公開日 2020/05/27 06:45

オーディオテクニカ初のノイキャン完全ワイヤレス「ATH-ANC300TW」レビュー。静寂に高音質をプラス

【PR】絶妙なバランスのノイキャン効果

装着しただけでも高い遮音性を発揮。フィット感も良好

「ATH-ANC300TW」の外観は、写真だけで見ると発売中の「ATH-CK3TW」に近いようにも感じるが、実物は全くの別物。よりイヤーモニター然とした本体に、ボタンが配置される円形のフェースプレート部を組み合わせた、複雑な造形をしている。なかなかに上品なデザインだ。バッテリーはイヤホン単体で最大約4.5時間、充電ケースとの併用で最大約18時間となっている。



そしてなによりも、サイズがコンパクト。このボディの何処にドライバーとバッテリー、さらには2ペアの集音マイクをおさめたのか不思議になるくらいの纏まりを見せており、約7gという数値以上に軽快な装着感を持ち合わせている。

加えて、パッシブの遮音性もいい。付属するシリコン・イヤーピースは、傘の高さが低い完全ワイヤレスイヤホン向け専用タイプとなっているが、XS〜Lの4サイズが用意されていることと、フィット感の良好さが相まって、しっかりした遮音性を確保できる。

XSからLまで4サイズのシリコンイヤーピースと、コンプライ製イヤーピースを付属。最適な装着感を得ることができる

ちなみに、音質はもちろんのこと、アクティブノイズキャンセリング機能の効きを考えると、ちょっときつめくらいのイヤーピース選択がオススメだ。もちろん、そういった装着感が苦手の人のために、コンプライ製のフォームタイプ・イヤーピースも付属しているので、こちらを活用するのも手だろう。

これは「ATH-ANC300TW」だけでなく、全てのアクティブノイズキャンセリング機能搭載イヤホンに言えることだが、しっかりした装着を行うことで、ノイズキャンセリングの効き具合はもちろん、音色傾向まで変わってきてしまう。そのあたりは、試聴の際も十分注意して欲しい。"ややきつめの装着”を心がけよう。

装着の際はイヤホンを耳に挿し入れるだけでなく、少しねじ込むようにしてボタンが真上に来るようにするのがポイント(鏡で見たときにロゴの頂点がまっすぐ上を向くポジションだ)。イヤーピースはややきつめを選びたい


絶妙なバランスのノイキャン効果。アプリで調整できるのも嬉しい

さて、肝心のアクティブノイズキャンセリングの効果はというと、「絶妙なバランス」といった表現がピッタリのチューニングだ。オーディオテクニカは有線イヤホン時代からアクティブノイズキャンセリング・ヘッドホン等を手がけているので、随分と手慣れているのかもしれない。暗騒音をしっかり消しつつ、違和感のない自然な消音を行ってくれる。

アプリでノイズキャンセル効果を3段階で調整し、最適な効き具合を選ぶことが可能。スマホと接続する際のコーデックも選択できる

特に低域のノイズ成分を上手く消してくれるため、メリハリの良い、パワフルなサウンドが楽しめるのはありがたい。ただ騒音を消すだけでなく、どんな場所であっても音楽をとことん楽しめるようにするといった方向性が垣間見えてくるようで、いち音楽ファンとしては興味が引かれるところだ。

また、アプリを活用することで、環境の違いに合わせて3タイプのノイズキャンセリング設定を切り替えられるのもありがたい。電車内や飛行機内では強力に、街中ではそこそこに、といったようにシチュエーションによってベストな効き具合が変わってくるので、意外と重宝する。現在リモートワーク中の方にとっても、家族の生活音が気になって集中しづらいという際に、最適なノイズキャンセリング効果を選ぶことができるはずだ。単純にオンオフだけでなく、こういった切替ができるのも「ATH-ANC300TW」のアドバンテージのひとつと言えるだろう。

左イヤホンの上部にあるボタンを押すと外音が聞こえるようになる「クイックヒアスルー」機能も用意。取り込む外音の音量も、Low/Medium/Highの3段階から選べる



上位機種に通じるキレの良いスピード感溢れるサウンド

そして、一番気になるのはそのサウンドだろう。5.8mm口径のダイナミック型ユニットに、DLC(ダイヤモンドライクカーボン)コーティング振動板を組み合わせる手法は、同社上級モデルのイヤホンやヘッドホンにも活用されている“音質”を重視した組み合わせだ。

そして実際のサウンドも、オーディオテクニカの上位モデルに通じる、キレの良いスピード感溢れる表現を持ち合わせている。

たとえばピアノの演奏を聴いてみると、音抜けの良い凜とした響きをもち、普段よりも指のタッチが軽やか、かつ力強く感じられる。なかなか、元気のいい演奏だ。いっぽうで、低域は量感こそ充分であるものの、SOLID BASSシリーズとは異なるフォーカスの良さに惹かれる。

ベースはフォーカスが高く、演奏しているフレーズがしっかりと伝わるし、ドラムも皮を強めに張ったかのような、キレの良いリズムを聴かせてくれる。ジャズやハードロックなどの音楽ジャンルは、とてもリズミカルな、グルーヴ感溢れる演奏へと生まれ変わっている。このあたりは、良音質BluetoothコーデックであるaptX対応による恩恵もあるのかもしれない。

ヴォーカル再生も特徴的だ。宇多田ヒカルを聴くと、普段よりハスキーさが増し、やや強い歌い方へとシフト。立ち位置がかなり近いことも合わさって、気持ちのこもった臨場感ある歌声がとても楽しく感じられる。




アクティブノイズキャンセリング機能の魅力はもちろんだが、オーディオテクニカ上級シリーズと共通する明朗快活なキャラクターを持ち合わせているサウンドも、大いに魅力的だといっていいだろう。

音楽を聴く用途はもちろん、リモートワーク等で増えるビデオ会議でも心強い相棒になってくれるはずだ。オーディオテクニカはマイクづくりのノウハウも持っている。アーティストからの支持も高く、大規模フェスやスポーツイベントへの導入実績もある。本機に搭載されているのは高性能なMEMSマイクで、感度も-32dBV/Pa,at1kHzと高いうえ、Qualcomm社のcVc(clear voice capture)にも対応している。実際に本機を装着したオーディオテクニカ社員とビデオ会議をしたところ、音声のクリアさが印象的だった。
(編集部註:お使いの環境によってはビデオ会議に使用できない場合があります)

オーディオテクニカのヘッドホンユーザーはもちろん、アクティブノイズキャンセリング機能搭載の完全ワイヤレスイヤホンに興味があるという方にも、ぜひ一度試して欲しい製品だ。


(協力:株式会社オーディオテクニカ)

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