によれば、サブウーファーを抜いてメインユニット同士をペアリングし、ステレオ再生させることも可能だそうだ。

USB、光デジタル、3.5mmアナログ入力にも対応

本製品は上述のとおり、まずクラウドファンディングプラットフォームのGREEN FUNDINGにて展開。あわせて東京・世田谷区の二子玉川 蔦屋家電、SHIBUYA TSUTAYAにて実機展示を行うとしている。

また今後の製品展開についてケビン氏は、より低い帯域まで再生できるプラナースピーカーの開発を目指していると説明。いずれサブウーファーを必要としない、プラナーのみのスピーカーシステムを実現させたいと語った。’

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