公開日 2015/03/18 16:38

Apple Watchにある2つの「泣き所」 − Android系スマートウォッチと比較検証

<山本敦のAV進化論 第47回>Apple Watchは「買い」か!?
アップル初のスマートウォッチ「Apple Watch」が正式発表された。製品の詳細はPhile-webニュースアップルの公式サイトを読んでいただくとして、ここでは既存のスマートウォッチに対するApple Watchの位置関係を把握しながら、本機が「買い」のデジモノなのか思考を巡らせてみたい。

いよいよ4月24日に発売されるアップル初のスマートウォッチ「Apple Watch」

最もカジュアルな価格帯の「Apple Watch Sport」は人気を集めそうだ


■基本機能はAndroid Wearにキャッチアップしてきた

Apple WatchはiPhoneとペアリングして使うことを前提にしたコンパニオンプロダクトである。既にiOSを最新バージョンの「iOS 8.2」にアップデートされた方々はお気づきだと思うが、マネージメントアプリの「Apple Watch」が追加され、ユーザーがApple Watchを買ってペアリングしてくれる日を待っている。

背面には心拍センサーを搭載。専用のコネクターを取り付けて充電する

iPhoneは6/6 plus/5s/5c/5が対象となり、Apple Watchとは1対1でペアリングして使うようだ。Bluetoothによるペアリングは見通し有効距離範囲が30mまでになるが、互いの機器をホームネットワークにWi-Fi接続していれば、Bluetoothの通信可能範囲を超えた際には自動でWi-Fiに切り替わる。例えば1階のリビングにiPhoneを置いたまま、2階のプライベート・オーディオルームにこもってハイレゾにがっつり耳を傾けている時にも、Apple WatchでiPhoneにかかってきた着信を受けて、内蔵マイクとスピーカーで通話もできる。大事なメールの着信も見逃さない。もっとも、音楽リスニングの時間には外界につながるチャンネルは全てシャットオフしたいという方も多いだろうが。

iPhoneアプリとの連携によるノーティフィケーションは「Apple Watch」アプリからON/OFFが選べる

Siriによるボイスコマンドに対応したほか、心拍数や加速度センサー、GPSも内蔵。アクティビティトラッカーやフィットネス系アプリ、お天気アプリとの連携、ノーティフィケーション通知の連動はしっかりと盛り込まれている。ざっと俯瞰する限り、Apple Watchでは先行するAndroid Wearのフィーチャーは一通りキャッチアップできているようだ。「Googleマップ」に対する「マップ」アプリの完成度はさておき、ナビゲーション連携については時計の画面上に地図を表示できる所がAndroid Wearに対するアドバンテージ。道を曲がるタイミングでは本体がバイブして知らせてくれるので、道にも迷いにくくなるのではないかと期待が高まる。

Siriによる音声コマンドに対応している。iPhoneと連動したブラウザ検索などが可能

AV連携については、本体に内蔵する2GBのメモリーに音楽ファイルを保存して、Apple Watch単体再生できるミュージックプレーヤー機能を搭載した。Bluetoothイヤホンやヘッドホンにペアリングすれば、ジョギングやジムでのトレーニングの際により軽い装いで音楽を楽しみながらワークアウトができる。Apple Watchへの楽曲保存は、iPhone内の楽曲から「Apple Watch」アプリよりプレイリスト単位で指定して、チェックした曲を転送するかたちになる。その際に音質設定が細かく行えるのかについてはまだ不明だ。

スマートウォッチ本体の2GBの内蔵メモリーに音楽を保存してBluetooth再生が楽しめる。iPhoneからプレイリスト単位で楽曲を転送する

Android Wearでも、時計の内蔵メモリーにスマホから音楽ファイルを転送して、時計とBluetoothヘッドホンだけのペアで音楽再生を楽しむことはできるようになっているが、残念ながら日本では全機能が開放されていない「Google Playミュージック」をベースにした機能であるため、今のところ日本国内で使えない。例外としてソニーの「SmartWatch 3」は、Xperiaシリーズが搭載する「Walkmanアプリ」からプレイリスト単位で音楽ファイルを転送して、スタンドアローン再生ができるのが特徴だ。

本機も単体で音楽再生が楽しめる「SmartWatch 3」

■写真や動画系の機能は?

写真系の機能としては、Apple WatchをiPhoneのメインカメラである「iSightカメラ」のファインダーにできる「リモートカメラ」アプリを搭載。時計の画面でフレームを確認しながら、手元でシャッターが切れるので、集合写真や自分撮りをサポートしてくれそうだ。なお、Android系のスマートウォッチでも「Wear Camera Remote」などのアプリを追加することで同じことができる。

次ページAV系の機能だけならAndroid wearよりApple Wathcが一歩リード?

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