録画番組を“簡単に”iPhoneに持ち出し視聴 − 東芝の新”レグザブルーレイ”を試す

レコーダーで録画したテレビ番組をSDカードに持ち出すためには、AVC形式のスマホ持ち出し用ファイルに変換する必要がある。持ち出し用の番組を変換生成するタイミングは録画後、あるいは録画と同時のどちらかが選べる。

録画予約を入れる際に「持ち出し設定」から「SeeQVault対応SDカード転送」をテレビのGUI、または後述するDiXiM Playアプリの予約画面から選ぶ。これを設定しておけば、SDカードへの転送は予約録画終了時の電源オフ時に実行される。

後から持ち出し用ファイルを変換して生成する場合、変換ダビングはほぼ実時間が必要だった。おまかせ自動録画の場合、番組全部に持ち出し用ファイルへの自動変換をあてがうことはできないため、おまかせ自動録画のリストからあとで面白そうな番組を発見したら、一つずつ手動ダビングしなければならない。

変換ダビング中は予約録画も含む録画の投入、スマホへのダビング、BDディスクの再生まであらゆるマルチタスクが同時にできないよう設計されている。ダビングの失敗を防ぐためには致し方ない気もするが正直不便だ。

SDカードへの持ち出しファイルの画質設定はDR以外、最高1280×720画素/12MbpsのHD画質から標準画質まで選べるようになっている。ダビングメニューの「スマホ持ち出し用変換」からファイル選択時に指定するか、本体設定の録画設定から「スマホ持ち出し用画質」を固定することもできる。

■SeeQVault Playerアプリで番組再生

テレビ番組をダビングしたSDカードはLightning端子付きのカードリーダーにセットして、iPhoneにインストールしたSeeQVault Playerアプリで再生する。リーダーを装着すると録画番組リストにはSDカードに保存された番組が並び、タイトルをタップすると再生がスタートする。

SDカードにダビングされた番組には、自動生成されたチャプター情報が引き継がれる。シークバーからでも再生箇所の頭出しが素速くできて、さらに秒数を指定した戻し・スキップなどトリックプレイにも対応する。

iOSデバイスにSDカードリーダーを常時装着してファイルを再生することになるが、バッテリーが消費されるスピードはWi-Fi経由で同じ番組を持ち出して再生した場合と比べて、目に見えるほどの差がなかった。

SeeQVault対応SDカードのメリットのひとつに、複数のiOSデバイスで録画番組を共有できることがある。もしAndroidデバイスでも共有したければ、MSV-RWシリーズに付属するmicroUSB端子仕様のリーダーを手に入れるか、デジオンのDiXiM Playアプリによる持ち出し機能を一緒に使うといい。

持ち出し用に生成したファイルは、SDカードにダビング後は本体から削除されるムーブコピーになる。一度SDカードに転送すると書き戻しができないため、コピー10対応の番組であれば、面倒だがもう一度実時間をかけてダビングをやり直さなければならない。

■「ネットdeダビング」に対応したDiXiM Playの動画持ちだし機能と比べる

レグザブルーレイは外出先からスマホなどモバイル機器を使ってインターネット経由でレコーダーにアクセスして、チューナーが受信しているライブ放送や、ストレージに録画した番組を外出先からでも楽しめるリモート視聴にも対応している。リモート視聴にはデジオンのアプリ「DiXiM Play」を使う。月額100円（税抜）で利用できるサブスクリプション型のアプリだ。