公開日 2015/05/11 12:11

“全録レコーダー” 注目2機種、どちらが買い? 東芝「M590」&パナソニック「BRX6000」

新連載<折原一也の“いまシュン!”ビジュアルプロダクト>第1回

一方、パナソニックのBRX6000は、「新着番組」のページを右にめくっていくと登録式の番組検索があり、ジャンル、キーワードのほか「新番組検索」「検索履歴」などをカスタマイズして登録できる。ちなみにリモコンの「検索」ボタンの画面は、通常のDIGAと同じ絞り込みスタイルのまま残されている。

一般的な検索条件は「新着番組」の右のページに登録可能。キーワード検索、更に「シーン」対象も実行可能と実にマニアック

さて、BRX6000を活用する上で忘れてはならないのが「モーションリモコン」のマイクを利用した「音声検索」だ。番組名や出演者名の入力を音声で行うと、リモコンで手打ちするより遙かに手っ取り早い。

番組名やトピックが判っている場合にはリモコンのマイクから「音声検索」が一番便利

特に役立ったのが、ネットや人づてで番組の存在を知った時の検索。例えば、NHKがテレビ番組で江東区に存在する「コスプレビル」なるものを紹介したと知った時には、音声マイクで「コスプレビル」と話すだけでお目当ての番組がヒット。しかも、「シーン」「コーナー」「ニュース」「出演シーン」「場面」と入れるとコーナー単位で検索も可能。BRX6000の検索は条件を選択するだけで使える手軽さと、ピンポイントで探せる音声検索とを実によく両立させている。

音声を認識すると検索結果にジャンプ。シーン単位で検索も可能だ


■他機器連携に優れるM590、全録メジャー化の意気込みを感じるBRX6000


今回は特に最新機種でリニューアルされた操作性と検索をメインに使い込んだが、前述したように同じ“全録レコーダー”であっても、その使用感は全く別モノだった。

東芝のM590は、HDDに全番組を蓄積して、あとはユーザーの好みに応じて創意工夫次第で使いこなして欲しい、という姿勢。「タイムシフトマシン」はもちろんのこと、「ざんまいプレイ」の有効活用や、録画や視聴に対して強いモチベーションのある人は理想のマシンと歓迎するだろう。

また搭載チューナーはすべて3波対応で、地上波を無視してBS/110度CSだけを9ch全録するといった使い方もできる。BS/CSだけを録りたい人には最強だ。さらに、他のレグザーサーバーとの連携やレグザとのチャンネル分担まで考えると、M590は確実に指名買いする価値がある。

REGZA Z10Xの「タイムシフトマシン」からM590の番組を一体表示

REGZA側の「タイムシフトリンク」から設定可能だ

一方、BRX6000は全録マシンでもあるが、上手に一般的なBDレコーダーを発展させた感がある。全ch通常録画と同じAVC録画モードを利用できる事も然り、「新着番組」が全録というより自動録画のような見せ方を徹底している事も然り。良い意味でズボラに使えるマシンだと言えよう。「全自動DIGA」と銘打ったことからも、“全録”をよりメジャー化させたい強い意気込みが伝わってくる。そのほか、従来のDIGAシリーズと同じようにe-onkyoのハイレゾ音源対応ファイル共有といった、全く別用途の機能を魅力的に感じる方もいるだろう。

BRX6000を設置すると毎日目にすることになる「新着番組」画面。ニュースや録画ランキングなどもいざ使ってみると便利

再生中にも活躍するシーン一覧、このモーションリモコンを併用する形は最初は戸惑うが慣れてしまうと非常に便利

最後に、本稿執筆時点でのM590の大手ネット通販での販売価格は20万円台前半。BRX6000は発売前だが、製品発表時点での予想実売価格が21万円前後と、両者ともほぼ同額。「全録レコーダーは高価」という一般的なイメージを、両メーカーがいかに打ち崩せるか、勝負の1年となるだろう。

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