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<山本敦のAV進化論 第47回>Apple Watchは「買い」か!?

Apple Watchにある2つの「泣き所」 − Android系スマートウォッチと比較検証

公開日 2015/03/18 16:38 山本 敦
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Apple TVやMac/Windows上のiTunesライブラリが手元で操作できるようになる「Remote」アプリも便利そうだ。一方のグーグル側ソリューションの場合、Android WearからNexus PlayerやChromecastを操作する手段は今のところ無いようだ。

スマートウォッチのディスプレイ上で写真は再生できるが、動画の視聴はできないところはAppleとAndroidとも同じになる。

こうして単純にAV系の機能だけを切り出して比べてみると、“iPhoneを持っていれば”という前提ながらもApple Watchの方が一歩リードしているようだ。もっとも、同系統のOSを搭載するスマホと連動したコミュニケーション、ノーティフィケーション連携が「主」であり、AV系機能についてはあくまでサブ的な位置づけである点はAppleもAndroidも共通しており、「スマートウォッチはかくあるべき」という両社のスタンスは基本的に似たものが製品に反映されていると思う。

Apple WatchとAndroid WearのAV系機能比較


■スマートウォッチ入門者にも親しみやすいインターフェース

昨年秋のiPhone 6/6 Plusの発売後、アップルのiPhoneの販売は世界中で好調を堅持していることから、多くの国々でiPhoneがAndroidスマホのシェアを奪回しつつあるようだ。日本国内のスマートフォン販売シェア率もiPhoneが約7割を占めていると言われている。

iPhoneの端末、オペレーティングシステムであるiOSともにアップルが開発・提供するクローズドなプラットフォームであり、ソースコードも開示されていない。これに対してプラットフォームのオープン性をうたう他OS陣営の商品展開を比べてみると、サムスンはTizen OSを搭載するスマートウォッチ「Gear S」を発売済み。LGエレクトロニクスはスマートウォッチ「LG Watch Urbane LTE」にWeb OSを搭載していることをMWCで発表した。Firefox OSを開発するMozillaも、今年のMWCでスマートウォッチのプロトタイプを展示して道筋を示したが、こちらはまだ搭載製品が表れていない。

3G通信機能を搭載するサムスン「Gear S」。時計単体でブラウザ検索ができて便利だ

Gear Sは音楽プレーヤー機能も内蔵。Bluetoothイヤホンと組み合わせればジョギングなどのアウトドアシーンでより快適に音楽を聴くことができる

Apple Watchの場合、発売後に多くのユーザーによる“実地”でのシビアな評価に晒されてみないことには真価を問えないところもあるが、短時間ながら筆者がハンドリングしてみた手応えでは、Watch OSとデジタルクラウンによる操作感は直感的な操作感を実現したものであり、iOSやMac OSとの親和性も高いと感じた。スマートウォッチを初めて使う人にとっても親しみやすいインターフェースになると思う。これまでiOSが広げてきた、外部アプリベンダーとの連携による強力なサービスプラットフォームが、早くも手詰まり感のあるスマートウォッチ界に新風を巻き起こしてくれるのではないか、という期待感もある。

MozillaがMWC 2015の会場に出展したスマートウォッチへのFirefox OS展開のイメージ試作機

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